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7 アレン、特待制度を受けます。

「今からの試験内容は各自テントと木の箱を持っていると思うが、テントの中に木の箱を置いてそれを護衛するというものだ」


 なるほど。


 ということはこのテントに仕掛けをしていてもいいってことだな。


 敵が攻めにくい場所を選びたいが、そのような場所はどこだ?そう考えながら俺はテントを張った。


 その時、グレンさんの声が聞こえた。


「これから君たちには明日の朝までその木の箱を守ってもらう!ランダムのタイミングで現役冒険者が君たちの木の箱を奪おうとするからそれを阻止しろ!ただし、武器などは各自が用意しているものを使え!内容によっては試験終わりと告げる参加者もいるかもしれない。そいつはその時点で終了だ」


 なんだ?戦うのは明日の朝までで良いのか?だったら楽勝ではないか。


 俺は兵士の時に2日連続で夜襲を仕掛けたりしていたから1日の、しかも動かないことがほとんどなんて神だ。


「では10分後に試験を開始する!各自それまで準備をしろ!」


 そう言われて他の受験者たちはたき火などの準備をしているが、俺の場合ミニアレンに光魔法を使えば良いのだからそんな必要はない。


「よし、じゃあ散らばれ」


『『『わかったー!』』』


 俺がミニアレンたちにそう言うと、ミニアレンたちは木の上やテントの中など護衛に最適なポジションへと散らばって行った。


 それから10分後。


「では、試験開始!」


 グレンさんの声と共に試験が始まった。よし、冒険者の力見せてもらおうか!


 ……なんて息巻いていた時期もありました。あれから2時間ほど経ったが、冒険者は一向に来ない。


「暇だ……」


 俺はやることがないので筋トレをしておくことにした。兵士時代は1日最低腕立て200回腹筋200回背筋200回スクワッド200回だったのだ。


「……352…、……353…、……354…」


 腕立てをしたが、兵士時代200回できついと思っていたのに300を超えても余裕になっている。何故だろうか。


 俺のステータスに問題が?そう思ってステータスを確認してみた。


 今の俺のステータスはこんな感じだ。


名前:アレン


職業:捕食者


レベル:559


スキル: 光魔法、闇魔法、土魔法、火魔法

    水魔法、雷魔法、風魔法、時空魔     

    法、大魔法、上級格闘技、感覚共

    有、総合格闘術、同化、魔法転送

    上級剣技、総合剣術、能力増加


MP:1600/1600


HP:2900/2900


 こんな感じになっていた。もしかして能力増大というスキルがあるから俺の筋トレがすぐに結果に出る形になっているのか。


 この後に腹筋と背筋、スクワッドをそれぞれ500回やった後に暇になったのでミニアレンたちと話すことにした。


「なー、なんか面白い話とかあるかー?」


 俺は期待もしていないことをミニアレンたちに聞いてみる。


『アレンー!視界共有してみて!面白いものみっけた!』


 俺は期待していない分そんなことを言われて少し驚いた。少しワクワクしながら感覚共有をしてみるとーー


『んね!面白いでしょ!うんちー!』


 目の前には綺麗に三角形になっていた動物が生産者であろううんちがあった。


「お前ら……。これここに落ちてたのか?」


『ううん!おいらのー!』


「……は…?」


 俺は何故か自分?が生み出したうんちを感覚共有までして眺めているのだった。


 言葉が出ない。


「お腹空いたからってそんなもの食べるなよー」


『はーい!』


 さすがにそんなことしないか。


 そもそもあいつらは元はスライムなのになぜ排泄をしているんだ?


 暇だが集中力は決して切れない。まぁ慣れているのが大きいな。


 その時、木の上にいたミニアレンが何か反応した。


『アレン、誰か来たよー』


 俺はすぐにそのミニアレンと感覚共有して見た。するとグレンさんの姿があったのだ。


「もし相手がなにか仕掛けてきそうなら呼んでくれ」


『はーい』


 ミニアレンは各自に考えさせて配置をしている。というか、俺が考えるのが面倒くさいだけなのだが。


 そしてこいつらはかなり優秀だ。こいつらの範囲に一歩でも入ってしまえばすぐに包囲網が完成する。


 その包囲されている現時点での対象はグレンさんだ。グレンさんは無防備で歩いてくる。無防備と言っても、見つからないようにストーキングをするかのように歩いてくる。


 だがこっちには全部見えているのでなんか申し訳ない。


 俺はグレンさんが行くところを先回りした。


「あの、この試験は護衛プラス戦闘っていう解釈で合ってるか?」


 そう言って手から火をだした。グレンさんが隙をついて何かしてこないようにするためだ。


 だがそれは杞憂だったようだ。


「いや、戦闘の要素は一つも含んでいない。それにしても、エルフは小さい頃からこういう訓練を受けているから自信はあったんだがな」


「ただの俺の魔法だよ」


 ここでミニアレンがどうとか言っても訳わからないだろう。


 ミニアレンたちは同化している上に見つかりにくい場所にある。それは誰でも気づかないものだろう。


「そうか、どんな魔法なんだ?」


「それは言えない。捕食者独自としか」


「そうか」


 案外聞き分けがいいな。


「まぁ光魔法で監視網を作っていたんだ。それとプラスでその魔法を使っただけだ」


「なるほど……。光魔法をそんな風に使うやつなんて初めてだな」


「そうなのか?」


「ああ。それにしても、剣や魔法はトップクラスで発想も飛び抜けてるなんて、羨ましいかぎりだ」


 この魔法はかなり良い。グレンさんがそう言うのだから相当上にも通じるかもしれない。


 その時、グレンさんは両手を挙げた。


「降参だ。俺は戻るとするよ」


 そう言ってきた道を戻って行った。


 これで安心はできない。何故ならグレンさんは試験終わりと言っていないからだ。


 引き続きミニアレンたちには頑張ってもらうか。


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