2月7日
マーリンを足止めして尚、クトゥルフのは得られないまま。
『お前も夢見だったのか』
「いや、俺は違う筈なんだが、妹と心が繋がったらしいな」
『だが、苦しめるのか』
「いや、クトゥルフを得られたらと思ったんだが。すまない、また余計な事をしてしまったかも知れない」
『あぁ、なら事情が事情だ、今回は見逃す』
「すまん、助かる」
『だが次は邪魔するなよ、最後に救われるからと言っても悪夢には変わりは無いんだから』
「あぁ、頼む」
今日の悪夢も見慣れた悪夢。
もうクトゥルフは得られないんだろうか。
『ご主人様』
「大丈夫、下に行こう」
そうして今日の悪夢の説明には、ネイハム先生も同席する事に。
楽しく家で過ごしていると、床が傾き、外を見ると大きな目。
急いでカーテンを閉めると、地震が起きて、外に逃げようとするとビルに代わっていて、ずっとビルが左右に傾き続ける。
右へ、左へ。
そうして出口に辿り付け無いまま、目覚める。
《お薬を試してみますか?》
「いや、うん、もう少し先で、クトゥルフが得られるかも知れないし」
《分かりました。ですが少し、カウンセリングを受けてみませんか》
「おう」
悪夢の原因も理由も分かってる。
顔色が悪いと言うか、ほっておけば衰弱死してしまいそうな顔付き。
睡眠が取れていると言っても、悪夢の継続は精神を削る。
《悪夢の原因に心当たりは有りますか》
「プレッシャー、焦り、もっと言えば劣等感、無力感。ただココに引き籠ってるだけで、これから先も役に立てるかどうか、不安」
《武光君を負かしても不安ですか》
「対人だけだし、大型戦は苦戦したんだし、もっと大きかったらハエ扱いされるかどうかじゃない」
《大型戦では無いなら、災害なら有能かと》
「ワシの裁量で人の生き死にを決める事になるのは、正直、荷が重い」
《どれ程の規模を想定してらっしゃるんでしょうか》
「最悪は、向こうなら異世界とか」
《もう1つの異世界との争い、ですか》
「たった1人を倒せば終わる様な厄災じゃないから、4人も呼ばれてるんだと思う。4人で総力戦でやっとって感じなら、数が多いか計略が果てしないか、その両方か」
《けれど、戦闘訓練は怖いんですよね》
「そりゃね、タケちゃんをまた殺しちゃったんだもの」
《すまんが、邪魔者が入ったんじゃが》
《どうしましたか?》
「あぁ、ロキさんか」
そして訪ねて来たロキ神の誘いに、乗るべきだと提案した。
ニブルヘイムでの、フェンリルとヨルムンガンドとの戦闘訓練。
《蘇生はヘル神が担ってくれるそうですし、先ずは戦闘に慣れ、連携も身に付けるべきかと》
『大丈夫、サクラちゃんが死んでも蘇生可能になれるよ』
ヘル神の加護を得る事で、ユグドラシルの領域でなら蘇生が可能になる。
蘇生も戦闘も苦痛でも、桜木花子は受け入れた。
全ては役に立つ為。
空間移動が無いのはどうしても足手まといになる。
どうしても自分を守る為に、アレクやクーロンが犠牲になってしまう。
「キツい」
『魔道具に慣れる練習、大丈夫、治す練習は悪い事じゃないよ』
出来る事をやるしかないけど、辛い。
ハナが訓練をしている間、瑞安と共にマサコと周囲の人の出入りを見守る。
もうこの時点で教会は汚染されている。
後は国連へまで手を伸ばしたいが、排除すべき人間しか暗記していなかったのが問題だった、どう繋がりを作るか。
有用な人間をどう選ぶか。
【皆さん、おやすみなさい】
「確認した、おやすみマサコ」
鏡に映ったマサコを確認し、ユグドラシルへ。
マサコが居なければと、エミールはココへ戻って来た。
ハナのストレスを軽減させる為にと、自主的に戻って来たのだが、コチラも元気が無い。
『あ、タケミツさん、おやすみなさい』
「おう、おやすみ」
ココまでしても得られないなら、この先は。
転移しない可能性も考えるべきで。
ただ、もし転移しないとして、ハナは第2地球を生き残れるのだろうか。




