表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/14

ミッドナイト アサシンズ デュエル

「ンック!ンァ…」


「もうハリー~しっかりしてよ~」


「うるっへぇ!」


ハリーを尾行していれば噂の暗殺者に会えるかと思っていたが…娼婦館や遊女たちを侍らして酔い潰れてしまった。



「お客さん、格好いいわねぇ?」


「格好いい?冗談」


「なんで冗談言わなくちゃならないのよ~」


酒場の遊女が俺のご機嫌取りをしてくるが…どうやらお仕事が始まってしまいそうだ。



深くフードを被ったローブ姿の人物が、誰の眼にも止まらずにハリーの元へ歩いていく、

これは陽炎歩行…アサシンの固有スキル…ビンゴだ。



しかし、暗殺者は目の前に立ったままなにもしなかった。



「……何もしないのか?」


「どうしたの?」



フードの暗殺者は何もせずにただじっとしている、毒でも盛るのかと観察するものの微動だにしない。

ただこの暗殺者は梟の眼を持っている自分にしか見えていない、つまり自分から動くとそれこそ自分がハリー殺しの犯人に仕立てられてしまいかねない。


「ヒャッハッハッ!この娘気に入ったぜ!!今夜はお前に決めた!!」


「わぁ!やったぁ!」


あの野郎余計なことを!!なんの関係も無い一般人を巻き込むな!!


と、毒づいた瞬間にそれは起こった。









ザシュッ!



「!!!?」


今の今まで動かなかったあの暗殺者が“女にナイフを降り下ろした!!”



「だ、誰だてめぇ!」



勿論陽炎歩行の効果が消え失せ、ローブの暗殺者が全員の眼に写る。


「テメェ…ぐぇっ!?」



暗殺者はそのままハリーの喉に刃を一閃させる、喉から血飛沫が噴出する。


「逃げろ!」



「き、きやぁぁぁあぁぁあ!」



俺の相手をしていた女が入り口に逃げようと走る、叫んだ性もあって直ぐに暗殺者に発見されてナイフを投擲される。




キィンッ!



俺の投げナイフが間に合い、暗殺者の投げたナイフを弾き飛ばす。


そのまま女が逃げたことを確認して、その暗殺者と対峙した。




「……お前がグリッツ、ラバール殺しの犯人か?」


「…」


返り血を浴びた暗殺者は来ていたフード付きのローブを脱ぎ捨てる。



その顔は道化の仮面で覆われ、服装は紫と黒を組み合わせてその体にフィットされるように作られたアサシンスーツ、髪の毛は白だが所々血の色で点々としていた。



「あまり殺しはしたくないんだが?」


「…」


ダンッ!


暗殺者の動きは速かった、気が付いたら懐に潜り込まれてしまっていた。



だがコッチもアサシンの端くれ、紙一重で回避すると踏ん張った後ろ足をそのまま踏み切ってタックルを仕掛ける。

暗殺者もバックステップで逃げるも、飛び込みタックルを避けるには至らずに壁まで吹き飛ばされた。



追撃とばかりに投げナイフを投擲したものの相手も反応が速く、無駄の少ない動作で回避、


そのままクラウチングスタートの要領で俺に向かってナイフを突き立てながら跳んできた。




ギャインッ!



「アカツキ」を引き抜き攻撃を受け流す、暗殺者は振り返り様に投げナイフを牽制で飛ばしてくる。

飛んできたナイフを避け様に掴み、その場で回転しながら投げ返すと落ちていた食用ナイフを蹴りあげて弾き飛ばした。


しかしその動作は俺を近づけさせる事となる。

暗殺者も俺の接近には気がついていた様で回避がてらナイフを突き出す。







でも、その手は頂けないな。




俺は突き出した腕を掴み取ると一気に引き寄せて仮面に肘鉄を撃ち込んだ。



バリンッ



仮面が砕かれて暗殺者の素顔が現れる。



「なっ…」



白すぎる肌に白い髪、まるで人形のような人相の少女、そしてなにより特徴的なのが仮面に隠されるかのように収納されていた“長い耳”だった。









「お前…エルフなのか!?」










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ