↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わが家はローグライク風ランダム生成ダンジョン! ~ 俺の部屋だけ固定セーフティールームで、ヒロイン達と同棲することになりました ~  作者: 初美陽一
第二章 恐るべきランダム生成ダンジョンの主――《異次元の魔女》クロエ=W=スラスト

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/33

第20話 セーフティールームへの帰還、そして――少女剣士ラムは、最後に一つ装備を手に入れた!(良かったじゃない!)

 宝玉――即ち少し前に挨拶に行った《異次元の魔女》であるクロエから預かったというそ(・)れ(・)で、瞬間移動した。

 ハークの住居たるセーフティールームに到着し、玄関の内側でラムが呟く。


「わわっ。ハーク師匠に招き寄せられるのは満更《まんざら》でもないですけど……ワープの感覚は、まだ慣れませんねぇ。ふらっとしちゃいます。……あ、そういえば、五階層はあんな感じでしたけど……この部屋の外、三階層はまた違うんです?」


「うん? ああ、そうだな……一階層ごとに、割と特徴に傾向があるよ。たとえば一階層は洞窟みたいな雰囲気で、二階層や四階層は地形そのものが危険だったりするんだけどさ。三階層はクロエが頑張ってくれてるのか、比較的だけど過ごしやすい感じが多いな。まあ詳しいことは〝特別編〟ででも説明するとして」


「メタい言い方しないでくださいよ。ああもう、後で合間の時間に説明してくれるなんてハーク師匠は親切だな~助かりますぅ~!」


「なんか気を遣わせちゃったみたいでゴメンな。まあとにかく、玄関の先はしっかりダンジョンだから……0時になる前に、試しに見てみるといい。ついでに0時になったらランダム変化することも、実際に見て体験してみようか」


「は、はいっ、ハーク師匠っ。えへへ、あのあの、ちゃんと師弟っぽいですよねぇ、アタシたち♡」


「他の基準を知らないから何とも言えないけど、ラムが満足なら何よりだよ。っと、0時になる前に……よし、開くぞ」


 言いながらハークが玄関の扉を開く、と――確かに、そこにはダンジョンの光景があった。ただし石造りの通路に松明が適切に配備されていて、何処かの砦を思わせる雰囲気だ。


 五階層から禍々しい装飾を排除した様相、とでも言うべきか。何にせよ確かに環境が良好で、ラムは感嘆の声を漏らす。


「わあ~……確かにダンジョン内とは思えないほど、整備された環境ですねぇ……洞窟っぽかった一階層とも全然違いますっ。もしかしてコレ、クロエちゃんが意図的に生成してくれてるんじゃ?」


「ん~、本人に聞いたことあるけど、あくまでランダム生成なんだってさ。意識して変えようとすると大変らしいから。でも俺の印象じゃ、明らかに階層ごとに違いが出るくらいだし、少なからず無意識に作用してる部分もあるんじゃないかな」


「な、なるほど……ちなみに意図的に変化を及ぼそうとすると、どれくらい大変なんです?」


「脳が焼き切れるくらいって言ってた」


「絶対に無理させないようにしましょうね~!」


 ちょっぴりクロエのことが心配になるラムに、ハークが軽く失笑しつつ、一旦扉を閉める。


「ははは、分かってるって。まあクロエだって滅多なことでもない限り、ランダム生成の仕組みに無茶な介入はしないから。っと……喋ってる間に、ちょうどよく0時を回ったな。よーし、それじゃどんな風に構造が変化しているか、確認してみよう!」


「は、はいっ! ちょっぴりドキドキしますねっ♪」


「まあ三階層は基本的に安定した環境だから、そんなに大きな変化はないはずさ。そう緊張せず、安心して――……」


「? ハーク師匠、どうしました? 外がどうか…………へあっ」


 ハークが開いた玄関の先を見たラムが、つい変な声を漏らしてしまう。

 それもそのはず、ランダム生成で変化したダンジョンの構造は、圧倒的に様変わりしていたのだ。


 先ほどの洗練された石造りの通路は、どこへやら――まるで荒れ地のような凸凹《でこぼこ》の床に、朽ちかけた土壁。しかも壁や床の所々には、怨念のような人面が『オオオオ……』と恨《うら》めし気な声を上げている。


 何なら軽くマグマも流れている、イメチェンしすぎにも程がある三階層の様子に、ラムは軽く身震いしつつハークを見た。


「……あ、あのあの、ハーク師匠……こ、これって……?」

「安心して……いいはず、だったんだけどな?」

「クロエちゃんの脳、焼き切れてません?」

「どうかな、どうだろ……偶然であって欲しいけどな……」


 偶然かな……そうかな、そうかも……。

 ちょっぴり悩ましい光景に、ラムが気落ちした声を漏らす。


「うう、心当たりがあるとすれば……アタシのせい、ですよね。やっぱり突然ご実家に乗り込んだりして、怒ってるのかなぁ……そもそもアタシ、よく考えればダンジョン探索に来てたんですもんね。ご実家と知らなかったとはいえ……家主さん(?)からすれば盗賊みたいなもので、歓迎されないのも当然ですよね……」


「ラム……ん? ッ! ……フフッ、ラム、そ(・)ん(・)な(・)こ(・)と(・)は(・)な(・)い(・)みたいだぞ。ほら……あそこに落ちているアイテムを、見てごらん」


「え? ハーク師匠、アイテムって……えっ。あ、あれって――!」


 ハークが指さす先、何だか禍々しく変貌した三階層の床に落ちている、ランダム生成されたのだろうアイテムの正体は――……


 下(・)着(・)だ。


 ……熟練の冒険者でさえ一階層も攻略できない、超高難度ランダム生成ダンジョンの、三階層の床に。


 下着が――女(・)性(・)用(・)の(・)下(・)着(・)が、無造作に落ちている――


 それを見て、ハークが〝フフッ〟と鼻の下を人差し指で擦りつつ、和《なご》やかに告げた。


「女性用の下着なんて、十年以上も過ごしてきて、一度も落ちているのを見たことがない……今この瞬間が、初めてだ。ラム、クロエは決して、キミを受け入れていないわけじゃない。これが、その証拠さ……!」


「なんか感慨深そうなところ申し訳ないんですけど、アタシはコレを歓迎の証として解釈して良いものなんでしょうか?」


「さすがに俺が拾うのは、気が引けるからな……さあ、ラム」


「ア、ハイ。まあ正直、替えの下着とかはありがたいから、拾いますけど……なんかな、これからこのダンジョン、下着が落ちてることもあるのかな……すごい申し訳ないことした気がするな、超高難度ダンジョンに……あ、拾いました」


 自然体のツッコミを呟くと共に行動、冒険者としてはともかく、間違いなくツッコミスキルは向上している。


 そんなラムに、ハークがお決まりの鑑定スキルを使おうとして、少し迷った。


「よし、じゃあ。……うーん、ラムが手にしている下着を凝視して鑑定するとか、何とも居たたまれない気がするけども……」


「まだアタシ拾っただけですから。厳密にはまだアタシのじゃないですから。ていうか気にしないようにしてたのに、そんなこと言われたら、アタシまで居たたまれなくなっちゃいますよ、もうっ(状態異常:羞恥心)」

※羞恥心=軽度の混乱、視野狭窄、微かな高揚、魅力+10


「まあ、それもそうか。じゃ、今度こそ――」


 そうして気を取り直したハークが鑑定した、その結果とは。



 ――――★鑑定結果★――――


×防壁のパンツ×

↓ラムさんから即座に訂正が入りました↓


『防壁のショーツ(白)』

 女性用のシンプルな下着。呼称は個々人の認識や好みによって変化する。好きに呼びなはれ。


※防御力=0.5 隠しかわいさ=60


※〝防壁の〟効果: 常時〝バリア〟付与。

※バリア=常に攻撃力50以下の攻撃を無効化する防壁。


※ハークより補足説明

「つまりフッこの場合、こ、股間を中心にバリアがンフッ展開される感じに……ンフフッ!」


 ――――★鑑定終了★――――



「ヘイお師匠お師匠、ウケてんじゃねーですよ。〝伝説のナイフ〟を持つこの手が震えて滑っちゃいそうですよ?」


「ごめんラム、本当にごめん。まあでも何だな、さすがラムのLUKというべきか、随分と高性能の二つ名だな。他の装備と違って重量を気にしなくていい下着なのに、パッシブでバリア効果が付くなんて破格の性能だぞ!」


「う~んコレ、アタシのLUKが原因かぁ……? 深くは言及しませんけどぉ、な~んかクロエちゃんからの言外の意図を感じる気がするんですけどぉ~……深くは言及しませんけどねぇ?」


 ンフフッ。

 ……さて、五階層の探索では、残念ながら装備は手に入らずに終わった。


 だがしかし、随分と様変わりした三階層にて――少女剣士ラム=ソルディアは、めでたく新たなる装備(部位:下着)を手に入れたのだった――!


「フフッ……良かったな、ラム!」

「素直に喜べないんですよねぇ、なんかな~……なぁんかなぁ~!」


 まあまあ複雑な乙女心はあるようだが、まあでも良かったじゃない!(なっ!)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。