表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君が幸せであれば  作者: 神崎寧々
6/6

受け止めて、歩き出す

「もーー」


明るい声で、何も気づかない百合は、片手に夢、片手に健二の腕を取る。



「二人とも私にとって、大事な、大事な人たちなんだから!私は、二人が大好きなの!」



気持ちを伝えなくても。好きの感情が違っていても。

百合にとって、私にとって、あの日々はかけがえのない日々だった。そして、私も、百合にとってかけがえのない存在になっていた。

学校を卒業してから今日まで、忘れたこともなかった。ずっと、ずっと百合が好きだった。


「私も、百合が好きだよ。ありがとう。

 百合、本当に結婚、おめでとう。お幸せに。」


願える。百合に幸せになってほしい。

そして、私も次に進みたい。


「ありがとう、夢!大好きだよ!」


ガバっと抱きしめてくれる百合の懐かしさに、目が熱くなる。

ありがとう。私の日々を輝かせてくれて。


「あ。百合、呼ばれてる。夢ちゃん、また後でね」


遠くからスタッフが二人を呼んでいた。

名残惜しそうにする百合が、夢に囁く


「夢、私ね。百合にお願いがあって……」


百合のお願いを聞いて、夢は軽く笑ってOKサインをだす。

名残惜しそうに離れる百合に、また後で。と言いながら、夢は友人の元へ戻る。


思ったよりスッキリするもんだな。

気持ちを言葉にするって大事なんだとあらためて実感した。



そのあとは、集合写真を撮り、そのまま新郎新婦が階段を上がり参列者を背に立つ。



「じゃあ、みんないくよ〜〜〜〜!!せーのー!」


百合のかけごえと共に、ブーケが宙を舞う。

百合のお願い。


『私、百合には幸せになってほしい。だから、ブーケをね、受け取ってほしいの。』


後ろ手に投げられるブーケは、コントロールが、難しい。

だから、そう言われた夢は、半ば無理だろうと思ってた。


それでも、百合の願いなら。

そう、頑張って取りに行こうと思ってた。

コントロールが良かったのか、百合から放たれたブーケは真っ直ぐ自分の方へ飛んできた。


百合の幸せを願ってる。

今までも、これからも。


そして。

次へ、新しい自分へと動き出すために、夢はブーケへ手を伸ばした。

これにて完結です。

描き始めてから、更新が止まったりしましたが書き終えることができて一安心です。

 

もうちょっと心理状態を細かく描写したかったのですが、難しかった…。


誰が誰を好きでもいい。

この気持ちが何なのか。恋なのか。

正直今でも分からないなって思います。

でも、人を好きになるって、素敵なことだと思うので否定せず自分は受け止めていければなと思いました。


ここまで、ご愛読いただき、ありがとうございました。

また、次の作品でお会いできれば幸いです。


2022.3.21

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ