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佐伯悠馬の恋愛事情  作者: 雪森蓮


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第五部 第十八話 ~定型文は、恋愛フラグではない~

※悠馬君は日本サーバーでプレイしています。日本人なので。(使っているのは女性アバターです)

でも悠馬君はイギリス育ちなので日本語がビジネス用語になっています。

ノアは拓海父さんが日本語を教えたため雑になっています。

長期休暇、十日目。


悠馬は、時間を気にせず

ログインしていた。


カタカタカタカタカタ。


「ゆう」が、

今日も安定している。


ーーーーーーーーーーー


『ゆうさん、

 いつも丁寧ですよね』


(……役割です)


「……ありがとうございます」


※この時点で、定型文。


ーーーーーーーーー


『回復、すごく助かりました』


「……お役に立てて何よりです」


※完全に業務メール。


ーーーーーーーーーーー


『こんなに

 気遣ってくれる人、なかなかいないです』


(……気遣い?)


「……必要な対応をしているだけです」


※否定のつもり。

※相手には謙遜に見える。


ーーーーーーーーーーーー


『ゆうさんって、優しいですよね』


(……優しさの定義が違う)


「……恐縮です」


※致命傷。


ーーーーーーーーーーーーー


その様子を、

ノアが横から見ていた。


「兄さん」


「はい」


「それ、全部

 告白手前に見えてる」


「……なぜ」


「日本語」


即答。


ーーーーーーーーーーー


ノアは、画面を指差す。


「その

 “ありがとうございます”」


「“お役に立てて何よりです”」


「“恐縮です”」


一拍。


「全部、

 距離を詰めない丁寧語なのに、

 距離が近く見えるやつ」


悠馬、真剣に考える。


「……定型文です」


「だから」


「……誤解?」


「大誤解」


ーーーーーーーーーー


その時。


チャットが来る。


『ゆうさん、もしよければ

 通話しませんか?』


(……通話)


悠馬、一瞬フリーズ。


「……申し訳ありません」


※ここまでは良い。


「……音声でのやり取りは

 控えさせてください」


※業務メール感。


『理由、聞いてもいいですか?』


(……業務外)


「……私的な理由です」


※秘密を共有している感、爆誕。


ーーーーーーーーーー


ノア、天を仰ぐ。


「兄さん」


「はい」


「今の、完全に

 “踏み込ませない優しさ”」


「……それは意図していません」


「知ってる」


ーーーーーーーーー


さらに来る。


『無理言ってごめんなさい』


『でも、ゆうさんともっと話したくて』


(……困った)


悠馬は、慎重に打つ。


「……お気遣い

 ありがとうございます」


「……今は休暇中で、

生活リズムが不規則です」


※完全に

「今は会えないけど可能性は残す」

文章。


ーーーーーーーーーーー


ノア、即座に割り込む。


「兄さん、代わる」


「……なぜ」


「日本語、俺がやる」


ーーーーーーーーーー


ノア、

キーボードを叩く。


『すみません』


『彼女は回復職として

 非常に優秀ですが』


『私生活では

 距離感が終わっています』


『誤解を招く表現を多用します』


『深い意味は一切ありません』


『本当に一切ありません』


ーーーーーーーーーーー


沈黙。

チャット欄が、静かになる。

数秒。


『……なるほど』


『少し勘違いしていました』


『失礼しました』


(……助かった)


ーーーーーーーーーー


悠馬は、

小さく息を吐いた。


「……ありがとうございます」


「どういたしまして」


ノアは、真顔で言う。


「兄さん」


「はい」


「日本語、もう少し雑にして」


「……努力します」


「努力目標がおかしい」


ーーーーーーーーーーーー


その夜。


エド叔父から、一言だけ来る。


> 休暇は

> 順調そうだな


悠馬は、少し考えてから返信した。


> 誤解が

> 発生しています


既読。

数秒。


> 想定内だ


(……でしょうね)


---


こうして。


・ 定型文日本語が恋愛フラグを量産し

・ノアが介入して火消しし

・余計に

 「兄を守る弟」像が補強され

・エド叔父は無言で把握する


という、

「誰も悪くない地獄」が完成した。


ーーーーーーーーーーーー


悠馬は、

画面を見つめながら思う。


(……足元を探していたはずだが)


(……なぜ

 出会い廚とやらが湧くのだろう)


答えは、まだ出ない。


ーーーーーーーーーーーー


定型文は、誠実だが、

恋愛では凶器になることがある。


悠馬は、その事実を

三十を越えてようやく知った。



AIアシスト作品です。

対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。

前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。

一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。


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