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ネズミとダンジョンマスター  作者: ヨコチ=チウム
第一章
11/39

#十匹目 エレノア


翌日より本格的に穴掘り事業が開始された。

オルガにより他の鼠達にも目標というものが伝わったらしく、昨日よりも精力的に働いている様に見える。


「さて、俺も今日は働くかな」


鼠達が穴掘りを始めたのを見届けると俺は自分の仕事に取り掛かる。

昨日は鼠達の掘削作業を見学していたらそのまま一日が終わっていたから仕方ない。


俺は近くで暇そうにぽよんぽよんしていたアダムとイヴを引っ捕まえると小脇に抱えスマホを弄る。


確かに鼠達は優秀だ。それは認めよう。

が、一つ問題がある。それは採掘速度だ。

鼠達は体の大きさの割に凄まじい速度で穴を掘ってくれている。

だが足りない。俺的にはもっともっと採掘効率を上げたいのだ。


ならばどうするのか。それは実に簡単である。


俺は『モンスターストア』を開くと、星の数程いるモンスターの一覧を眺めていく。


そう、鼠達に続き採掘を得意とするモンスターを購入し採掘効率を高めるのだ。


現時点の採掘効率を約30NMPネズミマイニングポイントだとして、一応の目標としては200NMP位を目指したい。


この、数いるモンスターの中からニア達と同じディグマウスを探し購入しても良いのだが、それはそれで味気無い。

そもそもニア達はモンスターなのだろうか?

まぁ、折角だしここは別のモンスターを購入しようと思う。


てな訳で良さそうなモンスターを探し始めて小一時間。穴掘りに適したモンスターを何匹か見つけた。


まず始めにワーム系のモンスターだ。イビルワームやらアバンテラワーム。ディープワーム等その種類は多岐に渡り、その何れも地中に生息している為穴掘りが得意という事だった。

外見は簡単に言ってしまえばでかいミミズ。表皮がテカっているタイプや、海釣りでよく使われるあのゴカイみたいな奴等。

正直言ってワーム系でモンスターを検索した事を激しく後悔している。

素直に気持ち悪い。あんな化け物に出逢えば間違いなく叫ぶ自信がある程だ。

採掘能力は高いのに本当に残念である。


次はドワーフとかいう人に似た外見のモンスターだ。

見た目は髭もじゃのおっさん。

説明欄によると、鍛冶や工芸技能に秀でるらしく腕っぷしも強いとか。

んで、好物はお酒と、ファンタジーではお馴染みのドワーフまんまである。

鍛治や工芸技能ってのは是非是非欲しいのだが…そのなんというか俺の職場に居た凝り固まった思考で話を聞かない頑固者のおっさんにそっくりなのだ。

なんというか凄く嫌な予感がする。

多分性格的に合いそうにない。


で、最後にドライアドとかいう木の精霊。

自然に干渉する魔法を得意とするとか何とか書いてて結構期待していたのだが一つ問題があった。

ドライアドを購入する条件として『樹齢十年以上の樹木の存在』とあった。

はっは、今いる場所には苔すら生えてねーよ。

てか、モンスターの購入に購入条件なんて存在したんだな。


ひとまずの候補は上記の三種だが、ワームはキモいおっさんは面倒臭そう、ドライアドに関しては今から植林でも始めろと?


非常に残念な事にあまり良さそうな人材はいない様だ。出来れば物静かで働き者で見た目も普通な人材を雇いたい。


そんな事を考えながらモンスター 一覧を眺めていると良さげなモンスターを見つけた。

これまたスライムに続きド定番中のド定番。

スケルトンである。


スケルトンは見た目は白骨死体だし、骨だから喋んないし黙々と仕事しそう。

結構良さそうなのだが、少し見た目がなぁ…


スケルトンはド定番という事もあってか、バリエーションが物凄く豊富だ。

一般的な人間の全裸白骨死体から始まり、スケルトンと言うよりゾンビみたいな腐肉次の奴。臭そうなのでコイツは却下。


他にも少しお高いワイトとかも居る。

言ってしまえばドレスやマントを羽織った骨。

多分着てる服がお高いんでしょう。


このギカントスケルトンとかいう、でっかい骨のスケルトンは巨人のスケルトンかな?

こっちの鎧を着たアーマードスケルトンは死んだ兵士か。


うーん悩む。

オーソドックスなスケルトンは一体16NP、高いドレス着た骨とかになると89300NP等とアホみたいな値段になる。別に穴掘りさせるんだからドレスなんて必要無いよね?

ギカントスケルトンに関してはデカ過ぎて場所ないわ。採掘能力はご自慢のゴリラパワーで何とかしてくれそうなのに残念です。ご縁が無かったということで。


もういいや、オーソドックスな骨でいいや。

ちょっと白骨死体だから抵抗はあるけど、そのうち可愛く見えてくるだろ。

そう思って特に特徴のないスケルトンを選択し、購入しようと思えばある項目が目に入る。


【徳用スケルトン】


えぇ…徳用…?いや、意味は分かるよ。お得なんでしょ?

でもね何でスケルトンの抱き合わせ販売なんてしてるんだよ。スケルトンはお菓子か何かなのか?


思わずつっこんでしまったが徳用というのが気になりタップして説明を確認する。


えーっと…オーソドックスなスケルトン1体が16NPに対して徳用スケルトンでは、5体で50NPになると。

つまり5体まとめ買いすれば30NPお得な訳か。

まさに徳用だな。


もうこれで良いや。どうせ穴掘ってもらうだけだし別にキモいワームとかうっさいオッサンとか必要ないし。


そう判断し早速、徳用スケルトンを一つ?購入する。

鈴の音がしたと思えば、目の前に石材製の墓が現れ地面が盛り上がったと思えば中から白骨化した腕が生えてくる。

前回スライムのアダムとイヴを購入した際には無かった演出に少し驚いたがそのまま眺める。

腕に続いて頭蓋骨、胸骨、肋と白骨死体が暗い地中から這い出て来た。


白骨死体ことスケルトンは完全に地上に這い出ると自分が出てきた穴に近寄り手を伸ばす。

何をしているのか?と思ったがすぐにその疑問は氷解した。

穴の中から伸びてきた白骨腕を掴むと引っ張り上げ、出て来るのを手伝っていた。


2体目のスケルトンも後続のスケルトンの手伝いをして、最終的に5体目である最後のスケルトンを引き上げると皆で肩を叩きあい拳を合わせたりと謎の友情を築き上げていた。


それを終始見ていた俺の感想はこうだ。

なんだこれ?その一言に尽きる。


最初は墓から這い出てくる演出に、本来モンスターはこんな感じで召喚されるとかと心を踊らせていたのだが…まぁ良いや。気にするだけ無駄という物だ。


見れば一通り友情を確かめ合ったスケルトンは今は大人しく一列横隊に並んでおり、出てきた穴と墓は消えていた。


見た目は完全白骨死体で、全身真っ白ボディのクリアクリーンだ。俺自身動く白骨死体なんて見るのは初めての為、内心少しビビっている。

だが取り敢えず挨拶は必要だと思うので口を開く。


「えーっと、始めましてスケルトンの皆さん。俺はダンジョンマスターのナナシだ。君達にはやって貰いたい仕事があって召喚した。詳しい説明は後程という事で取り敢えずはよろしくな」


そう言って右手を差し出せば一列に並んだスケルトンの中の1体が代表してか前に出て来て恭しく俺の手を握る。

スケルトンの手を握った感覚はひんやりしていてツルツルしていてなんともいえない感覚だ。

そして残りの4体も片膝をつき敬意の様な物を示してくれた。

礼儀とかそんな物は良く分から無いけど取り敢えずは俺に従ってくれるという事だろう。


「よし、なら代表っぽい君には名前を付けよう」


まず先程スケルトンを代表して俺と握手した個体に名前を付ける事にする。


「君の名前はエレノアだ。今日からよろしくな」


完全に女性の名前だが問題ない。

骨格の形状的に間違いなく女性なのだから。

現にエレノアも骨をカタカタ言わせ、何を言っているか分からないけど多分喜んでくれている。

因みに残りの4体は骨格的に男性だ。うーん逆ハーレム。


「さーて、なら早速エレノア達にも仕事内容を伝える」


そこから数分掛けて仕事内容をについて詳しく説明する。エレノア含む5体は普通にダンジョン経営しないと聞いて初めは戸惑っていたが、NPの仕組み的に戦う必要は特に無いことを知って納得してくれた。と思う。

なんせ、カタカタと顎を鳴らすだけで意思の疎通に関しては頭の中のパスを通じてやり取りしているからだ。


テレパシーでやり取りが出来らなら余裕なのではと思うかもしれないがスケルトン達は知能が高くないのか頭の中に伝わってくる思念もぎこちなく凄く聞き辛い。まぁこちらから伝えたい事はちゃんと理解出来ている様なので良しとする。


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