7 side Mishima
教室に戻ってきた立石ちゃんの綺麗な肌に傷が見えた。
「た、た、た、た、た!!」
「立石さん、これどうしたの?」
動転する俺を無視して席に着いた立石ちゃんに間宮(俺の脳内では軽く数万回殴っている)が話しかけた。
「あぁ。うん」
立石ちゃんは間宮の言葉に頷くだけでその怪我について何も言わない。お、お、おれの立石ちゃんに怪我を負わせたのはどこのどいつだ!!
「それで、どうしたの?」
間宮はまだ聞いている。立石ちゃんはそんな間宮をめんどくさそうに見つめた。
ちょっ!! 立石ちゃん!? 間宮じゃなくておれ!! 俺を見て!!
「……泣かせてしまったわ」
「立石ちゃん! 泣かされたの!? 誰だ!! んなことしたやつ!!」
立石ちゃんの発言にぐわっと食いつくとはぁ!? と立石ちゃんが声を荒げた。あぁ、そんな姿ですら可愛い!!
「泣かされてなんかないわよ。そんな簡単に泣いてたまるもんですか。じゃなくて私が! あの子を泣かせちゃったなぁって」
珍しく長文で会話されている事に気が付き、何だかすごく幸せを感じる。
もう俺、このまま(立石ちゃんの声を聞きながら、あ、出来れば膝枕とか頭撫でてもらいながら)死んでもいい!!
「というより、その子三島カケルのファンの子みたい、よ!?」
立石ちゃんの言葉に思わずぐいっと近づいてしまったのは仕方ない。
名前を呼ばれたんだよ!?
な・ま・え!!
今までこれとかあれとかそれとかこそあど言葉でしか言われなかった俺が!
名前呼び!!
これに興奮せずにどうする!?
出来る事なら今すぐ抱きしめて家に連れて帰ってしまいたい!!
「な、なによ……」
動揺しているのか目線をそらした立石ちゃん。
「もっかい言って」
思わず耳元で言うと立石ちゃんが赤くなっているのに気づく。
あ、あれ?
「ばか」
立石ちゃんの可愛い声がやたらと耳に残った。
もうそろそろ完結ですかねぇ。