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佐伯悠馬の恋愛事情  作者: 雪森蓮


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第五部 第二十話 ~ノアは、兄の噂を聞いている~

ノアの服は悠馬君にはだいぶ大きいので家にいるときは下は「パンイチ」です。

ノアは、自分の噂には慣れていた。


爵位。

結婚。

契約。

家。


どれも、

本人の知らないところで勝手に形を変える。

でも。

最近聞こえてくるのは、「兄の話」だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……お兄さん、大変だったんでしょう?」


ランチの席で、そう言われた。


「何が?」


聞き返すと、相手は一瞬ためらってから言う。


「いえ、その……家族の事情とか」


(……またそれか)


ノアは、笑って流した。


「兄さんは大丈夫ですよ」


それは、嘘ではない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


別の日。


「佐伯さんって、すごく弟思いですよね」


(……弟は俺だが)


「結婚、ああいう形になったのも兄のためだって」


ノアは、口を閉じた。

否定しようとして、やめた。


(……説明が長くなる)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


噂は、

こうだ。


* 兄は繊細

* 支えが必要

* 表に出せない事情がある

* 弟は盾になっている


ノアは、その構図を一瞬で理解した。


(……あー)


(……兄さん、何もしてないな)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


夜。


フラット。


仕事が遅くなり、泊まるつもりで鍵を開ける。


カタカタカタカタ。


聞き慣れた音。

兄は、モニターの前にいた。


だぼだぼのパーカー。自分のだ。


下は、……見ない。


(……見ない)


「兄さん」


「はい」


「最近さ」


ノアは、ソファに腰を下ろす。


「俺の結婚、どう見えてる?」


兄は、少し考えてから答えた。


「……選択だと」


「だよね」


「……大変でしたか」


「いや」


即答。


「俺は自分で決めた」


ノアは、兄を見る。

変わらない。何も背負っていない顔。


(……背負わされてるのは、周りの物語だ)


「兄さん」


「はい」


「今、

 外でどんな話になってるか、知ってる?」


兄は、首を振った。


「……知りません」


「だよね」


ノアは、少しだけ苦笑した。


「兄さんが“守られてる側”みたいになってる」


「……?」


「で、俺が“守ってる側”」


兄は、一瞬だけ言葉を失った。


「……それは」


「変?」


「……いいえ」


考えてから言う。


「……正確ではありませんね」


「うん」


「でもさ」


ノアは、天井を見た。


「外の人は、正確さより安心を取るんだよ」


「兄さんは」


ノアは、静かに言った。


「何も言わない」


「否定しない」


「訂正しない」


「だから」


一拍。


「物語が完成する」


兄は、黙って聞いていた。



「でもさ」


ノアは、少し笑った。


「兄さんが弱ってるから守ってるんじゃない」


「……?」


「兄さんが

 “放っておくとどこか行く”から

 気になるだけ*」


兄は、小さく首を傾げた。


「……迷子、でしょうか」


「そう」


即答。


「住んでる街で迷子になる才能」


「……才能、なのですか」


「うん」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ノアは、立ち上がった。


「兄さん」


「はい」


「今度の夜会、父上が

 また何か仕込んでるでしょ」


「……はい」


「それさ」


一拍。


「”兄さんがどう見られるか”

 じゃなくて」


「”兄さんがどこに立つか”

  で決めていいよ」


兄は、少し考えた。


「……立てる場所は」


「ある」


ノアは、迷わず言った。


「兄さんはどこでも立てる」


「でも」


視線を合わせる。


「どこに立ちたいかは、まだ決めてないだけ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


その夜。


ノアは、ソファで眠りについた。


兄は、再びモニターに向かう。


カタカタカタカタ。


「ゆう」が今日も誰も落とさない。


でも。


ノアの言葉が、静かに残っていた。


> どこに立ちたいか


それは、まだ答えのない問いだった。



AIアシスト作品です。

対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。

前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。

一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。


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