第五部 第五話 ~エド叔父、ネトゲ環境を黙認する~
変な風にこじらせる悠馬君
叔父上は、
何も言わずに部屋を見回した。
夜会用のスーツ。
生活感のないキッチン。
相変わらず日本製の電子レンジ。
そして――
部屋の一角。
異様に整った、
「高性能PC一式」。
モニター二枚。
キーボード。
マウス。
回線表示。
叔父上は、そこで初めて足を止めた。
「……これは」
悠馬は、少しだけ間を置いて答える。
「……作業用です」
「仕事か」
「……いいえ」
一拍。
「……役割が、あります」
叔父上は、しばらく無言だった。
画面を見る。
ログイン画面。
キャラクター名――「ゆう」。
女性アバター。
ヒーラー。
「……何をしている」
「……回復と、立て直しを」
「評価は」
「……落ちません」
「失敗は」
「……私の判断ミス以外では、起きません」
叔父上は、深く息を吐いた。
怒らない。否定もしない。
「……なるほど」
悠馬は、少しだけ緊張を解いた。
「役割がある」
「正解がある」
「評価が明確」
叔父上は、静かに言った。
「方向は、正しくない」
(……はい)
「だが」
一拍。
「*立てている」
それだけだった。
「夜会を減らした今、お前が崩れていない理由は、
”これ”か」
「……はい」
叔父上は、それ以上踏み込まなかった。
「生活の代替にはならん」
「だが」
ドアに向かいながら、一言だけ残す。
「完全に折れるよりは、よほどマシだ」
→(ないよりまし)
そう言って、帰っていった。
悠馬は、モニターの前に座り直す。
(……黙認、された)
カタカタカタカタカタ。
今日も、誰も落ちなかった。
AIアシスト作品です。
対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。
前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。
一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。




