③
拙い文章を読んでいただきありがとうございます。
楽しかったお茶会から数日後。
ダニエルお兄さまからカリーナ様が第一王子の王太子妃候補に選ばれたことを聞いた。
カリーナ様にお手紙を書かなければと思っていた時にカリーナ様から今日お会いしたいという先触れがきた。
侍女たちは急いで準備を始め、ガゼボにてお茶会のセッティングをしてカリーナ様を招き入れた。
カリーナ様は我が家にやってきて私に抱きついてきた。
「私、第一王子の王太子妃候補に選ばれたの…」
何故だか伏せた目をしたカリーナ様が心配になり、まずはガゼボに案内をして、お茶の準備をしてもらってから侍女が退席するのを待ち話しかけた。
「カリーナ様は王太子妃候補に選ばれて嬉しいのではないのですか?」
「私には王太子妃は無理よ。小さい頃から公爵令嬢として淑女教育をしてきたけれどそれとは比べらへない程の勉強をしなければならないなんて無理ですわ!」
「断ることは出来ないんでしょうか…?」
「無理ね。お父さまもお母さまもとても名誉なことだとお喜びになられていたわ」
「来年からスクールも始まるのに、淑女教育もなんて…」
ただ聞くことしかできなかった。
心の中でカリーナ様が王太子妃になったら良い国になりそうと勝手に思っていたけれど、カリーナ様が忙しくなってなかなか会えなくなると聞いて寂しくて仕方なかった。だって唯一のおともだちだから。
そんな話をしていたら、カリーナ様から「レオナ様は婚約者はいらっしゃるの?」と聞かれた。
婚約者どころか、おともだちもいない私だったのでお父さまも急いで探してはいなかった。
「スクールに通い、人見知りが良くなってから探す」という話をしていることを伝えた。
カリーナ様は小声で何か話したが何をおっしゃったかわからなかったので特に何も聞かずにその場はお菓子の話や街のお店の話をして過ごした。