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佐伯悠馬の恋愛事情  作者: 雪森蓮


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第二部 第十三話 ~終盤前:二度目のフランス、不可抗力~

裏設定的な話。悠馬君の言語能力

悠馬君は5歳でイギリスに強制連行?されてそれ以来大人になるまで日本には行っていません。

両親は日本人なのでなるべくそこで使うようにしていましたが、5歳=言語の臨界期ど真ん中のためおそらく思考言語=英語と思われます。仕事の関係上、取引先の言葉はそれなりに使えそうですね。頭よさそうだし。日本語に関しては、仕事日本語は完璧/生活日本語がぎこちないタイプではないかと思われます。

その日は、本当に何も予定がなかった。

会議はすべて終わり、

残るのは帰国までの調整だけ。


ノアは、珍しく別件で外に出ている。


(……静かだ)


ホテルの部屋で、悠馬はコートを手に取った。


(少し、歩こう)


昨日の散歩が、思いのほか悪くなかった。

誰にも見られず、誰にも説明せず、

役割を持たない時間。


(……あれは、逃げじゃなかった)


今日は、ほんの少しだけその続きをやりたかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


街は、

夕方に向かう時間帯だった。


観光客も、学生も、仕事帰りの人もいる。


悠馬は、完全に“溶けて”いた。


スーツではない。

名刺もない。

資料もない。


ただの、

ちょっと細身の、少し無表情な青年。


(……今の僕、どう見えてるんだろうな)



周囲から見れば、

『留学生か、長期滞在者』


実際、その通りだった。


ふと、目に留まる看板があった。


――日本コミック専門店。


(……こんなところに)


吸い寄せられるように、店に入る。


見覚えのあるような、ないような本。


日本語が、視界に戻ってくる。


(……へえ)


言葉ではない何かが、少しだけ緩んだ。


棚を眺めていると、声がかかる。


「日本の方ですか?」


振り向くと、若い女性だった。


留学生だろう。

フランス語に、

日本語のイントネーションが混じっている。


「……はい」


短く答える。


「珍しいですね。この店、日本人はあまり来なくて」


(……そうか)


会話は、自然だった。


作品の話。好きなジャンル。どこから来たか。


「留学ですか?」


(……近い)


「……仕事で」


それだけ。


その声を聞きつけたのか、

もう一人、

また一人と

人が集まる。


「日本語、すごくきれいですね」


「発音、全然違う」


(……留学生扱いだ)


誰も、責任者だとは思っていない。


誰も、評価しようとしていない。


ただ、

”日本から来た人”

として見ている。


それが、危険だと悠馬は分かっていた。


(……前も、こんな感じで……)


だが。


今回は、違った。

距離が近づく前に、一歩引ける。


「……すみません」


柔らかく言う。


「今日は、長くはいられなくて」


驚きは、あった。

だが、引き止められない。


「また、来てください」


その言葉に、曖昧に頷く。


店を出る。


夕暮れの空気が、

ひんやりと頬に触れた。


(……また、来たな)


二度目のモテ期。(なのか?)


だが今回は、飲み込まれていない。


逃げてもいない。


(……僕、ちゃんと線を引けてる)


胸の奥で、静かな確認が行われる。

これは、誰かが仕組んだ場じゃない。


評価でもない。

試験でもない。


ただの、偶然。


だからこそ。


(……ここで踏み込まないって

 選べたのは……)


“成長”という言葉を、悠馬は使わなかった。

ただ、”違う自分がいた”という事実だけが残る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


ホテルに戻ると、ノアが先に戻っていた。


「……散歩?」


「ああ」


「顔、少し楽そう」


「……そうか」


ノアは、それ以上聞かなかった。

その沈黙が、心地よい。


その頃。


遠く離れた場所で、

エドワード・ハミルトンは

何も知らなかった。


いや、

”知る必要がなかった”。


これは、彼の用意した

レッスンではない。


だからこそ、価値がある。



AIアシスト作品です。

対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。

前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。

一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。


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