第五部 第十九話 ~日本語を学ぶと、なぜ女性言葉になるのか~
悠馬君、日本に住んでたらただのオタク?
長期休暇、三週目。
悠馬は、真剣だった。
(……日本語が誤解を生むなら)
(……誤解を生まない
雑さを学べばいい)
発想は、間違っていない。
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まず、
「日本語のコミック」を
大量に買った。
理由は簡単。
(……会話が多い)
(……日常語)
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次に、”アニメ”を再生した。
理由は簡単。
(……感情が分かりやすい)
(……雑な言葉遣い)
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数日後。
ノートPCの横に、積み上がる漫画。
再生履歴は、日常系アニメで埋まっている。
悠馬は、真顔で考えた。
(……要点は)
・語尾を柔らかくする
・ 断定を避ける
・雑談は深めない
・ 感情語を入れる
(……なるほど)
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その夜。
ネトゲにログイン。
カタカタカタカタ。
「ゆう」が今日も回復する。
チャットが来る。
『ゆうさん、今日も安定ですね』
(……実践)
悠馬は、打った。
「そ、そうなの?よかった〜」
ノア、隣で固まる。
「……兄さん」
「はい」
「今の何」
「……雑な日本語です」
「違う」
即答。
「完全に女性主人公」
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チャット欄。
『え、可愛いですね』
『いつもと雰囲気違う』
『今日はテンション高め?』
(……反応が増えた)
(……成功?)
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さらに来る。
『疲れてない?無理しないでね』
(……研究成果)
「だ、大丈夫だよ」
※語尾。
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ノア、頭を抱える。
「兄さん」
「はい」
「その日本語、
“雑”じゃなくて“距離ゼロ”」
「……距離」
「しかも無自覚」
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その時。
”出会い廚、再襲来”。
『ゆうさん、
今日いつもより話しやすい』
『通話、できたりする?』
(……来た)
悠馬は、真剣に考えた。
(……断る)
(……雑に)
(……優しく)
結果。
「ごめんね、それは
ちょっと難しいかな」
ノア、絶叫。
「最悪の断り方!!」
「……なぜ」
「“また今度”
に聞こえる!!」
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チャット。
『そっか…
でもまた機会あったら!』
(……ほら)
(……追い掛けられている)
悠馬は、深く息を吐いた。
(……研究が裏目)
(……日本語、
難易度が上がった)
ノアは、冷静に言った。
「兄さん」
「はい」
「漫画とアニメは“キャラ用”」
「……キャラ」
「現実で使うと
人格が生成される」
「……生成」
「しかも今のは」
一拍。
「癒し系女性主人公」
その夜。
エド叔父から、短い連絡。
> 最近、 表現が
> 柔らかいと 聞いた
悠馬は、正直に返した。
> 日本語を
> 学習しています
既読。
数秒。
> 方向を 間違えるな
(……でしょうね)
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悠馬は、画面を閉じた。
(……足元を探しているのに)
(……なぜ
言語から迷子になる)
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”日本語の雑さを
学ぼうとすると、
人格が上書きされることがある。”
悠馬は、
三十を越えて新たな地雷を発見した。
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ノアは、ため息をついた。
「兄さん」
「はい」
「次は“無言”を学ぼう」
「……最初に戻りますね」
「そう」
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こうして。
・ 日本語研究
・コメディ事故
・ 出会い廚悪化
・ノアの胃痛
が無事完成した。
AIアシスト作品です。
対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。
前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。
一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。




