第三部 第七話 ~ノアの内心:今さら気づいたのかよ問題~
ノアの余計なお世話編。
(……今さら?)
ノアは、
ソファに座る悠馬を横目で見ながら、
心の中で即ツッコミを入れていた。
(兄さん、今さら
“友達いなさそう”って気づいたのかよ…)
遅い。あまりにも遅い。
だって。
(インスタもやってない)
(フェイスブックもやってない)
(Xもやってない)
(休日は誰とも会わない)
(雑談の話題が分からない)
(アドレス帳が仕事と家族だけ)
(……そりゃ、いないよ)
ノアは、
自分のスマホをちらりと見る。
未読通知、十数件。
ストーリーのリアクション。
今日も上がっている写真。
(俺、今日もインスタ三回更新してる)
昨日は友人とランチ。
一昨日は飲み会。
今日は誰かの誕生日。
(……対極だな)
悠馬は、真剣な顔で考え込んでいる。
眉間に、うっすらしわ。
(考えすぎ)
ノアは、決断した。
(……これは、放っておくと一生このままだ)
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「兄さん」
「……何だ」
「友達、作ろう」
即断。
「……は?」
悠馬が、ゆっくり顔を上げる。
「いや、だから」
ノアは、軽い調子で言った。
「”友達”」
「……何で」
「今さら気づいたから」
(直球)
悠馬は、一拍置いて言う。
「……余計なお世話だ」
(想定通り)
「でもさ」
ノアは、笑顔を崩さない。
「有能嫁計画より、先にやることあるでしょ」
(……やっぱり、そこか)
「兄さん、“役割じゃない関係”持ったことある?」
悠馬は、答えられなかった。
(……ないな)
「でしょ」
ノアは、満足そうに頷く。
「だから、
”友人つくりから始めよう大作戦”」
(ネーミング、最悪)
「……具体的に」
「まず」
ノアは、指を一本立てる。
「”誰とも評価が絡まない人”」
(……もう無理そう)
「仕事関係、全排除」
(……死)
「家族も除外」
(……逃げ場なし)
「年齢とか、性別とか、気にしない」
(……難易度高)
「目的は一つ」
ノアは、楽しそうに言った。
「”雑談”」
「……無理だ」
即答。
「だって、何話せばいいか分からない」
「そこから」
(そこから!?)
ノアは、スマホを取り出した。
「まずは、友人候補リスト」
「……作るな」
「安心して」
ノアは、さらっと言う。
「兄さんに選ばせない」
(……やめろ)
「余計なお世話だ」
「うん」
即肯定。
「でもね」
ノアは、少しだけ声を落とす。
「”今の兄さん、有能嫁計画より
こっちの方が重要”」
悠馬は、反論しかけて、止まった。
(……否定できない)
「……地獄が深まる気しかしない」
「正解」
ノアは、満面の笑み。
「だから、僕がやる」
(……最悪)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
その夜。
悠馬は、
ベッドに横になりながら、天井を見ていた。
(……友人つくり)
(……雑談)
(……評価されない関係)
想像するだけで、胃がきゅっとなる。
(……余計なお世話だ)
(……でも)
第三候補の言葉が、ふと浮かぶ。
> 「役割じゃない関係」
(……そこから、始めないといけないのか)
スマホが、震える。
ノアからのメッセージ。
> 明日、
> 僕の友達と
> コーヒー飲むから
> 兄さんも来てね(`・ω・´)
>
> ※評価なし
> ※仕事なし
> ※逃走不可
「……地獄だ」
声に出た。
だが同時に、どこかで分かっている。
『これは、有能嫁計画より
ずっと面倒で、ずっと大事なやつだ。』
ノアの
「余計なお世話」は、
今日も的確に刺さっていた。
ノア君やめたげたほうがいいかもよ・・・
AIアシスト作品です。
対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。
前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。
一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。




