幕間 ~人はなぜ、電子レンジに敗北するのか~
た・・多機能レンジは難しいから・・・
「兄さん」
ノアは、
キッチンの前で立ち尽くす悠馬を見て言った。
「……なに」
「それ、昨日から同じ姿勢じゃない?」
悠馬の視線の先には、
日本製電子レンジ。
多機能。
親切。
余計。
「……あたため、です」
「うん」
「……三分」
「うん」
「……600W」
「うん」
「……問題は」
ノアは、嫌な予感しかしなかった。
「問題は?」
「……その後です」
「その後?」
「……仕上がりを聞いてくる」
ノア、天を仰ぐ。
「聞いてこなくていいんだよ」
「……でも」
「でも?」
「……聞いてくる以上、
答えないと」
「答えなくていい」
「……無責任では?」
ノア、黙る。
「兄さんさ」
一拍。
「夜会で百人相手に判断してるよね」
「……はい」
「仕事でもっとやばい決断してるよね」
「……はい」
「なのに」
電子レンジを指す。
「これで詰むの?」
「……はい」
即答。
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「ちなみに聞くけど」
ノアは、何気なく言った。
「ネトゲのスキル振りは?」
「……最適化しています」
「パーティ構成は?」
「……役割重視です」
「ヒール回しは?」
「……無駄を省いています」
ノア、深呼吸。
「……じゃあさ」
「?」
「電子レンジも役割だと思えば?」
悠馬、一瞬考える。
「……」
「……」
「……」
「……どう?」
「……役割が不明確です」
ノア、敗北。
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その時、叔父上が通りがかった。
状況を一瞥。
「……まだか」
「兄さんが電子レンジに詰んでます」
「見れば分かる」
叔父上は、迷いなく一つのボタンを押した。
「……あ」
「600W、三分だ」
「……はい」
「仕上がりは気にするな」
「……はい」
「死ななければ成功だ」
「……基準が低いですね」
「生活とはそういうものだ」
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チン。
完成。
悠馬は、そっと中を覗いた。
「……温かいです」
「だろうな」
ノアは、腕を組んで言った。
「兄さんさ」
「はい」
「電子レンジは攻略できないけど」
一拍。
「生き方はちゃんと攻略してるよね?」
悠馬は、
少し考えてから答えた。
「……それは、偶然です」
「偶然で
そこまで行けるの逆にすごいよ」
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その夜。
カタカタカタカタカタ。
モニターの中では、
「ゆう」が
今日も誰も落とさなかった。
チャットが流れる。
『安定してますね!』
『神ヒール!』
悠馬は、小さく打つ。
「……仕事ですから」
ログアウト。
振り返る。
キッチン。
電子レンジ。
(……明日は、迷わず押そう)
たぶん、また迷う。
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『人はなぜ、
電子レンジには勝てないのか。』
その答えは、
今日もまだ出ていない。
AIアシスト作品です。
対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。
前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。
一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。




