表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
佐伯悠馬の恋愛事情  作者: 雪森蓮


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/137

第五部 第四話 ~叔父上は、逃げ道を許さない~

週5で昼間家政婦さんに来てもらえばいいのではと思わなくもない。でも嫌なんだろうな。

その日は、夜会がなかった。

それだけで、悠馬の一日は少しだけ重かった。


(……外に出る理由が、ない)


逃げ場がない、という意味ではない。

ただ、立っていなくていい時間は、判断を迫ってくる。


ーーーーーーーーーーーーー


昼過ぎ。

鍵の音。


「……叔父上」


「昼だ。いい時間だろう」


叔父上は、当然のように入ってきた。

今日はコートを脱がない。

長居するつもりはないらしい。


「座れ」


言い切り。


ーーーーーーーーーーーー


「結論から聞く」


叔父上は、悠馬の顔をまっすぐ見た。


「生活改善は、進んでいないな」


「……はい」


「夜会は」


「……問題ありません」


「だろうな」


即答。


「だから聞いている」


一拍。


「なぜ、夜会はできて、生活はできない」


悠馬は、すぐには答えられなかった。


(……できる、からだ)


そう言いかけて、飲み込む。

それは答えにならない。


ーーーーーーーーーーーーーー


「では順に潰す」


叔父上は、淡々と言った。


「家政婦を毎日にする案」


「……無理です」


「理由」


「……家に、人がいるので」


「却下」


即断。


「次」


「誰かに昼だけ来させる案」


悠馬は、わずかに眉を寄せた。


「……それも無理です」


「理由」


「……知っている人に、生活を見られるのは、

 耐えられません」


叔父上は、一拍考え、頷いた。


「合理的だ」


(……認められた)


「次」


「外に出る頻度を減らす案」


「……はい」


「実行しているな」


「……はい」


「結果」


「……少し、楽です」


「だが」


叔父上は、静かに言った。


「それは解決ではない」


悠馬は、反論しなかった。

できなかった。


---


「夜会がある日は、立てる」


「家にいる日は、立てない」


「つまり」


一拍。


「お前は“役割がある時しか、存在できていない”」


その言葉は、痛かった。

だが、的確だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「聞く」


叔父上は、声を落とした。


「夜会で、お前は何をしている」


「……役割を果たしています」


「具体的に」


「……場を回し、相手を立て、失礼がないように」


「感情は」


「……使いません」


「だろうな」


即答。


「では、家では」


悠馬は、黙った。


「役割がない」


叔父上が続ける。


「正解もない」


「評価もない」


「だから、お前は止まる」


悠馬は、小さく息を吐いた。


「……はい」


ーーーーーーーーーーーーー


「では、選べ」


叔父上は、言い切った。


「役割を増やすか、役割なしで立つか」


「中間は、ない」


悠馬の指先が、わずかに動く。


「……役割を、増やすと?」


「夜会を増やす」


「管理を外注する」


「生活を、誰かに預ける」


(……延命だ)


悠馬は、それを理解していた。


「……役割なしで立つ、というのは」


「何もしない時間を、自分で引き受けることだ」


叔父上は、静かに続ける。


「判断しない」


「選ばない」


「だが、逃げない」


「そこにいる」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


沈黙。

長い。


時計の針の音が、やけに大きい。

悠馬は、ようやく口を開いた。


「……それは」


一拍。


「……一番、怖いです」


叔父上は、それを否定しなかった。


「だろうな」


---


「だが」


叔父上は、立ち上がった。


「そこを通らなければ」


「お前は」


一拍。


「誰とも、並べない」


その言葉は、脅しではなかった。


未来予測だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「期限は設けない」


「だが」


「夜会の数は、増やすな」


「外注もしない」


「逃げるなら、はっきり逃げろ」


「曖昧に立つな」


それだけ言って、叔父上は出ていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一人になる。


部屋は、相変わらず静かだ。


冷蔵庫。

電子レンジ。

ソファ。


(……役割なしで、立つ)


それは、何もしないこととは違う。

“ある自分”を、そのまま置くということだ。

悠馬は、椅子に座り直し、ノートPCを開いた。


外には、行かない。

誰とも、会わない。


でも、逃げもしない。


(……試してみるか)


そうして、悠馬は初めて

『夜会以外の場所で、立つことを選んだ』。



AIアシスト作品です。

対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。

前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。

一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ