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佐伯悠馬の恋愛事情  作者: 雪森蓮


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第五部 第二話 ~生活改善、開始する(が、うまくはいかない)~

雑な紹介

佐伯悠馬:仕事は神、恋愛は初期設定未実装。胃が弱い。

ノア:みたいなもん。兄の人生の実況解説者。

凛:アメリカにいる双子の妹その1

蘭:双子の妹その2、ノアの契約結婚相手

エド叔父:人生をイベント扱いする人。

佐伯菜摘:悠馬の母親(日本に長期里帰り中)


翌朝。

悠馬は、目覚ましが鳴る前に目を覚ました。

理由は単純だ。


昨夜、叔父上の言葉が頭から離れなかった。


> まず、生きろ。


(……生きているが)


そう反論しかけて、やめた。

確かに、生きてはいる。

だが、生活はしていない。


ーーーーーーーーーーーーーーー


キッチンに立つ。

冷蔵庫を開ける。

相変わらず、静かだ。


作り置き。

調味料。

水。


(……食べる)


今日は、ちゃんと食べる。

決意は固い。


ーーーーーーーーーーーーーーー


問題は、”何をどう食べるか”だった。

冷凍庫から、菜摘の作り置きを取り出す。


容器は、しっかりしている。


(……これを温める)


電子レンジの前に立つ。


日本製。

多機能。

ボタンが、多い。


(……)


沈黙。


(……あたため)


(……解凍)


(……仕上がり)


(……お好み)


(……何が違う)


悠馬は、説明書を探した。

見当たらない。


(……選択肢が多すぎる)


一分、固まる。

二分、固まる。


(……時間が過ぎていく)


結局。冷蔵庫に戻した。


(……後で)


ーーーーーーーーーーーーー


代わりに、

インスタントスープ。


お湯を沸かす。


(……これは選択肢が一つ)


成功。


マグカップを手に、一口飲む。


(……温かい)


だが、胃は満たされない。


(……これは“食べた”に入るのだろうか)


考え始めた時点で、アウトだった。


ーーーーーーーーーーーーーーー


その日、叔父上が来た。


「……朝食は」


「……スープを」


「固形物は」


「……まだです」


「なぜだ」


「……選択肢が多くて」


叔父上は、一拍、黙った。


「電子レンジか」


「……はい」


「後で見る」


(……見られる)


ーーーーーーーーーーーーーー


次の課題。


『買い出し』


「冷蔵庫が空すぎる」


叔父上の指摘は、正しい。

悠馬は、近所のスーパーへ向かった。


英国の大型店。


広い。

明るい。

棚が多い。


(……情報量が多いな)


だが、ここは仕事ではない。


(……生活だ)


かごを取る。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


冷蔵コーナー。


調理済みチキン。

味付き。

無味。

低脂肪。


(……これは分かる)


かごに入れる。


次、カットサラダ。


(……分かる)


ヨーグルト。


(……分かる)


卵。


(……分かる)


ここまでは、順調だった。


ーーーーーーーーーーーーーー


問題は、「それ以外」だった。


野菜。

果物。

パン。


(……どれを)


(……どのくらい)


(……いつ食べる)


思考が、止まる。


(……これは仕事ではない)


判断基準が、ない。


結果。


かごの中は、


・ 調理済みチキン

・ カットサラダ

・ヨーグルト

・卵


以上。


(……十分だろう)


本人は、そう思った。


ーーーーーーーーーーーーーーー


帰宅。

冷蔵庫に並べる。


(……整った)


整ってはいる。

だが、「生きていない」。


叔父上は、それを一目見て言った。


「……生存ラインだな」


「……はい」


「生活ではない」


「……はい」


ーーーーーーーーーーーーーーーー


夜。

課題は、もう一つ。

”断る練習”。


夜会の招待が、

三件。


「週二回まで」


叔父上の言葉を思い出す。


悠馬は、二件を断った。


文章は、丁寧に。

理由は、付けない。


送信。


(……できた)


少し、胸が軽くなる。


だが。


その直後、別の誘いが来た。


「食事会。」


(……夜会ではない)


(……規定外)


悠馬は、固まった。


(……断る?)


(……行く?)


結果。


「……検討します」


と、返した。


(……これは断ったことになるのだろうか)


ならない。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


夜。


再び、電子レンジの前。

今度こそ。


(……600W)


(……三分)


叔父上が、横で見ている。


「他は見るな」


「……はい」


押す。

動く。


(……動いた)


成功。


(……進歩だ)


温めた料理を、食べる。


(……美味しい)


量は、足りない。

だが、もう一つ

温める判断ができない。


(……今日はここまで)


ーーーーーーーーーーーーーー


叔父上は、静かに言った。


「今日は、及第点だ」


「……及第点」


「だが」


一拍。


「お前は生活を“作業”として

   処理しようとしている」

ーー

悠馬は、否定しなかった。

否定できなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


夜。


ベッドに入り、天井を見る。


(……生活改善)


(……難しい)


仕事より、

夜会より、

電子レンジより。


(……これは正解がない)


その時。


ふと、思った。


(……外に出ている方が楽だ)


夜会。

役割。

正解。


(……明日は夜会だ)


安心と、逃げ。

両方を抱えたまま、

悠馬は目を閉じた。


”生活改善は、始まった。”


だが、この時点で

すでに、ズレ始めていた。



AIアシスト作品です。

対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。

前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。

一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。


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