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9 アレン、依頼を受けます。

「合格者だけギルドに来てくれ!では解散!」


 グレンさんがそう言うと受験者が一斉に動き出した。そして俺は合格したのでギルドへと向かう。


 史上初なのに準備が早いな。


「アレンさん、合格おめでとうございます!」


「ありがとう」


 そう元気に俺の合格を祝してくれたのはまだギルドに慣れていない俺と同い年くらいの女の子だった。名札にはエレナと書かれている。


 エレナさんの手には俺のギルドカードらしきものがあった。


「アレンさんはギルド自体が初めてということを伺っておりますのでギルドの説明からさせていただきますね」


 そう言ってエレナさんはギルドについて書かれてある紙を机の引き出しから取り出した。


 その紙には三角形が書かれており、下から白等級、青等級、赤等級、黄等級、緑等級、銀等級、金等級、上級勇者、特級勇者となっている。


「まず、ギルドは等級というものがありまして、冒険者さんが受けられる依頼は一個上の等級のものまでとなります。ちなみに、上級勇者は今の世界でたった10人。また特級勇者は今の世界でたった1人となっています!」


 なるほど。それほど強いものなのか。


「それで、この等級は依頼を成功させるほど上がっていきます!難しい依頼に成功するほど早くランクアップしていきます!」


 なるほどな。つまり今の俺は赤等級の依頼をいっぱい受けて達成すれば等級を早く上げれるってことだな。兵士をしていたとはいえ慎重にいきたいな。


「また、討伐依頼を受けなくても討伐魔物の部位を持ってきていただければこちらから報酬を差し上げる場合がございます。等級依頼を受ける際には十分注意してくださいね。毎年自分に合わない依頼を受けて亡くなっている冒険者の方がたくさんいらっしゃいますので……」


 そう言ってエレナさんはすこししょんぼりとした。……なんか犬みたいで可愛いな。


 まぁ無理は良くないな。慎重にいこう。


「ギルドについての説明は以上です!また何かお困りでしたら受付の者を呼んでください!では、無理をしない程度に頑張ってください!」


 そう言ってエレナさんがギルドカードを手渡してくれた。そこには俺の名前、レベル、等級、上級剣士や特級魔術師であることが書かれていた。


 ただ、職業欄には魔術師と書かれていた。……捕食者ってマジでいないんだな。


 というわけでギルドに登録できたので依頼を受けてみよう。


 掲示板に依頼の紙が貼ってあるのでここから探す。


「まずは簡単なやつから始めてみよう」


 最初は薬草採取とかから始めてみようかな。自分のレベルにあったものを選ばないと死んでしまうかもだからな。


 簡単そうなやつを探していると良さそうなものがあった。


依頼名:草の伐採


等級:白等級


内容:町の外側で伸びてきている雑草を刈る。


 要は草抜きだな。1番安全なものだ。

 

 俺はその紙を剥がして受付のところへ持って行った。


「この依頼を受けたいんだが」


 そう言って紙を渡すとエレナが驚いた表情を見せた。


「え!?アレンさん大丈夫なんですか!?」


「え……?なにがだ?」


「いやだって!今日徹夜の試験を終えたばかりじゃないですか!」


 ああ、そういうことか。


 あの兵士時代の夜中も戦闘なんてことではなかったから余裕なんだが。


「徹夜には慣れているし、昔はこれよりハードなことをしていたから大丈夫だ」


「これよりハードって……どんな環境で育ったんですか?」


「別に普通だ」


 そう言うとエレナさんはため息をついた。俺何か変なことを言っただろうか。


「わかりました。では草を刈り終えたらこの水晶で画像を記録してください」


 そう言ってエレナさんは俺に手のひらサイズの水晶を渡してくれた。


『草ぜーんぶ食べていいのー?』


『美味しかったら食べていいんじゃない?』


 ミニアレンたちはそんなバカなことを言っている。


「これはどっちへ向かえばいいんだ?」


 ギルドを出たはいいがどこにこの草むらがあるのかがわからない。


『左だよー!』


 あーうるさい。耳元で騒ぐな。


 そうしてミニアレンの指示の元、草むらへと向かった。


「ここか……」


 確かに草が多くて鬱陶しい。


「じゃあ久々に使うか」


『わかったー!』


『任せとってー!』


 ミニアレンたちは草むらに広がった。


《暴食スキルが発動します》


 俺の脳内で久々にその声が響いた。


 すると俺の手の中へと草がどんどんと吸われていく。


 俺がそんな感じで草を取っているとミニアレンたちは奥の森へと入って行った。


 できればあまり散らばらないで欲しいんだが……。


『わー!うんちがいっぱいだー!』


『こっちにもあるよー!』


「お前ら変なものを捕食するなよー」


『はーい』


 ……絶対にわかっていない返信だな。


「なぁ、少し散らばりすぎじゃないか?」


 これだけ広範囲に散らばってしまうと俺の管理が行き届かなくなってしまう。


 その時……。


『アレン!魔物が来たー!』


 それだけ言うってことは助けろってことなのかな!


「……わかったよ。感覚共有、アイスロック!」


『アレン!こっちもー!』


「感覚共有、アイスロック!」


『アレン!』


「感覚共有、アイスロック」


『よろー』


「……アイスロック」


 こんな感じでこいつらは人の苦労というものを知らずに育ってしまった。


 最後に関してはなんだ?……まぁいい。


 そうして、俺たちは大量の草を取って森までも綺麗にしてしまったのだ。


「いい仕事したなー」


『うん!おいしかった!』


 会話がカオス。


 ついでに途中で倒した大量の魔物も持って帰る。


「みんないいか?俺の魔力は無限じゃないんだからな?魔物に出会った時はまず隠れるとか自分でやってみてくれ」


『はーい!』


 よし、表面だけのいい返事だ。


「それじゃあ帰るか。みんな同化と合体な」


 そうして俺たちは町に戻った。戻る際に魔物に遭遇したりしたがすぐに倒して捕食してしまった。


 今の俺のステータスはこんな感じだ。


名前:アレン


職業:捕食者


レベル:756


スキル:多すぎて表示できません。


MP:960/2300


HP:3600/3600


 スキル欄は笑えるな。


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