第三部 第六話 ~静かな期間:空白に気づく~
雑な年齢設定
悠馬:29歳くらい
ノア:24歳くらい
その日も、予定はなかった。
ハミルトン邸は静かで、
来客もなく、夕食の招待もない。
(……休日、だな)
佐伯悠馬は、自室のソファに座り、
しばらく何もせずにいた。
テレビもつけていない。
音楽も流していない。
(……俺、休日って何してたっけ)
思い出そうとして、止まる。
仕事がない日。
会議がない日。
判断を求められない日。
(……基本、誰とも会ってないな)
一人で過ごすことが、当たり前すぎた。
誰かに連絡を取る、
という発想が、最初からない。
スマホを手に取る。
ホーム画面。
(……インスタ、やってない)
(……Xも、やってない)
正確には、「アカウントを作ろうと
思ったことすらない。」
「……何を投稿するんだ」
仕事の話?
守秘義務。
風景?
見慣れている。
感情?
言語化したことがない。
(……無理だな)
スマホを置く。
ふと、連絡先を開いた。
業務用。
仕事関係。
緊急連絡先。
指を滑らせる。
(……これ、全部“役割”だ)
家族の番号。
拓海。
菜摘。
ノア。
凛と蘭。
それ以外は………
(……雑談、って何を話すんだ)
仕事じゃない話。目的のない会話。
想像しようとして、
完全に止まった。
「……友達と雑談って……」
何の話題だ。
天気か。
趣味か。
近況か。
(……近況って、仕事以外に何がある)
ふと、口から零れる。
「……友達、いないな」
自分で言って、少し笑った。
否定できない。
いなかったわけじゃない。
ただ、
(……連絡しなくても誰も困らなかった)
困らせたことも、
困らされたことも、
ほとんどない。
関係が、“機能”として完結していた。
(……だから、失敗もしなかった)
女性に対しても、同じだ。
好意を向けられたら、
どう振る舞えばいいか
分からない。
拒絶する理由も、
受け取る理由も、
用意されていない。
(……考えたこと、なかったな)
嫌いじゃない。怖くもない。
ただ、
”考える前に順番が回ってこなかった”
仕事。
期待。
役割。
それらが、常に先にあった。
「……今さら、何を話せばいいんだろうな」
独り言。
答えは、
出ない。
でも。
(……分からない、って気づけたのは)
少しだけ、前進だった。
ノックの音。
「……兄さん?」
ノアだ。
「今、いい?」
「……ああ」
ノアは、部屋を見回して言った。
「……静かだね」
「……休日らしい」
「それ、初めて聞いた」
悠馬は、苦笑した。
「……僕、休日に誰かと会う発想がなかった」
ノアは、
一瞬考えてから言う。
「……でしょうね」
即答。
「……ひどくないか」
「いや」
ノアは、肩をすくめる。
「兄さん、役割のない関係を
持つ余裕、なかっただけだよ」
悠馬は、
ソファに深くもたれた。
「……今、その余裕、あるのか?」
ノアは、少しだけ考えてから答えた。
「……作ろうとしてる」
その言葉に、悠馬は目を閉じた。
(……そうか)
今まで、空白だった場所。
そこに、ようやく目が向いた。
「有能嫁計画」は、まだ動いている。
だが、それとは別に。
『悠馬自身の“プライベート”が、
初めて輪郭を持ち始めていた。』
30年近く生きてきて友達がいないことに気が付く遊馬君哀れ(酷)
AIアシスト作品です。
対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。
前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。
一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。




