第三部 第十七話 ~深夜の哲学会(※結論は出ない)~
この子たちなんかもう僕の思惑超えてすぐ考え込むんだ。。。
深夜。
ハミルトン邸は、驚くほど静かだった。
悠馬は、自室のソファに座り、
コーヒーを飲んでいた。
砂糖は、四杯。
(……今日、砂糖多くないか)
一口飲んで、すぐに思う。
(……いや、今日はいい)
天井を見る。
(……僕、何やってるんだろうな)
恋愛。
結婚。
お見合い。
条件。
距離感。
頭の中で、単語だけが回転している。
(……考えても、分からん)
その時。
コンコン。
「……兄さん?」
ノアの声。
「起きてる?」
「……起きてる」
ノアが、勝手に入ってくる。
「また考えてた?」
「……多分」
「多分?」
「考えてるか、ただぼーっとしてるか区別がつかない」
ノアは、ソファの背に寄りかかり、コーヒーを見る。
「……砂糖、四杯?」
「……少し多いだけだ」
「今日は顔が哲学者」
「やめろ」
沈黙。
三秒。五秒。
ノアが、急に言う。
「兄さんさ」
「……何だ」
「恋愛したい?」
悠馬は、即答しなかった。
(……来た)
「……分からない」
「だよね」
即肯定。
「結婚は?」
「……考えたことはある」
「恋愛は?」
「……仕様が不明」
「仕様」
ノアは、吹き出した。
「それ、恋愛を家電扱いしてる」
「違う」
「どこが」
「……マニュアルがないだけだ」
ノアは、笑いながら首を振る。
「兄さんさ」
「恋愛って考えるもんじゃないって言われたらどうする?」
悠馬は、真顔で考えた。
「……バグる」
「でしょ」
「でも」
悠馬は、急に言う。
「生活の話は考えられる」
「うん」
「役割分担も想定できる」
「うん」
「雑談はできない」
「うん」
「……つまり」
悠馬は、ゆっくり結論を出す。
「僕は、”結婚向きで恋愛不向き”」
ノアは、腹を抱えた。
「最悪の自己分析www」
「事実だ」
「事実っぽいのが一番ひどい」
沈黙。
悠馬が、ふと聞く。
「……ノア」
「なに」
「お前、何でそんなに人と話せるんだ」
ノアは、少し考えてから言う。
「……楽しいから?」
「……理由になってない」
「兄さんは?」
「……疲れる」
即答。
「でも」
一拍。
「……嫌ではない」
ノアは、その言葉を聞いて、にやっと笑った。
「それでいいじゃん」
「……何が」
「深夜に砂糖四杯のコーヒー飲みながら悩んでる時点で」
「もう普通に人間」
「……普通の人間はこんな時間に哲学会しない」
「するよ」
ノアは、肩をすくめる。
「ただし」
「?」
「大体、何も分からないまま寝る」
悠馬は、カップを見下ろした。
(……確かに)
「……結論」
「出ない」
「……よし」
二人で、しばらく黙る。
その沈黙は、さっきより少しだけ軽かった。
ノアが、立ち上がる。
「兄さん」
「……何だ」
「明日、また考えればいいよ」
「……明日も分からなかったら?」
「じゃあ明後日」
悠馬は、小さく息を吐いた。
「……ずいぶん雑だな」
「恋愛だもん」
「……納得いかない」
「うん」
ノアは、ドアに手をかけて言う。
「でもさ」
「兄さんが悩んでるの、父上にバレてるよ」
「……知ってる」
「だから」
ノアは、笑った。
「”今日はもう寝よ”」
悠馬は、最後にコーヒーを一口飲んだ。
甘い。
(……今日は、これでいい)
結論は、出なかった。
しかし。
『深夜の哲学会は、無事、解散した。』
AIアシスト作品です。
対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。
前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。
一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。




