開戦日 月末報告会 皐月
学校の決まりによって、我が高校では月末に各委員会、部活動の頭首が会議室に集結し各種報告を行うことになった。
私は、帰宅部代表として参加しろ、という命令を教頭から出された。なぜ、数いる帰宅部の中から私が選ばれたのか?それは、単に最低学年であるからだという。
帰宅部に先輩後輩などの繋がりは一切ない。だが、教頭いはく、先輩方が断ったため私にこの話が回ってきたのだという。明確なリーダーのいない帰宅部が故の火の粉がわが身に降りかかったわけだ。一年生の部活動入部率は99.9%。この私のみが帰宅部なのである。断ることは許されなかった。
そういうことで、帰宅部代表、一年一組出席番号3番、伊藤 香住 がこの会議に出陣する羽目になった。
とは言っても、報告会において報告することなのどないわけで、ただボーと椅子に腰かけることになるだろうと高を括っていた。そして、すべての委員会、部活動の報告が終わった。しかし、
「帰宅部代表、伊藤さん。報告お願いします」
司会を務める学級委員長の先輩から声がかかった。予想外の事態に私は、驚いた。おどおどしながら、立つ。とりあえず何か言わなければという思いに駆られた。
「えぇ、帰宅部代表一年一組伊藤香住です。このたびは、このような会議に参加させていただき光栄に思います」
周辺の先輩から笑い声と、そんなに緊張しなくても、という声が上がった。
「帰宅部の先輩方から報告事項を聞いて来たのでこの場で発表いたします。まず第一に、帰宅時に野球部の集団走で校内の道がふさがれ通行できなかったことがあった。野球部の諸君は以後気を付けていただきたい、と先輩が言っていました」
(本当は、私個人が言いたかった苦情なんだけどね)
「次に、学級委員長さん、帰宅部=暇人ではありません。勝手にクラスの何かの役に振り分けないでもらいたい。帰宅部部活動に支障が出かねない、と先輩が言っていました」
(これも、私の意見なんだけどね)
「以上で帰宅部からの報告終わります」
ほとんどが、苦情という帰宅部の報告であった。
「以上で委員会、部活動合同月末報告会を終了します。各自、反省点を各委員会、部活動内で共有しておくこと。また、この会議での発言内容を把握するために、各自発言内容を書き下ろして、僕のところまで持ってきてください。今後の参考にしたいと思います。では、次回は六月末。この会議室で行います。各自、報告内容をまとめておくように。解散してください」
今回の帰宅部の反省点。最低学年の私を出席させたこと。そもそも帰宅部が出席したこと。報告内容が苦情であったこと。この三点。
帰宅部代表としてやれることはやったと、今の私を褒めてやりたい。少しでも、帰宅部の地位を上げなくてはならないな、と思った。
私は帰宅部代表として、他の委員会、部活動を相手に長期戦に突入した。今日はその戦線布告。次回から、本格的に攻めてやろう。帰宅部の地位獲得のために。
月に一~二回ぐらいのペースでこのシリーズを書きたいと思います。