幕間 ~ノア・ハミルトンは胃が痛い~
頑張れノア君の回
悠馬がいなくなった翌日。
ノアの机の上に、山が生まれていた。
正確には、「書類の山」だった。
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「……何これ」
ノアは呟いた。
誰も答えない。
答えは目の前にある。
全部、兄さんが処理していたやつだ。
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一枚。
「決裁」
一枚。
「会議資料」
一枚。
「出張計画書」
一枚。
「佐伯さん確認済み」
その文字が、やけに眩しい。
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「確認済みって何だよ……」
ノアは震える声で言った。
「確認する人がいないんだよ……」
電話が鳴る。
ノアは反射で取った。
「はい、ハミルトンです」
『ノア様、こちら広報ですが』
「はい」
『噂が再燃しておりまして』
「噂」
『佐伯様が結婚相手を探している件で』
ノアは静かに受話器を置きかけた。
「……兄さんは探してません」
『でも世間が』
「世間が勝手に決めるのやめろ!!」
叫んでから、咳払いした。
「失礼。続けてください」
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チャットが鳴る。
会議の招集。
チャットが鳴る。
別部署から質問。
チャットが鳴る。
「佐伯さん不在ですがどうしますか」
ノアは返信した。
「僕がやります」
送信した瞬間、後悔した。
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会議室。誰かが言う。
「佐伯さんは?」
ノアは笑顔を作った。
「視察です」
「視察?」
「一か月」
「一か月!?」
全員がざわついた。
ノアの心もざわついた。
(僕もざわついてる)
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昼休み。
ノアは胃薬を取り出した。
飲もうとした瞬間。
秘書が来た。
「ノア様、こちらも」
追加の山。
ノアは胃薬を握り潰しそうになった。
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夕方。
エドワードから電話が来た。
ノアは出た。
「はい」
『ノア』
低い声。
胃が鳴る。
「はい」
『悠馬はどうしている』
「アメリカです」
『……ほう』
一拍。
『有能嫁作戦が進んでいるな』
「進んでません!!!」
ノアは叫んだ。
沈黙。
『ノア』
「……はい」
『叫ぶな』
「……すみません」
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電話が切れる。
ノアは机に突っ伏した。
(兄さん)
(兄さん、これを)
(毎日)
(通常運転で)
(やってたのか)
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ノアは顔を上げた。
そして小さく呟いた。
「兄さんやっぱ……人間じゃねぇ……」
その瞬間。
またチャットが鳴った。
「佐伯さん案件、至急です」
ノアは笑った。
笑うしかなかった。
AIアシスト作品です。
対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。
前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。
一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。




