8 side Tateishi
あぁぁぁぁ。
絶賛自己嫌悪中の私の前には親友のアヤ。チョコレートパフェ奢り、という条件で話を聞いてもらっている。
「アヤ。どうしよう」
「何がー?」
「いや、だからぁ」
三島カケルという男はなんというか私の好きなタイプの真逆。関わりたくないタイプど真ん中なのだが。
「今日耳元で声を聞いてしまったら、ね?」
「好きになったの!?」
「違うわ!! でも、何だろう。なんか意識する」
「ふーん」
にやにやと笑うアヤは私の好きなタイプを熟知している。
「でもアヤはいいと思うよー? カナコの趣味で言ったらほらだれだっけ? あの人」
「間宮くん?」
「そうそう! 間宮っていう胡散臭い人じゃん? そんな人よりも単純で嘘つけなさそうなくらいの人のがカナコにはあってると思うからなぁ」
パクパクと食べすすめるアヤのチョコレートパフェはもう半分まで減っていた。
「ね? イチゴパフェ頼んでいい?」
「アヤのお金で頼みなよ」
「けーち。あ、すみませーん! イチゴパフェ1つくださーい」
チョコレートパフェを完食したアヤはスプーンを口に食わえたまま私をみた。
「っていうか、今まで意識してなかったの?」
「あのね、会ってすぐ『好きー』って言われてみて、あなたは私の何を知っているんですか? ってなるよ」
「でもめげないミッシィ偉いよね」
「偉いっていうか。からかわれてるんだとしか思っていなかったわ、待って。ミッシィって誰」
「えー。三島カケルくんのことー。三島だからミッシィ!! 命名アヤ!」
「……うん」
「っていうか。からかっているはずなくない? それこそ最初はアヤもそうかなぁと思ったけどさぁ。なんか必死じゃん、ミッシィ。そりゃあ、女の子の誰にでもいい顔するけどさぁ。アホになるのカナコの前だけじゃん?」
ちゃんと考えてみれば? じゃないとミッシィもミッシィファンも報われないよー。
と届いたイチゴパフェに目をきらめかせるアヤにうん、と頷いておいた。
ガールズトークという。