第二部 第五話 ~翌日、会議本番~
僕、コミカル書くの苦手なのかもしれないって思うこの頃。(今更)
翌朝。
会議室は、まだ静かだった。
大きなテーブル。
整えられた資料。
水のグラス。
(……仕事だ)
佐伯悠馬は、深く息を吸った。
レセプションは社交。昨日は“場”だった。
今日は違う。”今日は本番だ。”
(ここなら、大丈夫)
そう思った瞬間、ドアが開く。
取引先のメンバーが、次々と入ってくる。
笑顔。
挨拶。
そして――
視線が、まずノアに向く。
(……またか)
ノアは、相変わらず自然体だ。
「Bonjour」
軽く手を上げ、気さくに応じる。
「昨日は、ありがとうございました」
その一言で、空気が和らぐ。
(……ノア、場作りが上手すぎる)
席に着く。
配置は、自然と決まった。
――ノアが、中央寄り。
――悠馬は、少し横。
(……いや、逆だろ)
誰も、悪気はない。
ただ、“見た目と空気”で決まってしまっただけだ。
会議が始まる。
最初の説明は、取引先側。
進行役の男性が、ノアに向かって言う。
「では、今回の方針について、お聞かせいただけますか」
――来た。
一瞬、悠馬の胃が反応する。
だが、ノアは迷わなかった。
「いいえ」
はっきりと。
「”こちらが責任者です”」
言って、悠馬を見る。
(……また言う)
会議室の視線が、一斉に集まる。
進行役は、一瞬だけ驚き、すぐに表情を整えた。
「……失礼しました」
悠馬は、静かに頷き、口を開く。
「佐伯です」
声は落ち着いていた。
「本件については、こちらで判断します」
短い。余計な前置きはない。
資料を開き、必要な点だけを示す。
数字。
条件。
スケジュール。
一つ一つ、淡々と。
会議室の空気が、少しずつ変わる。
「……判断が早い」
「話が明確だ」
そんな小声が、端の方から聞こえた。
(……よし)
悠馬は、内心でだけ頷く。
(仕事なら、主導権は取れる)
しかし。質問が飛ぶ。
「では、その判断の背景は?」
悠馬が答えようとした、その瞬間。
「兄は――」
ノアの声。
(……来るな)
「現場の負担を一番気にする人で」
(やめろ)
「だから、数字だけじゃなくて」
(今は仕事の話だ)
悠馬は、視線だけで制した。
ノアは、はっとして口を閉じる。
(……通じた)
だが、遅かった。
会議室の数名が、小さく笑った。
悪意ではない。
むしろ、
好意的なものだ。
「なるほど」
進行役が、穏やかに言う。
「そういう関係性なのですね」
(……“そういう”って何だ)
「責任者と、よく理解している方」
(理解しすぎているんだ)
会議は、そのまま進んだ。
結論は、悪くない。
むしろ、前向きだ。
「本日の内容で、こちらも進めましょう」
拍子木のように、話が締まる。
――仕事としては、成功。
会議室を出たあと。ノアが、小さく言った。
「……ごめん」
「……次は、黙ってて」
「うん」
素直な返事。
だが、悠馬は知っている。
(“黙る”が、一番難しい)
廊下を歩きながら、悠馬は思った。
(主導権は、取れている)
(でも……)
(”注目も、倍になっている”)
その頃。
遠く離れた場所で、一人の男が
同じ報告を読んでいた。
――会議、問題なし
――責任者確認済み
――同行者の存在、効果大
「……ふむ」
エドワード・ハミルトンは、静かに笑った。
「やはり、“誤認”は修正された方が、強く残る」
紅茶を一口。
「次は……少し、選択を迫るか」
その頃、悠馬はまだ知らない。
次の“教育”が、”仕事と私生活の境界を
さらに曖昧にする”ものだということを。
AIアシスト作品です。
対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。
前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。
一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。




