幕間 ~俺様系彼氏持ち看護師(認定)~
悠馬君一か月ひきこもってる件
休暇最終週。
悠馬は、反省していた。
(……女言葉は使わない)
(……無言、
もしくは業務文)
そう、決めたはずだった。
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カタカタカタカタ。
ログイン。
「ゆう」が、今日もヒーラーだ。
チャットが流れる。
『ゆうさん、
昨日はありがとうございました』
(……業務文)
「……こちらこそお疲れさまでした」
※ギリギリ。
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しかし。
別の人が言う。
『ゆうさん、この前の通話の件…』
(……やめてほしい)
悠馬は、慎重に打った。
「……ごめんなさいね。
今は控えているの」
※”女言葉、再発”。
ノア、隣で天を仰ぐ。
「……兄さん」
「はい」
「今の、完全に
“事情がある女性”」
「……事情?」
「あるって認識されるやつ」
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沈黙。
数秒。
チャットが、ざわつく。
『あ……
そうなんですね』
『察しました』
『無理言ってすみません』
(……察した?)
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さらに追撃。
『彼氏さん、厳しいんですか?』
(……彼氏?)
悠馬、フリーズ。
(……否定?)
(……業務文?)
(……雑?)
結果。
「……少し口うるさい方で」
※致命傷。
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ノア、椅子から立ち上がる。
「兄さん!!」
「……何でしょうか」
「なぜ存在しない人物を生成した!!」
「……雑さを学ぼうと」
「最悪の方向に学習した!」
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チャット。
『あー…俺様系…』
『それは大変ですね…』
『夜勤もあるのに…』
『ゆうさん、無理しないで』
(……同情)
(……なぜ)
別の人。
『看護師さんってほんと大変…』
(……確定した)
悠馬は、画面を見つめた。
(……俺様系彼氏)
(……看護師)
(……どちらも事実ではない)
ノアは、即座に割り込む。
『誤解です』
『彼女はヒーラーとして
非常に優秀ですが』
『私生活は混乱しています』
『俺様系彼氏は存在しません』
『看護師でもありません』
『言語事故です』
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沈黙。
数秒。
『……なるほど』
『色々大変そうですね』
『ゆうさん、
幸せになってください』
(……なぜ応援)
悠馬は、静かにログアウトした。
カタ…
で止まる。
椅子にもたれ、深く息を吐く。
「……俺様系彼氏持ち看護師」
ノアは、肩を落とした。
「兄さん」
「はい」
「もう日本語、研究しなくていい」
「……では」
「無言で」
「……はい」
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その夜。
エド叔父から、短いメッセージ。
> 休暇中、
> 面白い噂が
> 流れているな
悠馬は、正直に返した。
> 事実では
> ありません
既読。
数秒。
> 知っている
> だが 自然発生だ
(……でしょうね)
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こうして。
・女言葉
・ノアの過剰介入
・定型文日本語が絡み合い、
「俺様系彼氏持ち看護師」
という、
誰も望んでいない人格が完成した。
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悠馬は、、小さく思う。
(……足元を探していたはずだが)
(……なぜ
属性が増えるのだろう)
答えは、いつも通り出ない。
AIアシスト作品です。
対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。
前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。
一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。




