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佐伯悠馬の恋愛事情  作者: 雪森蓮


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第三部 第十三話 ~それ、恋愛じゃなくてお見合いです~

タイトル「佐伯悠馬の恋愛事情」→「佐伯悠馬の結婚事情」みたいな?

まあ、確かに悠馬君の恋愛を待っていたら先に寿命が来るかもしれない

その話は、仕事の延長として持ち込まれた。

だからこそ、逃げにくかった。


午後の打ち合わせが終わり、

資料をまとめていると、

取引先の担当者が声をかけてきた。


「佐伯さん、少し個人的なご相談をしても?」


(……個人的)


悠馬は、一瞬だけ眉間に力が入るのを感じた。


「仕事に関係する話なら」


予防線。

相手は、小さく笑った。


「半分は」


(半分)


場所を移し、小さなテーブルにつく。


「実はですね」


前置きは、短かった。


「知人に、佐伯さんを紹介したい人がいるんです」


(……来た)


第二フェーズ。


『今回は、はっきり分かる形だ。』


「条件があります」


(……条件)


相手は、淡々と続けた。


「仕事を最優先にする人です」


「忙しさを理解している」


「急かしません」


(……珍しい)


「ただ」


一拍。


「”結婚を前提に、関係を考えたい”」


――ああ。


悠馬は、ようやく腑に落ちた。


(……これ)


(……恋愛じゃないな)


「……ありがとうございます」


悠馬は、即答しなかった。

それも、以前とは違う。


「こちらの条件を、先にお伝えしても?」


相手は、少し意外そうに頷いた。


「今は、関係を進める速度がとても遅いです」


「返事が遅れることもある」


「会えない期間も、長いかもしれません」


「それでも、問題がないか」


沈黙。


相手は、

評価する目ではなく、

確認する目で見ていた。


「……分かりました」


「その条件で、伝えます」


「会うかどうかは、佐伯さんが決めてください」


去っていく背中を見ながら、悠馬は思った。


(……これ、完全にお見合いだな)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


夜。


ハミルトン邸。


ソファに座るノアに、

その話をした。


「……仕事経由で、紹介の話が来た」


「お」


「条件付きでな」


ノアは、一瞬黙ってから、吹き出した。


「兄さん」


「……何だ」


「それ、”恋愛じゃなくてお見合いだよ”」


即断。


「……だよな」


「うん」


ノアは、笑いながら続ける。


「だってさ、条件すり合わせて、

 生活想定して、忙しさ確認して」


「最初から結婚の話じゃん」


(……順番、飛ばしすぎだろ)


「俺、恋愛の話をしてたつもりだったんだが」


「してない」


即否定。


「一切してない」


「……そうか」


ノアは、スマホを置いて言った。


「兄さん、恋愛の入口をまだ通ってないのに」


「周りが出口から入ってきてる」


(……分かりやすいな)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その後、紅茶の香りがした。

エド叔父が、背後に立っていた。


「今さら、気づいたか」


(……やっぱり)


悠馬は、観念して言う。


「……叔父上」


「これ、恋愛じゃなくてお見合いですよね」


エド叔父は、あっさり言った。


「最初から、そのつもりだが?」


(……即答)


「お前に、“付き合ってみる”

 余裕があると思っていたか?」


(……ないな)


「恋愛の練習をする時間はない」


「だが、結婚を考える条件は揃っている」


悠馬は、額を押さえた。


「……乱暴すぎませんか」


「だから」


エド叔父は、穏やかに続ける。


「第一フェーズで

 潰し、

 第二フェーズで静かにした」


「今は、お前が考える段階だ」


「条件も、言えるようになった」


(……評価、されてるな)


「焦らせない」


「だが、逃がしもしない」


(……ひどい)


悠馬は、小さく息を吐いた。


「……つまり」


「はい」


「これは、”恋愛事情ではなく結婚事情”だと」


エド叔父は、紅茶を一口飲み、微笑んだ。


「そういうことだ」


ノアが、横で楽しそうに言う。


「兄さん、タイトル詐欺だね」


「……やめろ」


だが、否定できない。


悠馬は、ソファにもたれ、天井を見た。


(……恋愛だと思ってたら、最初からお見合いだった件)


でも。


条件を言えた。

保留を選べた。

逃げずに考えている。


それは、以前の自分では考えられなかったことだ。


「……まあ」


小さく呟く。


「順番は滅茶苦茶だが」


「僕の事情としては、間違ってないのかもな」


ノアが、にやっと笑う。


「ようこそ、大人の世界へ」


「……遅すぎる」


こうして。


”有能嫁計画・第二フェーズ”は、

名前を変えながら静かに進んでいた。


――恋愛ではなく、

――お見合いとして。



AIアシスト作品です。

対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。

前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。

一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。


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