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第6話 少女は書き換わる 【砕かれた光輪 4】

第6話ログインありがとうございます。


このふたりの絆がどう築かれていくのか、先行する他社サイトでは現在☆397の評価をいただく、その重要な起点のエピソードです。


これからの数話は一気に伏線が繋がります。


他社サイト☆397はダテじゃないです!面白いのでぜひイイネ!とレビュー応援お願いいたします!


イラストちゃんとお話やキャラに合わせるのめちゃ大変なので、応援いただけるとコツコツがんばれます!


   モブ子「師匠さま、お手先を気にしないで…大丈夫。第一のチャクラがこの手の下で静かに回り始めてる…。わたしの阿頼耶式データを再起動してくれた貴方さまに【不適切】なリソースがほぼないこともじかに…伝わってくる……」


 うさこ「きゅっ、モブ子さんから継続OKの意志確認もできましたねっ!クールそうで優しい子ですこのコ!」


 …よ、よかった。オレも目覚めたばかりでどうやって助ける気なのか困惑していたけど、たしかに【チャクラ】も密教やヒンドゥー教の概念だ。

 それを中核にした神性成長システムを持つMMO世界なら、

 同様に仏教概念世界の【光輪】を失った少女を極端に変化させず書き換えて、

 生存させることが可能という判断みたいだ!


 うさこ「師匠くんの理解が早くて助かります。

 さらに言えば、上位世界からの冒険者である【師匠】というジョブは、弟子の【チャクラ】を動かす力添えができる。この儀式はそういう重要な仕組みですっ」


 となると、この先あと6個の神性解放をオレは手伝うことになるのだろうか。

 空間UIチェックしてしっかり把握しなくちゃ…

 オレがぐるぐると想像巡らせていると、メイドうさぎが見透かしてニマニマしだした。

 モブ子さんを救うためとはいえ、このメイドうさぎのコにずっと見ていられるのは恥ずかしい状況すぎてツライよ!


 うさこ「緊急時に恥ずかしいことなどないです。師匠くんの意志力、故郷を失った修行生に対する深い共感、その数々の選択がウチの理解とサポートで上位世界にも正しく伝わるはず。

 しかし神性なイベントそのものは暗転で配慮されている。

 そのアンビバレントな状態がとってもイイのではないですか!眼鏡かけたメイドうさぎ美少女がモデレーターの癖コンテンツじゃないですかっ!」


   メイドうさぎは早口でメタい小理屈を述べ終わると、ふっと表情を高品質で柔和なスタイルに変えてモブ子さんにやさしく語りかける。


 うさこ「モブ子さん、これから紅葉世界の阿頼耶式データの一部を失いますが、貴女という存在は継続され、このお若い師匠さまの一番目の弟子として再誕生いたします。さあがんばるのです!」


 モブ子「はい…うさこさま、そして師匠さま」


 オレの膝の上で彼女はわずかにみじろぎしてその意志を告げようとする。


挿絵(By みてみん)


 モブ子「お二人の思いに答えたい…私は非力なモブの修行生にしかすぎないはずでした。それでも、師匠さまとともに今ここに在る量子のご縁に、新しい神性の導きを感じるのです」


 クールな所作が信条らしいモブ子さんが精一杯の胸中を言葉にして、再び自身の更新に集中すべく体を預けてきた。


 モブ子「目覚めて早々、弟子らしく務められないのは不覚です…しかしどうかこのままの姿勢をお許しください…」


「お互いに非常時だ、なるべく気にしないで」


 オレのほうが、彼女が動くたびにとっても感触を気にするのだが、師匠としての修行の一部だ。


 モブ子「私は…師匠さまと、深く繋がって、満たされた感覚がある……あっ」


 …モブ子さんが小さくあっとつぶやくと、また前髪の隙間からクールそうな瞳が一気に潤んでオレを見つめていた。


   彼女はオレの目をじっと見つめて、少しずつ紅潮していく。


 モブ子「なっ、なんでもないです…」


 うさこ「大きな更新データが実行されました…少しずつ違う存在に移行しつつあるのです。

 きゅっ、モブ子さん恐れず受け止めてください」


   メイドうさぎの言葉に、モブ子さんは自身の光輪を失い、さらにいま消えゆく自分の一部分を自覚し、少し刹那げな表情をみせて頷く。


   彼女は紅潮したまま跳ねるように体を起こし、オレの両肩に手を回し膝の上でしがみつく姿勢をとった。


   彼女はオレの耳元で囁く、


 モブ子「師匠さま、私が書き変わっていきます…お分かりになりますか?」


挿絵(By みてみん)


 彼女は掠れた声でそう告げた。そして変化をともに感じることを願っている。きっと。


 ガタタン…ガタタン…


 闇の森が続くなか、静かな列車の走行音と振動、そしてモブ子さんの切ない呼気に混じって別の規則的なリズムが加わり始めた。


 ガタタン…ガタタン…


 闇の森が続くなか、静かな列車の走行音と振動、そしてモブ子さんの切ない呼気に混じって別の規則的なリズムが加わり始めた。



(のっのっのっ)


 なんだろうこの効果音は。


(そそそそ)


   もう一つの方は衣擦れのようだ。


(のっのっのっ)


(そそそそ)


   この2つの音が繰り返されていく。


(のっのっのっ)


(そそっそそっ)


(のっのっのっ)


(そそ…そそ…)


 するとモブ子さんの第1チャクラの位置に集まる光の粒子もさらに加速していく!


 待ってくれ、これではまるで……(表示される選択肢の片方を選ぶ)


 えっと、


 これはとても神気が満ちていく状態だ…。(通りそうな方を選んだ)


   神性な儀式イベントなのに、オレが妙な勘違い、上位世界が勘違いするみだらな解釈をしてはダメだ!!!ダメ絶対!!!!!!(※1)


 うさこ「きゅっ、そうですよ師匠くん!いまは画面が暗転して、絆を深め合うモブ子さんの重要イベントですっ!

 師匠くんもよく見たらパーツ整った男子なのだし、かなりがんばって配慮してる男子だし、んっ?まさか、モブ子さん視点で見るとこれは乙女ゲー展開なのですかっ!?その師匠ガチャが期間限定SSRなのですかっ!?ひゃあ!なんてことでしょう!(大興奮)メイドうさぎでもヒトの当たりは悔しいっ、それでも師匠くん視点では、ウチはいまのところ第2ヒロインのポジ。これはこの先のルート分岐が楽しみということですっ」(うさぎのダンス)


 なんかかわいい声でメイドうさぎが夢にダイブしだしたようだけど、追手もいるんだよね?


 うさこ「ピタッ、たしかにそうです。【聖者の森】に無事に着くため、モブ子さんのアプデさらに本気でいきましょう。チャクラの回転をあげ、複雑なシステムを直接移行するこの駅弁Body positionががが…コホン、とっても神性な概念が最速です!

 ただし、緊急措置で弟子と師匠のふたりを救助し、更にレベルゼロから開始するなんて特殊事例です。暴発事故にマジ注意してくださいっ!特に男子は素数数えるとよいらしいです!」


 オレが素数を数えだすなか、(2,3.5,7…)


 密着しているモブ子さんもがんばってクールそうな表情で真剣に聞いている。


  しかしふたたび頬がどんどん紅潮しだしたぞ。


 彼女の鼓動が早くなっていくのが直に伝わってくる。


 メイドうさぎさんが難解な成長システムの説明を妙なテンションで続けるなか、師匠というプレイヤー概念のオレにもはっきりとした自覚ができてきた。


 この唯一紅葉世界を脱出できたらしい少女が、この先の世界で生きていくのに必要な新しい神性を手に入れること。


 オレがいまその力になれるというならなんでもしよう。

 それは絶対的に【師匠】としての本懐だ!(…101、え〜と103…107…)




 次回に つづく


 ───────────────


 この砕かれた光輪編は個人的に大好きなプロローグなので、たまに読み返しています。



6話へのログインありがとうございます。


この砕かれた光輪編は、個人的に大好きなプロローグなので、たまに読み返しています。


このあと的もでてきて、バトルシーンのヒロインがとても力をいれているので、ぜひ楽しみにしてください。


この作品のタグに乙女ゲーと入っているのはネタではないです!


師匠くんもモブ子さんも、とてもがんばるキャラに育っていきますよ!


どうか、ふたりの成長を見届けてください!



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