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わが家はローグライク風ランダム生成ダンジョン! ~ 俺の部屋だけ固定セーフティールームで、ヒロイン達と同棲することになりました ~  作者: 初美陽一
第三章 幼馴染のリーリエ=アリエンスは、クールな美貌の物理(ゴリラ)エルフ♡

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第25話 リーリエ=アリエンスの職業は……〝ハークの幼馴染〟!?

 さて、改めてハークの部屋にて、正座して向かい合う三人……いや、違う。

 正確にはラムの対面で、ハークの右肩にほぼ密着している、リーリエと呼ばれたエルフの美女。これには少女剣士も若干キレ気味――!


 だが、ハークは相変わらずのマイペースで、特に空気も読まず紹介する。


「ラム。こちらはリーリエ=アリエンス、うちの実家(山間部のランダム生成ダンジョン)のお(・)隣(・)さ(・)ん(・)で、幼馴染のエルフなんだ」


「お隣、どこからどこまでなんですか? ダンジョンの外、めっちゃ山なんですけど……って、とにかくモンスターとかじゃなく、ハーク師匠のお知り合いなんですね? えっと、はじめましてリーリエさん。アタシ、つい最近ハーク師匠に弟子入りした、ラム=ソルディアといいますっ」


 ツッコミながらも明るく自己紹介するラムに、正座しつつもハークの方へ重心を預け、もうぶっちゃけ寄りかかっている傾《かたむ》きエルフのリーリエさんが返事した。


「ふーん。じゃ、改めて……私、リーリエ=アリエンス。別に呼び捨てでも構わないけど、好きにしていいわ。よろしく、ラムさん」


「は、はい、じゃあさっきの通り、リーリエさんで……えっと、何だかすごくクールな方なんですねぇ。雰囲気といい、佇《たたず》まいといい……ハーク師匠に密着しすぎてるのは、アレですけど……でも何だか、只者じゃないって感じがしますっ。エルフと言えば、魔法や弓が得意って有名ですけど……魔法使いや狩人とか――」


「違うわ」


「あっ、そうなんですか? し、失礼しました、それじゃ一体……」


「ええ。私は……」


 そこでようやくハークに重心を預けるのを中断し、ふっ、と片手でライトグリーンの長髪をかき上げつつ、明かした〝職業〟とは――



「〝ハークの幼馴染〟よ」



「いえあのそういうんじゃなく。職種っていうか、ジョブっていうか――」


「だから、私の専門職は〝ハークの幼馴染〟よ。もう少し正確に言うなら……〝ハークの幼馴染ルート絶対確定、敗北など知らぬ派ヒロイン〟よ」


「もしかしてヤベー人です?」


「別に。本当のことを当たり前に言っただけよ」


「そう、そうですか……やっべーですね……すいません、ルートとかはよく分からないので、もう〝ハークの幼馴染〟という認識で結構です」


「そ」


 発言内容はともかく、クール、仕草や言動はとにかくクール。

 何はともあれ〝職業:ハークの幼馴染〟と納得するしかないリーリエに、ラムは改めて疑問を投げかけた。


「それで、ええと……どう考えても触れないわけにいかないので、聞きますね。……ここ、超高難度ランダム生成ダンジョンだと思うんですけど……三階層にあるハーク師匠のセーフティールームまで、どうやって来たんです?」


「普(・)通(・)に(・)歩(・)い(・)て(・)」


「いえですから、熟練冒険者でも一階層すら攻略できないのに、どうやってって……というか、三階層も越えてきたんですか? まだ日が浅いアタシが言うのも何ですけど、えらく様変わりしてたと思いますけど……」


「ええ、まあ。……ああ、魔物とかのことなら、必要があれば薙ぎ倒して通るけど。あと確かに、この階層いつもと違って、珍しく攻撃的だったわね。私やハークには問題ないレベルだと思うけど」


「え、ええ~……問題ないって、やっぱり強いんです……? 何かもうここ最近、外じゃ知られてない実力者に出会いすぎて、アタシの価値観がしっちゃかめっちゃかになってるんですけどぉ……」


 まだまだ常識人(だと思う)のラムが頭を抱えると、言葉足らずのリーリエの代弁をするように、ハークが補足する。


「ああ、リーリエは実際に強いぞ~。単純な力とかなら俺のほうが上だろうけど、リーリエは素早いし、隠密スキルも優秀だからな。それで毎朝起こしに来てくれるモンだから、結果的に強くなっちゃったんだろうな!」


「な、なるほど、そういう――はい? ……あのあの、聞き違いだと思うんですけど……毎朝、起こしに? この超高難度の、ランダム生成でいちいちダンジョンの構造が変わる御実家に、毎朝?」


「ん? ああ、まあ厳密には〝ほぼ毎朝〟だけどな、来ない日もたまにはあるし。しかも一年前にダンジョンの入り口が見つかるより、ずっと前からだからな……どうやって入り込んできてたのか、よく考えたら謎だったよ。ハハハ」


「笑いごとです? というか、ええと……シンプルに、何のためそんなことを?」


「それは俺にも分からないけど」


「分からないんですか」


 当事者であるハーク自身も分からない、謎の行為を繰り返す――その張本人、リーリエが主張の激しい大きな胸を張りつつ、自信満々に答えた。


「そんなの、当然――幼馴染なら、毎朝起こしに来るのが定番でしょ?」


「そんな謎のシチュエーションのためだけに、この超高難度ランダム生成ダンジョンを踏破してこれます!? しかも、ほぼ毎朝って! 当たり前みたいに言ってますけど、やべー人ですねぇやっぱり!」


「へえ、そんな定番が外の世界にはあったのかー……何か、かたじけないな!」


「ええ~いハーク師匠の世間知らずに付け込まれてる気がする! 本気にしちゃダメですよ、そんな定番、本とかでもないと滅多にありませんからね!?」


 リーリエとハークの双方へと、ラムは果敢にツッコんでいく。

 とはいえリーリエにも疑問はあるらしく、ラムへと尋ねた。


「ところで。ラムさん、あなた……ハークに弟子入りした、って聞いたけど。昨日の朝、いなかったのは……一緒に探索でもしてたのかしら?」


「あ、昨日も来てたんですねぇ……入れ違いになったのかな。それで、はい、その通りです。えへへ、パーティー組んで、ハーク師匠にはお世話になりっぱなしで――」


「ふーん、そう。……ちなみに私、昔から何度か、ハークの探索を手伝ってるわ。つまり私のほうが、ハークとの付き合いは圧倒的に長いし……新参のあなたと違って、色々と経験してるということよ」(※パーティーの話です)


「貴様ッ……!」(※ラムちゃんです)


「そして。……初めての(※パーティーを組んだ)相手も、私……ハークの初体験(※パーティーの)は、あくまでも私だということを覚えておいて」


「貴様ッ……!」(※元・貴族、16歳の快活な少女剣士ラムちゃんです)


 なぜだか一触即発の空気になっている、ハークの幼馴染エルフであるリーリエと、ハークの弟子であるラム。


 そんな二人に挟まれて、一触即発の原因となっているハークが、その時!

 ――〝ぐぅ~〟とお腹を鳴らした。


「! ……ハーク師匠ったら、お腹がすいちゃったんですか? うふふ、かわいいです♡ ここは一つ、家事スキルB持ちの弟子、ラム=ソルディアが朝ごはんを用意して――」


「やれやれ、家事スキルB程度でハークの胃袋を掴もうなんて、甘いわね……いいわ、見せてあげる。正妻ルート確定の、幼馴染の腕前を」


「貴様ッ……!」(※ピンク髪が可愛らしいツッコミ上手のラムちゃんです)


 何だか変な火花を散らしている二人に、ぼんやりと眺めていたハークが首を傾げる。


「……何だかよく分からないけど、俺に朝ごはんを食べさせてくれるっていう話なのかな。改めて、かたじけないな、なんかな」


 一人、呑気に呟いた。

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