第五部 第十五話 ~夜会の後半、空気が決まる~
悠馬君、何のゲームやってるんだろW
後半に入ると、夜会はいつも少し静かになる。
酒が回り、
名刺交換も一巡し、
場の“輪郭”が固まる時間だ。
悠馬は、その変化を肌で感じていた。
(……今夜は、もう決まった)
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秘書は、
彼の半歩後ろに立っていた。
近すぎない。
離れすぎない。
会話に入る必要も、抜ける必要もない。
(……楽だ)
彼女は、率直にそう思った。
誰かが、少し踏み込む。
「佐伯さん」
「最近、落ち着いていらっしゃいますね」
(……まただ)
「……必要な場に立っているだけです」
「それができるのが、一番難しいんですよ」
(……そうでしょうか)
でも、否定はしない。
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別の輪。
「佐伯さんは、線を引くのがお上手ですね」
「……意識はしていません」
「ええ」
相手は笑う。
「だから、信頼される」
(……信頼)
また、評価が一段静かに積まれた。
秘書は、外から見ていた。
・ 誰とも距離を詰めない
・でも誰も拒まない
・必要な言葉だけ 置いている
(……守ってる、というより)
(……崩さない)
会の終盤。
人が、少しずつ別れ始める。
その中で、誰かが言った。
「……今日は、佐伯さんの夜ですね」
「ええ」
「噂、落ち着きました」
「そうですね」
言葉は、それ以上続かなかった。
もう、説明は要らない。
悠馬は、グラスを置いた。
(……終わった)
緊張はない。
だが、いつもより疲労が少ない。
(……並んで立っていたからか)
秘書が、静かに言った。
「もう少しで、お開きです」
「……ありがとうございます」
「今夜は」
一拍。
「余計な物語が生まれませんでした」
(……珍しい)
「……助かりました」
「こちらこそ」
彼女は、それ以上何も言わない。
会が終わる。
外の空気は、少し冷たい。
人が散る中、視線が一瞬だけ
悠馬に集まり、すぐに外れた。
(……もう、役割は終わった)
帰路。
悠馬はふと気づく。
今夜、誰も
・詮索しなかった
・ 深追いしなかった
・守ろうともしなかった
ただ、
「そこにいる人」として扱われた。
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フラットに戻る。
ノアの服に着替え、椅子に座る。
カタカタカタカタ。
「ゆう」が今日も回復する。
だが、今夜は少しだけ違った。
(……立てていた)
一人ではない。
寄りかかってもいない。
ただ、並んで。
『夜会の後半で、空気は決まる。』
言葉ではなく、
態度で。
悠馬は、その決まり方を
初めて“嫌ではない”と
感じていた。
AIアシスト作品です。
対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。
前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。
一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。




