第六部 第三話 ~ノア、全部を背負わされる~
ノアは「結婚」しましたが基本悠馬と一緒にロンドンのフラットにいます。
「奥さん(笑)」はほぼアメリカにいます。
ノアは、最近よく言われる。
「弟さん、大変でしたね」
(……何が?)
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きっかけは分からない。
ただ、
廊下ですれ違うたびに
そう言われるようになった。
「ありがとうございます」
※反射。
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昼休み。
ノアは、サンドイッチを齧りながら
同僚に聞いた。
「……俺、何かやってました?」
同僚は、一瞬考えてから言う。
「え?」
「いえ、その……」
「お兄さんの件」
(……兄さん)
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「お兄さん、休暇中
大変だったんですよね?」
(……は?)
「でも弟さんが支えてたって」
(……は??)
「素敵です」
(……どこ情報)
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ノアは、脳内で整理を試みる。
・ 兄は休暇を取った
・ネトゲで事故った
・ 日本語で事故った
・ 噂が増えた
(……俺、支えた記憶ある?)
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別の人が言う。
「弟さん、しっかりしてますよね」
「お兄さん、繊細そうですし」
(……繊細)
(……あの人、
電子レンジに負けるだけだぞ)
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ノアは、ついに耐えきれず悠馬に聞いた。
「兄さん」
「はい」
「俺、何支えてた?」
悠馬は、少し考えて答える。
「……回線でしょうか」
「違うそうじゃない」
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「兄さんさ」
ノアは、真剣に言った。
「今、外の設定だと」
指を折る。
「・兄さんは繊細で」
「・休暇中何かあって」
「・俺がそれを支えた」
「……らしい」
悠馬は、静かに聞いていた。
「……事実は異なりますね」
「だよね!?」
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その瞬間。
通りすがりの人が、優しく言った。
「ノアさんも無理しないでくださいね」
(……俺まで)
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ノアは、天を仰いだ。
(……これ)
(……兄さんの
誤解が俺に被弾してる)
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その夜。
フラット。
ノアは、ソファに倒れ込んだ。
「兄さん」
「はい」
「俺、
完全に“献身的な弟”設定になってる」
「……良い評価では?」
「重い」
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悠馬は、
少し考えてから言った。
「……必要でしたら訂正しますが」
ノアは、即答した。
「やめて」
「訂正すると新設定が生える」
「……そうでしたね」
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翌日。
ノアは、もう割り切った。
「はいはい、弟です」
「支えてます」
「献身です」
(……何を)
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ノアは、一つだけ確信した。
『兄さんが通常運転の限り、
俺の設定は増え続ける』
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なお、
本人たちは今日も普通に
夕飯を食べただけである。
AIアシスト作品です。
対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。
前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。
一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。




