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2 アレン、初めての戦闘です。

ステータスがかなり伸びて新しいスキルが追加された。


「暴食スキルって便利だな……」


 とりあえずスキルを試してみることにした。まぁいきなり大魔法とかをぶっ放して神様に怒られたりしたら嫌だから安全そうなやつを使ってみるか。


「感覚共有で魔法もこいつらに使えるようにできるんじゃ……」


 とりあえず俺は感覚共有を使ってみる。するといきなり目線がちっちゃくなった。


「な、なんだこれは……?」


 どうやらミニアレンの視界という感覚を共有しているようだ。


「とりあえずモンスターとかを仕留めたいな」


 俺のスキルがどこまで通用するのかを試したいと思った。


「よし、みんなついてこい!」


 俺がそう言うとミニアレンたちは一斉に俺の元へと集まってきた。


 言うことを聞いてくれるのはありがたいが……。


「気持ち悪いなこりゃ……」


 それが本音だった。弱そうだし。てか、こいつら元はスライムなわけだよな。


「お前ら、みんなで集まって大きくなったりできないか?」


 そう言うとミニアレンたちは一斉に一箇所に集まって……もう1人のアレンが出来上がった……。


「なんでだよ……」


 まぁそうなるかと納得した。気持ち悪いがこのままでいくか。


「よし、行こう」


 そう言って俺たちは『神の家』を出た。


 俺たちは森の中を歩いていた。少し邪魔だが分離させてミニアレンたちを連れていくことにした、その時、1人のミニアレンが喋った。


『アレン、今からどこいくのー?』


 脳の中に言葉が響いてきた。


「お前、喋れるのか……?」


『うん!』


『僕も喋れるよー!』


『おいらもー!』


『わいもー!』


『わたしもー!』


 あーうるさい!しかも1人性別違うやついなかったか……?それに俺は「おいら」とか「わい」とか言わない。


「なぁ、魔物って近くにいるか?」


 俺がそう言うと、ミニアレンたちは考える素振りを見せた。


『んーわかんない!』


『僕もー!』


『わいもー!』


『おいらもー!』


『わたしもー!』


 ……なぜ「わたし」がいて「俺」がいない?まいっか。


 その時、ミニアレンたちが少しざわめき始めた。


『アレン!逃げて!ドラゴンいるよ!』


《うん!わかった!》


 その時ミニアレンたち全員が返事をした。そうだった、こいつら一応アレンなんだった。


 そう言ってミニアレンたちは逃げようとした。が、遅かった。


『アレン!こっちに来るー!』


 ミニアレンたちは頭を抑えて地震が来た時のような構えをしている。


 その時、近くにあった(俺も含めて)いろんなものが飛ばされる。


 「……え?」


 俺はおそらく頭から遠くの木に激突したはずだが全然痛くも痒くもなかった。


 あれ?俺の体って死んでおかしくなったのか?


 そんなことを考えていると目の前には恐怖という感情を引き出すような恐ろしい姿があった。ドラゴンだ。


 体長は20メートルは余裕で超えている。

これなら俺や木々を吹っ飛ばしたのも納得だな。


 「俺、死ぬかもな……」


 そう呟いた時、ドラゴンが喋った。


「ああ、その通りだ。お前は我が主の家に勝手に入った。それは死よりも重い罪だ。まずは死ね!」


 と言った。その後にドラゴンは口を大きく開けて空に火を吐いて威嚇した。


 確かに魔物を狩ってみたいとは思ったけどこんなでっかいやつ望んでねぇよ。


 だがこれは全力を出せそうだ。


「すまないね。こっちも死にたくないし全力でやらせてもらうよ。力試しということで」


「口が達者だな。そんなのですぐ死んだら笑い物だな」


 と言ってドラゴンは豪快に笑った。


 と言ってもどうするか。火魔法で対抗するか?いや、相手は火を使っている。そんな相手にはおそらく敵わないだろう。水?いや、おそらく威力に欠ける。どうするか……。


 その時、一緒に吹っ飛ばされたミニアレンが1人俺の足元にいた。


『アレン、これ使ってみたら?』


「これってどれーー」


 ミニアレンがそう言った時、俺の頭に『死滅のブリザード』というワードが浮かんだ。


「お前……!」


 俺は驚いてミニアレンを見ると、ウィンクをしながら親指を立てていた。


「やってみますか。よし、……『死滅のブリザード』」


「人間ふぜいの魔法などでこの俺がやられるかぁ!」


 俺がそう言った途端、目の前は豪雪地帯となった。その雪はドラゴンだけではなく周りの木々も巻き込んでいる。


『アレンすごーい!』


『アレンやったー!』


 バラバラになったミニアレンたちはすぐに合流していた。


 幸いミニアレンたちはブリザードに巻き込まれないで済んだ。


「うわぁぁぁ!!」


 豪雪地帯の中からドラゴンの叫び声が聞こえた。


 そして数秒後、木々や草はあっという間に凍ってしまった。もちろんドラゴンも。


 ミニアレンたちは俺の足元でうずくまっている。


「ありがとうな、お前のおかげだ」


『アレンの役に立ててよかったよ!』


 そう言って笑ってくれた。その時、氷が砕ける音がした。ドラゴンの顔の周りを覆っている氷が砕けたのだ。


「な、お前まだ!?」


「……お、俺の負けだ。なんて強さなのだ……お前、本当に人間か……?その強さを、大事にしろよ……な…」


 そう言ってドラゴンと氷は一片たりとも綺麗に砕け散ったのだった。


 あれ?ドラゴンこれで倒したのか……?

まぁ運が良かっただけだろ。


 そう思って俺は移動しようした。だがその瞬間にふらついてしまい、倒れてしまった。


「あれ……?」


『アレン!しっかり!』


『アレン大丈夫?』


「ああ……大丈夫だ」


 原因はすぐにわかった。魔力が0になっている。どうやら『死滅のブリザード』はMPを大量消費するらしい。勉強になります。


 まぁあの神の……弟子?遣い?とやらを一発でやっちゃうくらいだからね。


 HPの欄も見てみたが、結構減っている。残り30しかないのだ。……さっき飛ばされた時に減ったんだろうな。


 ここで改めて自覚した。俺は転生したのだ。あんな兵士Aをやっていた俺が、あんなドラゴンを一発で倒すくらいになったのだ。これはこれで楽しいか。


『アレン何考えてたのー?』


「内緒だよ」


 そう言って俺はウィンクをした。


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