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佐伯悠馬の恋愛事情  作者: 雪森蓮


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第二部 第十一話 ~7日目:それでも、また来たと思ってしまう~

気が付いたら2月になってた。つい数日前にクリスマスだったはずなのに・・・

七日目。


朝の空気は、少しだけ軽かった。


(……今日は、予定が少ない)


会議は一本。

午後は資料整理。夜は空いている。


(珍しいな)


そんな日は、だいたい碌なことが起きない。

午前の会議は、問題なく終わった。


数字も、

条件も、

昨日までで固まっている。


(……仕事としては、終盤だ)


廊下を歩いていると、声をかけられた。


「佐伯さん」


振り向く。


見覚えのある顔だった。

でも、

“刺客”の雰囲気はない。


年齢は近い。

話し方も、自然。

距離感も、適切。


「少し、お話してもいいですか?」


(……またか?)


そう思ってしまった自分に、悠馬は内心で眉をひそめた。


(違う。今のは、勝手な反射だ)


「はい」


応じる。


二人で、建物の外に出る。

昼下がりの風。人通りもある。


(……完全に、安全な状況)


「今回のプロジェクト、とても勉強になりました」


仕事の話。


「判断が早くて、説明も明確で」


評価。


(……普通だ)


「正直に言うと」


彼女は、少しだけ笑った。


「エドワードの紹介だと、もっと“固い人”を

 想像していました」


(……叔父上経由か)


「でも、全然違いました」


「……そうですか」


「一緒に仕事をして、対等だな、と」


その言葉で、悠馬ははっきり気づいた。


(……この人、何も仕掛けてない)


駆け引きも、

誘導も、

評価目的でもない。


ただ、

”同じ場で仕事をした相手”として、話している。


それでも。


(……また来た、と思ってしまった)


自分の中の過剰反応に、気づいてしまう。


(……これは、俺の問題だ)


「……すみません」


悠馬は、少しだけ間を置いて言った。


「今、変な顔してましたね」


相手は、少し驚いてから、笑った。


「してました」


即答。


「考えごとをしている顔」


(眉間……)


「……最近、よく言われます」


本音だった。


彼女は、それ以上踏み込まなかった。

そこが、決定的に違った。


「今日は、これで、、、」


そう言って、一歩引く。


「また、仕事でご一緒できたら」


それだけ。

去り際も、綺麗だった。


悠馬は、その背中を見送りながら、

静かに思った。


(……これは、刺客じゃない)


(でも……)


(俺は、全部を“同じもの”として見始めている)


それは、危険な兆候だった。


ーーーーーーーーーーーーー

夜。


ホテルのラウンジ。


ノアと、軽く話す。


「……今日、変なの来た?」


ノアの言い方が、少し変わっている。


「いや」


悠馬は、正直に答えた。


「刺客じゃない」


「……じゃあ?」


「普通に、仕事の相手」


ノアは、一瞬考えてから言った。


「……それが一番、父上の想定外かも」


悠馬は、小さく頷いた。


「俺も、そう思う」


「で?」


「……また来た、って思った」


ノアは、はっとする。


「それ、自分で気づいた?」


「ああ」


「……それ、大事だよ」


ノアは、珍しく真剣な顔をした。


「父上は、“場”と“人”を用意するけど」


「受け取り方までは、操作できない」


悠馬は、その言葉を噛みしめた。


(……確かに)


「兄さん」


ノアは、少しだけ声を落とす。


「今の兄さんは、“誰が来たか”じゃなくて」


「“自分がどう感じたか”を見始めてる」


悠馬は、ゆっくりと息を吐いた。


「……また、眉間にしわ、寄ってるか?」


「うん」


即答。


「でも」


ノアは、小さく笑った。


「今日は、考えてる顔だ」


その頃。


遠く離れた場所で、

エドワード・ハミルトンは

短い報告を受け取っていた。


――7日目

――想定外の接触:発生

――介入なし

――本人、自覚あり


「……ほう」


紅茶を置く。


「それは、私の用意した “レッスン”ではないな」


少しだけ、楽しそうに笑う。


「だが……」


視線を落とす。


「”一番、大事な段階だ”」


その頃、悠馬はまだ知らない。


“刺客ではない相手”が現れた時、

『逃げるか、選ぶか、立ち止まるか』

――そのどれを選ぶかが、

本当の分岐点になるということを。



AIアシスト作品です。

対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。

前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。

一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。


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