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拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

カリーナ様とはなかなか会うことが出来なくなり寂しくなった今日この頃。


お父さまから呼び出された。

お父さまからの執務室に行くと、お母さまもいらっしゃり、ソファに腰をかけるよう言われた。

お父さまが言いづらそうに私に話しかけた。


「レオナに縁談の話が来ている。友達も出来たばかりでまだまだ人見知りは良くなっていないが、この方であれば話が出来るのではないか?」


「私がお話が出来るのはカリーナ様だけですわ。他に話が出来る方は家族以外誰もおりません。縁談のお相手は誰でしょうか?」


「申し入れをしてきたのは公爵令息のアラン・シュワルツ様だ。前に王宮でのお茶会で話したと言っていたな。」


「お話はしたことがございましたが、カリーナ様と一緒でしか話したことはございません。」


「そうか。レオナはどうしたい?断ることは難しいが、レオナがどうしても嫌であればなんとかしたいと思うが…」


「アラン様とお会いしてお話をしてみたいです。その後で決めてもよろしいでしょうか?」


「わかった。公爵家にはそのように伝えよう。」


数日後。

公爵家よりご招待を受けてタウンハウスへ伺うことになった。

私はお父さまとお母さまと一緒に向かう馬車の中で疑問に思っていることを聞いた。


「アラン様はカリーナ様のことが好きなのだと思っておりましたが?」


「そのような噂は聞いていたが、縁談を持ちかけたということはそうではなかったのであろう。」


そう言うお父さまの言葉に納得できないけれど、まずはお会いして話してみようと決めていた。


アラン様のタウンハウスもカリーナ様同様、我が家の2倍はありそうな広さで、こんな立派なおうちから縁談の申し入れがあったかと思うと不安でいっぱいになった。


公爵家に到着すると、執事が出迎えてくれて案内してくれた。


久しぶりにお会いしたアラン様は少し拗ねたような頬を赤くした顔だったので何かあったのかと思った。

改めて縁談の申し入れを受けて、よく聞くあとは2人で…ということで中庭に向かった。

初めてアラン様と2人っきり。

また人見知りが発動してしまって話しかけることができず、アラン様からも話しかけてもらえないまま無言で中庭を2人で歩いた。

アラン様の歩くペースが早くて少し早足になる私。

それに気付かず歩くアラン様。

何か話しをしなければと思うけれど歩くペースを合わせるだけで精一杯になっていた。

急いだあまり転んでしまった私を、慌てて起こしてくれアラン様。

「怪我をさせてしまってすまない。大丈夫かい?」

私よりも泣きそうな顔になっているアラン様を見たら、何も言えなくて「大丈夫です。少し擦りむいただけですから」とだけ伝えた。


「でもお父さまとお母さまに見つかったら大変なのでこれは私が余所見をしていて転んだと言いますからアラン様は何もおっしゃらないでくださいね。」


「本当にごめん。君に傷を付けてしまうなんて…」


「これはすぐ治るので気になさらないでください。」


その後は2人横に並んで何も話さずアラン様と手を繋いで歩いた。


公爵さまからは「アランの中庭のご案内は楽しかったかい?」と聞かれ、「はい」以外に答えることが出来ず困ってしまった。


公爵家を後にして馬車に乗った後、お父さまにどうだったか聞かれ、「何も話していないから何もわからない」と答えてとても驚かれた。

「やっぱり私じゃなくていいと思う」という話をしてお断りをして欲しいと話をしたが、お父さまからは「もう少し会って話してみてからでもいいんじゃないか」と言われて様子を見ることになった。


我が家に戻った後、侍女に傷が見つかり、一悶着になりそうだったことはアラン様にはヒミツだ。


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