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第二幕.決闘場


 それから10年の時が経った。俺は成人をして17歳となり九尾の扱い方にもだいぶ慣れてきた。そんな今日、村内最強を決める決闘が行われるらしい。俺は忌々しいことに幼なじみに勝手に申し込まれていた。争いごとを好まないため正直決闘には乗り気ではないが申し込まれてしまったからには本気でやるしかない。もちろんやるからには優勝を目指して頑張るぞ!

「えーと初戦はと…げ、あいつかよ…俺あいつ苦手なんだよなぁ」

 俺の初戦の相手は村一のいじめっ子である"ダリウスウィーター"になった。むろん同い年である。なんと彼はここの領主様の甥っ子にあたる為これまで何度も権力で自分にとって都合の悪いことはもみ消してきた。

「はぁ…めんどくさい相手だなぁ」

『主なら余裕であろう?この程度の相手、妾が具現化せずとも倒せるわ。火の術で倒してしまえ。』

「倒したらそれはそれで問題になりそうだけどな。まさか弱いなんてことはないだろうし」


 1時間後……


「えぇ…弱すぎんか…」

【勝者カエデミコト!】

 そうアナウンスがあり、会場がざわついた。まさか領主の甥っ子が負けるとは思っていなかったのだろう。

「これだけの人が見てんだ。もみ消すなんぞ不可能だぞ」

「うるせぇ!覚悟しとけよ…」

 そう言い、睨みながら会場を後にした。

「覚悟ってのは戦う前にしないと意味ないんだよー!」

「あぁ?!てめぇ絶対殺してやる!」

 なんか怒っちゃった。変なこと言ったかな。

『主よ。ナチュラルに煽るのはやめなされ。敵を作るだけぞ。』

 イズナにそう言われ謎が深まった。

 その後、順調に俺はトーナメントを勝ち進んで行った。そして決勝までやってきた。

「決勝の相手はと…うげ、ゼファーかよ…」

『主よ知っているのか?』

「知ってるも何も、俺が九尾の能力を得たと知ったら急に俺をライバル視して来たんだよ…幼なじみでもあるしな。」

「その幼なじみが相手じゃだめかなのかい?」

 振り向くとそこには黄色い髪の毛で優しそうな顔立ちをした青年が立っていた。

「いいや、むしろ決勝でゼファーに当たれて良かったと思うよ。……どれだけ強くなったか分からんから渋い顔しただけだしね…」

「なにか言ったかい?」

「別に特に言ってねぇよ」

「そうか、楽しい勝負をしようね」

 そう笑顔を残しゼファーは去っていった。

「あいつ女受けいいから、俺が勝つとブーイングすごそうだな…そういやイズナ、さっきから静かだけどどうした?」

『主よ…気をつけろ。アヤツの使役している妖は雷獣の中でも祖に近いとされるサーベルの種族じゃ。雰囲気がそこんじょそこらの獣の類ではない。』

「ゼファー、いつの間にそんなやつを…勝てるか?」

『油断しなければな』

 雷獣か…そういえば伝承上の五英妖にも雷を使う妖怪がいたらしいけど、まさかな。

『主よアヤツはそう簡単には人に仕えはしないはずじゃ、恐らく大丈夫だと思うぞ。』

「油断するなと言ったのはそちらだろ。警戒はしとくよ。」

 そう思い、俺は会場に足を運ぶことにした。

 それから2時間が経ち…

「さぁ!この5日間にも及ぶ決闘の舞台!いよいよ今日が決勝ということになりました!一体、村一の最強の称号はどちらにつくのか!では!さっそく決勝で闘う戦士の紹介をしましょう!まずは1人目!その整った顔立ちで数多の女性を虜にしてきた。実力も折り紙付き、村長の孫!ゼファーストラード!」

「きゃー!ゼファー様ー!」「かっこいいわー!」

「みんな!応援よろしく!」

「さぁ続いて2人目の紹介です!九尾の使い魔であり!村一の実力者であると言われているこの男!カエデミコト!」

「よっしゃー!ミコト勝てよー!」「がんばれー!ミコトー!」

「さぁむさ苦しい男どもの声援を受け闘っていただきましょう!」

「俺も女性からの歓声が欲しいよぉぉ」

『主よ嘆いても現実は変わらない。諦めなされ』

「やかましい!」

「ミコト!」

 ゼファーが話しかけてきた。

「ボクは君と闘えて嬉しいよ!村一の実力を持つと言われる君の実力を見せて欲しい!」

「もちろんそのつもりだ。全力で行かせてもらう!」

「さぁ両者出そろった所で早速始めていきましょう!では決勝戦!開始!!」


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