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ネズミとダンジョンマスター  作者: ヨコチ=チウム
第一章
16/39

#十五匹目 騒音ちゅー意


その日の夜、ニアとオルガ含むネズミ達を招集していた。

時間は食事前。丁度最近恒例になりつつあるパン総選挙が開始される時間帯だ。


「みんな、食事前に呼び出して悪いな」


『いえ、大丈夫でございます』


『うんうん』


ネズミ達を代表してオルガとニアが返事をする。

オルガは言葉通り大丈夫そうだが、ニアに関しては完全に意識がパンの方に向いている。身体はこっちに向いているが顔は完全にパンのある方を注視している。中途半端に素直な奴だ。


「それで、今日みんなに集まって貰ったのはこれの事だ」


そう言って俺はポケットから純ニッケルの球体を取り出し皆に見える様に持つ。


「本日、皆の働きのお陰で遂に収益に繋が…えー価値ある宝が見つかった」


収益等という少し難しい言葉は伝わりにくいと思い少し表現を変えたのだがニア達は興奮気味に盛り上がっている。


『おぉ!まさか本当に!』


『ねー言ったでしょー!』


オルガはあの石の塊が、といった感じで驚いておりニアは何故か得意気だ。

取り敢えずネズミ達が落ち着くのを少し待ってから話し始める。


「でだ、今日はいつも頑張ってくれている皆に俺からご褒美がある」


それを聞いたネズミ達の興奮が再燃する。


別に日頃報酬を渡していない訳ではなく、二日に一度くらいのペースでニア達の要望を聞いている。まぁ大概食に関する事なので報酬と言えるかは微妙な所だが、本人達が喜んでいるので言えるのであろう。


なので今回はそれとは別に、皆からの要望ではなく俺からのプレゼントという形で俺が選んだ。

ニア達が喜ぶ物と考えて思い付くのは食べ物関連しか浮かばなかった為、食べ物になってしまったが致し方無い。


「これなんだが、みんなで仲良く食べるんだぞ」


俺は手元のダンボールから取り出したそれを皆の前に置く。

期待の眼差しで俺の手元を見ていたネズミ達は出てきたそれを見て首を傾げる。


『何これ?』


『ふむ?見た事が無い食べ物ですな』


近くに居たニアとオルガが表面をペタペタと触り検分し始める。


「それは『ねりねりねりね』って言う知育菓子だ」


『ねりねり?』


『知育菓子?』


二人ともこれが食べ物とはにわかに信じられない様でまだ半信半疑といった感じである。

まぁ、確かにパッケージ見ても身体に悪そうな何かを捏ねくり回すババァしか写ってないし、袋の中身は触るとプラスチック製の音がするから仕方ない。


そこでまずは俺が試しに作ることにする。

決して懐かしくなって作りたくなったとかそういうのでは無い。

無いったら無いのだ。


パッケージを破き作り始めたのだが、その様子をネズミ達が手元に集まって来て興奮気味に見ている。


「まずは魔法の粉1を容器に……」


「ちゅー!?ちゅちゅー!」(魔法の粉!?まさか魔法を使った料理なのか!)


「ちゅーちゅちゅ!」(甘い香りがする!


何やらネズミ達が盛り上がっているが作業を続ける。


「んで、カップの水を入れてこっちの粉も入れてと……ねりねりねりねりねりねりねりねりねりねりねりねりねりねりねり」


「ちゅー!?」(オーマイゴット!?)


『い、色が!?の、伸びた!?』


ニアの驚く声が頭の中に聞こえてくる。


「最後に、トッピングのキャンディを付けて出来上がりだ」


ランタンの光を反射してキラキラと光る謎の物体を見てネズミ達の目もキラキラ光っている。


それを俺は躊躇うことなく口に運ぶ。良く考えてみるとこっちに来てから初めて口にするのが『ねりねりねりね』という何とも奇妙な話だ。

久しぶりに食べ物を口にした為か、口一杯に甘い味が広がり頬が少し痛くなる。


「うーん、デリシャス」


二口目を味わおうした所でニア達に自分達の分もと急かされたので皆の分のねりねりねりねを箱から取り出し渡す。


一匹で一袋というのは多過ぎると思ったので2~3匹で一袋位の数を渡しておく。


そして、その日の夜はネズミ達が2~3匹のチームを組みねりねりねりねの錬金に励む光景をエレノア達と楽しんだ。

ネズミ達は甘い物は大好きらしく夢中になってかき混ぜては食べていた。


誰とは言わないがねりねりねりねの容器にダイビングして全身ネバネバになったりと多少のアクシデントもあったが概ね問題無い。

因みにその後スライム洗浄機によって掃除、もとい食べられていたので後処理は完璧である。






『あー昨日は酷い目にあったよー』


翌日、昨日の残りのキャンディをポリポリと食べながら掘削に向かうニアやネズミ達を見送り今日こそは射撃訓練をすべく地上ち繋がる穴に向かう。

てか、あいつキャンディをいつの間に。まぁ良いか。


そして昨日、何やかんやあって中断していた射撃訓練を再開する。

昨日の夜こんな閉鎖空間で発砲したら音で耳がやられると気が付きイヤーマフの代わりに耳栓を買っている。

あと、皆のいる地下まで音が響かない様に地上行きの通路の入口をダンボールで塞いでおいた。これで多少は音が減少してくれる筈。


「さてと、早速やりますか」


まずは弾倉に弾を込めていく。弾がどんどん詰まっていくにつれ、緊張していくのが分かる。何せ初めて実銃を撃つのだから仕方あるまい。


弾倉に弾が込め終わり、早速銃に装着するとコッキングを引き弾を装填するとアイアンサイトを覗く。

サイト越しに的として用意したダンボールを見据える。

息を吐き呼吸を整え心を落ち着かせる。

構え方も問題ない筈でその他も抜かりない、そう考え心が落ち着いたと判断した所で的の中心を狙い引き金を引く。


肩に重たい衝撃が来ると共に耳を爆発音が突き抜ける。

想像していたよりも衝撃が軽かった事に胸を下ろしつつも耳を撫でる。銃声の方は想像よりも大きく耳栓をしていたにも関わらず耳が少し痛い。

やはり閉鎖空間であるからだろうか。


そして、撃った弾は的に当たっており中心よりも少し下の位置に命中していた。


おぉー!案外当たるものだな。


的との距離は三十メートル程と、この前のオークとの距離を目安としている。

その後は一度撃ったことで自信が付いたからか黙々と的を狙い弾を消費していく。


初めはセミオートで確実に一発ずつ。慣れてくるとフルオートに切り替えて撃ってみる。十発位までなら何とかリコイルの制御が取れたが、それ以上になると制御が取れず着弾位置が物凄いバラけることが分かった。フルオートで1マガジン撃ち尽くしほぼ全弾的に命中させるとなると暫くの期間練習が必要と思われる。


まぁ、そんな時間も費用も無駄にする訳にはいかないので取り敢えずはこの位で満足しておく。

セミオートでなら三十メートル先の的にほぼ確実に当てることは可能であるし、フルオートも十発程度なら可能である。


練習の成果に満足しつつ、ニア達のお昼の時間が近付いて来ていたので銃や的を片付け四角い部屋に向かう。


暫くするとニア達が帰ってくる。

エレノア達スケルトンが押すリヤカーにネズミ達が乗っての登場であった。

まぁ、何にせよ仲も良さそうだし楽しそうで何よりだ。


昼からの準備の為にスマホを弄っているとニアやエレノア達から先程の銃声の事で質問攻めにあった。

と言ってもニアに関しては質問と言うよりクレームに近かったが。


「少し良いかエレノア。昼から俺は地上に出る。それの補佐を頼みたい」


『主よ、地上はモンスターが居る為危険です。どうかもう一度お考えを』


エレノアは俺がもう一度地上に出る事は不満、と言うよりも心配な様で声が悲しげだ。


「ごめんなエレノア。きっといつかは地上にも出る必要が出てくるだから遅いか早いかの違いでしかないんだ」


『ですがっ……分かりました。もしもの時は私が一命を賭してお守りします』


まだ何か言いた気であったが、俺の意思が揺らぐ事は無い事を悟ったのか渋々ながら了承してくれた。


「一命は賭さ無いでくれ。俺もそうだがエレノアも替えが効かないん一人なんだ。……まぁ安心してくれ俺には銃もあるし」


そう言ってTTR-XAをエレノアに見せる。

エレノアは何も言わないが懐疑的な視線を送ってきているのが分かる。


まぁ、さっき質問された時に小さな金属の塊を飛ばす遠距離武器って教えただけだもんな。

銃を知らない人の反応としては正しいのだろう。


「それでエレノアには地上に着いて来て俺の代わりにコレの設置をお願いしたい」


そう言って俺は先程『Nショップ』にて購入したアイテムを渡す。


『これは?』


「それは『結界の燈』と言って結界の内側に居る存在に対して敵対的な生物の侵入及び攻撃を防ぐ結界を張る為のアイテムだ」


『魔導具ですか!?』


「そうだ」


そう、先程『Nショップ』にて何か防御手段が無いかと探していた時に見つけた物で、見た目は普通のカンテラなのだが普通のカンテラと違う点があるとすれば中に灯る火が蒼白い火である点だ。

魔導具等というロマン溢れる物であった為遂買ってしまった。

説明欄に魔法が込められたアイテムと書かれていたが、もしかするとこの世界には魔法が存在しているのだろうか。

まぁそれに関しては後々調査するとして、この結界の燈というアイテム。効果は素晴らしいのだが少し難がある。

いや、別に使い方が難しいという訳では無く金銭的にというね。

結界が発動する範囲はこのカンテラに囲われた内側のみ。つまりは面が出来なければならない訳で最低三つ必要なのだ。

因みに一個5万NP以上する上にそれを四つも購入したので俺は瀕死である。

と言っても命には買えられないので贅沢は言えない。


「という訳で、エレノアにはそれの設置を頼みたい。オークが現れた場合は俺が対処する。それと、もし俺がオークに敵わず本当にヤバくなったらこれを使ってエレノアだけでも逃げるんだ。これは頼みではなく命令(・・)だ」


そう言って俺はエレノアに『結界の燈』と共にM84スタングレネードを手渡す。


『……分かりました』


エレノアは俺の配下だ。なので命令は絶対。正直狡いとは思うが許して欲しい。だってモンスターとはいえ一緒に何日も過ごした仲なんだから。


その後、結界の燈とM84スタングレネードの使い方の詳細の説明と共に地上に出た際の作戦の詳細を詰める。


後でもう一話投稿するかもしれないかもしれないです

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