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2月4日

 花街から離れてしまい、山奥からマンションに逃げる途中、蜜仍君が山姥を撃退してくれた。


「お陰で助かった。にしても対戦車ミサイルって、後半花火が打ち上ってて何が起きたか忘れ掛けたわ」

「綺麗でしたよね、ふふふふ」

『にしても気が付いたらどっかに行っちゃうんだもの、ドキドキしたよぉ』

《アナタでも不安になるんですね》


『まぁ、俺も死んだままになるかもだし、そこは真剣だよ』

《なら良いんですが、次は何処へ?》


「それさ、その話をして、悪夢を見て、ちょっと苦手」

《では次回のお楽しみと言う事で》


「すまん、弱くて」

《繊細、ですよ》


「繊細、ね」


 繊細、神経質、ナイーブ、神経剥き出し。

 どうしてもそんなイメージになっちゃうのよね。


【ハナ、すまんが例の問題が想定通りになった、頼めるか】

「おう、迎えに行って良いかね」


【俺が付き添う、浮島で待っててくれ】

「うい」


 大変やな、何とか恐怖症。




 他の神獣持ちの方に、神獣を交換して貰う事に。


『あの、直接お礼を』

「いや、問題無い、じゃあ、息災で」


『はい』


 我儘だって分かってる。

 けど、どうしても。


《合わないのはどうしようも無いですよ、切り替えていきましょう》

『はい、すみません、ありがとうございます』


 一方的に呼ばれたって思ってたけど、だからって我儘を言って良い事にはならない。

 しかも、他の神獣を借りるだなんて、迷惑を掛けて。


《カールラです、宜しくお願いします》

『はい、宜しくお願いします』


《私達にも心は有るので、どうかそう思って接して下さい》

『はい』


 そうだよね、ペットだってきっと悲しむのに、私は拒絶してしまった。

 言われてたのに、心構えだって有ったのに。


《まぁまぁ、切り替えてお勉強を進めましょう》


 そう、何か役割が有って呼ばれたのかも知れないのだから。

 だから、何か見付ける為にも、勉強しないと。




 純潔のリングが有るからって、まぁ、貞操観念がガッチリしてるのは良いと思うけど。

 名前も付けないのは、ちょっと。


「君は、コンスタンティン」


《はい、宜しくお願いします》

「おう、早速だが、家へ帰ろう」


《はい》


 先ずはエナさんに面通しをして、その間にエミールが浮島へ。


『あ』

「お」


 触発されたかの様に生まれた欲張りセットには、パトリックの名が付いた。


「宜しくお願いします」


「じゃあ、服を仕立てに行こうか」

『ですね』




 紫苑さんと共に虚栄心さんのお店へ。


「エナさんです」

『おもきえな』

「あらあらあら、誰の子かしらねぇ」


『いろいろ』

「そう、宜しくね。エミールちゃんも、少し寸法を測らせて頂戴ね?」

『え?』

「うん、お任せしておきなさい」


『はい、宜しくお願いします』

「うんうん、ふふふ」


 そして少し時間が掛るからと、僕と紫苑さんだけで美食さんの店へ行く事に。


『いらっしゃい』


 お重の巨塔を頂いてしまい、折角だからと強欲さんの美術館まで案内して貰い。


『良く来てくれたね、ザッとだけど案内させておくれ』


 今度は強欲さんに案内されながら、美術館を回る事に。


「所有物を展示したら強欲、成程ねぇ」

『まぁ、当時の歴史だ歴史的価値だってモノに興味も教養も無い者が言った戯言だ、僕は全く気にはしていない、が。もう少し理解して貰う努力は必要だったかも知れないと、ほんの少しだけれど思っているよ』


「下限値は下げだしたら止まらなくなりそうだし、コレ位で良いと思うけどなぁ」

『まぁ、分かりたくない奴にまで分かって貰おうとは思わないさ、それこそ強欲、じゃないかい?』


「成程」


 桜木さんは人間にだけ人見知りを発動させるのかと思うと、お店の方々にはそうでも無くて。

 人見知りにも種類が有るのだな、と。


『所で君、絵画を飾る気は無いかい?』

「厄災が終わったらね」


『なら今から描かせよう、どんなのが好きなんだい?』

「向こうでの名前で良い?」


『あぁ、勿論だよ』


 有名な画家の事は知っているけれど、因数分解はイマイチ。

 歴史も地理も知らないけれど、趣味は幅広くて。


「あぁ、コレ綺麗」

「ですけど、題名が水死体って」

『あぁ、コレは睡蓮とオフィーリアの融合作、融合をテーマに、卒業制作用に描かれてる物だね。おいで、サシャ君』


 そしてメンクイで、可愛い物も好き。


《初めまして、どうも》




 観賞用が観賞用を描いてる、不思議。


「とんでもなく可愛いけど、お抱え?」

『いやいや、預かってるんだよ、画商としてね。前は寮に居たのだけれど、そこで少し揉め事が有ってね』


「ほう?」

『まぁ、痴話だよ、婚約破棄で周りが煩く騒いだものだから、ココへ連れて来たんだよ』


 残念、既にお手付きでらっしゃったか。

 ですよね。


「あぁ、あの見た目ですものね」

『界隈だと少し質の悪いのに引っ掛かってしまってね、グレーゾーンギリギリセーフだから、怠惰も憤怒も対応出来なかったんだよ』


「おじいちゃん偉い」

『ふふふ、芸術家を守るのも僕の仕事だと思ってるからね。どうだい、彼の作品は』


「好き、水死体欲しい、他のお題は、虚栄心と考えてみるよ」

『うんうん、アレも中々のセンスだからね、是非是非だ』


「ありがとうございます」

『いやいや、今日は慌ただしく回ってしまったけれど、今度はじっくりとね』


「もちもち」


 そうして虚栄心の店に戻り、お題を考える事に。


「やっぱり、ハナは花じゃないかしら」

「こう、当たり前のはちょっとなぁ、刺激的なのが良い」


「背徳を全て詰め込んで貰うのはどう?」

「背徳ねぇ。作家の子がグレーゾーンギリギリセーフで婚約破棄でとか言ってたんだけど、ココにもそんなんが有るの?」


『あぁ、サシャね。そうね、エミールちゃんにも関わる事だし、少し話しましょう』


 未成年と致す為に婚約して、破棄する脱法的手口の事を言ってたんだそうで。

 サシャは全く気にして無いらしいけれど、ご両親が守る為に、と。


「あぁ、食われて終わりってか」

「画家としての腕がお眼鏡に叶わなかった、そうやって周りも本人も納得しているからこそ、合法。親告罪だし、立証が凄く難しいから、殆ど訴えって無いのよね、心変わりを法では裁けないから」

『それでも訴える事って有るんですよね?』


「訴えは有るけれど、証拠不十分で不起訴、痴話喧嘩って事で処理されて終わりよ」

「エミール、気を付けておくれね、本当に大事なら待っててくれる人にしなさい」

『大丈夫ですよ、向こうじゃ全然モテたりも無かったし』


「えー、嘘やん」

『本当ですってば、練習してばかりだったし、自称ベジタリアンに馬鹿にされてた位だし』


「こんなに可愛いのにねぇ」

「そうよねぇ、よしよし」

『もー』


「さ、お題は花と背徳かしらね」

「脳味噌せ、ぅうん、後でメールするわ」


「はいはい、じゃあまたね、連絡するわ」

「うん、お邪魔さまー」

『お邪魔しましたー』




 ハナが大罪巡りをしたと聞いてヒヤヒヤしていたんだが、今回は虚栄心、美食、強欲を回っただけで済んだらしい。

 ショナ君自らが報告に来てくれた。


「そうか」

「あの、一瞬サシャさんに興味を示して、なのに婚約破棄の事を聞いて、一瞬で興味を失っていて。桜木さんは、何が嫌だったんでしょうか」


「あぁ、童貞じゃないからかもな」

「え?処女厨とか言うのは聞いた事は有りますけど」


「どうしてそうなるんだと思う」


「比べられたく無い、とかですかね?」

「それと同じなのだろう」


「比べる人なんて居るんですか?」


「ぅうん、どう説明すべきか。例えばだ、食えなくは無いが微妙に不味い飯を毎日出されたら、もう少しこうした方が良い、この方が良い、となるだろう。比べたくて比べている場合ではなくても、対比する何かが有れば、つい対比してしまうもの。だろうかと思うが」


 コレで、分かってくれるだろうか。


「そんなに、違うモノなんでしょうか」

「所持品によるだろうし、それこそ体格差も関わるだろうから。まぁ、極端に巨女と小さいのなら、許容量も違うんじゃないだろうか」


「ぁあ、あぁ」

「ドリアード」

《体験させてやろうかぇ?》


「呼んだのが間違いだった」

《冗談じゃよぅ。我は合わせられるでな、そんな事を思った事は無いぞぃ》


「うむ、どうしたって間違いだった様だな、助かった」

《ちょ》


「すまんな、俺は経験豊富とは言えないんでな」

「そうなんですね、すみません、個人的な事をお伺いしてしまって」


「いや、だが他にも何か有ったら遠慮無く聞いてくれ、少なくとも既婚者ではあるのだし」

「はい、ありがとうございました」


 こう、急接近する気配でも無い。

 何だ、何の胸騒ぎだろうか。




 お昼寝を終え、アレクとセバス、それからエナさんを人間の寿命にまで伸ばしに行く事に。


「エナさん、本当に人間と同じで良いの?」

『うん』

「俺らには聞かないのね?」


「それは逆に任せるって言う手口よ」

「あー、まぁ、同じにするよねぇ」

『ですね、この遺伝子の寿命のままに』


 ココでもリスク分散の為、セバスはブルーフェアリーに頼み、アレクはクヌムさん。

 そしてエナさんは、ヘルさん。


《ハナを宜しくね》

『うん』


 それから念の為にもと、刺青を入れる事に。


「サイラさん、宜しく」

「はい」


 次々に切り開いては刺青を入れ、治し、刺青を入れては治し。


 終わったのは、お昼ご飯を食べて少し経った時だった。


「お昼寝しますか?」

「そうね」




 マサコの状態は問題無し、女従者も今の所は問題無し。

 今日から教会の有る地区へ時間を合わせる事になり、俺も合わせる事に、


 瑞安には休暇を得て貰い、俺とシャオヘイだけで監視をする事に。


『本番まで、無理なさらないで下さいね』

「おう、お前もだ瑞安、それこそ」


『僕は辞めませんよ、そこまで期待していたり、絶望したりもしてませんから』

「そうか、助かる」


『いえ、ではまた』

「おう」




 もう寝ているタケちゃん用に、好きな味付けのレシピを練習。

 高菜漬けを戻して、甘めの醤油と砂糖と紹興酒でバラを煮て。


『たべたい』

「ですよねー」


『もー』

「はいはい、焦る理由は無いんでしょう」


『いぢわる』

「ねー、酷い奴だよねぇ」


 手際が良くなる方法はたった1つ、練習有るのみ。


 そして味を合わせるのは、試食して貰うのみ。

 タケちゃん用に小鉢に少しだけ盛り、後はもう自分用なのだけど。


「僕は食べれますから良いですよね?」

「俺もー」

「追々ね、コレが正解だったら全部ワシが食うの、食って覚えるのが1番楽」


「また作れば良いじゃーん」

「なら自分で作れよ、材料たっぷり有るぞ」


「冷たい」

「チャラい」


 当初よりかなり騒がしくなったけれど、カールラが居ない事に気を使ってくれてるのかも知れない。

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