序章1
その昔、正しい心を持つ妖怪5体が悪しき王を倒そうと大陸の西方にある大森林に向かった。
妖怪達は束になり悪しき王をじわじわと追い詰めていった。しかし、あと一歩のところで5体のうち3体の妖怪が倒れてしまった。残った2体では王を倒すことは不可能であった。そこで残った2体は王を封印することとした。無事に封印をすることはできたものの妖怪達はその力を著しく失った。
そこで妖怪達は人間にとりつき、王の封印が解けてしまった時のために人間を鍛えることにした。そうしてこの世にはびこる妖怪達に人間と盟約を結ぶことを常とさせた。妖怪2体は代表をしてその時の大陸の国王と契を結び、妖怪達からは自分たち5体の力は時が来るまでは誰にも与えないこと、国王からは妖怪達が人間の生活に危害を与えず人の要求には基本的に従うことを条件に人間にこの世の統治を任せた。自分達に力がないことが分かっていたため、自らを休めることを目的に統治を委託したのである。そうして人間による統治が始まった。…しかし、人間という生き物は欲が深い生き物である。どうなるかは目に見えて明らかであった。しかし妖怪達はいずれ生まれてくる善人を信じ、人間の要求をこなしていく他なかった。