2月6日
今日もハナは悪夢を見ても、クトゥルフからの鍵は得られず。
山姥に追われるながら山を幾つも越え、果てはいつものマンションの前へ。
そしてマーリンに助けられ、現実へ。
『コレさ、マーリンに助けられてるせいかもよ』
「次は見守る様にして貰うか」
『まぁ、だからって得られるかは別かもだけどね』
2日連続で悪夢はキツい。
青い蓮の効果が無いって事は、クトゥルフなんだろうか。
『ご主人』
「大丈夫、いつもの事だから、焦りとかプレッシャーかも」
《寝直しますか?》
「いや、大丈夫」
少し環境を変えてみよう、取り敢えずは青い蓮はストレージへ。
桜木さんは今日も悪夢を見たらしく、昨日の夢と合わせて内容を教えてくれた。
「こう、迎撃するシミュレーションをしてみませんか?」
蜜仍君の提案で、山姥対策が話し合われる事になった。
夢見だから、クトゥルフの素養が有るかも知れないから。
けど、でも、真剣に考えてくれてる事が嬉しい。
信じられない事や、疑われた事がどれだけ負担だったか、嫌だったのか。
「桜木さん?」
「ごめん、集中力が散漫だ、少し休憩したい。アレ貰えるかね」
「はい、どうぞ」
不味い、クラクラする。
冷静にならないと、今は泣く意味が無い。
注目された程度で喜ぶな、全ては結果を出す前の召喚者だから得られてる好意。
忘れるな、まだ何もして無いんだから。
歯触りが弱いと美味しくない、けれど味が強過ぎても飽きる。
ハナちゃんの苦悩はドロッとしてるけど、ネバネバし過ぎない。
わたあめでバネで内臓で、甘くて苦くて酸っぱい。
そのハーモニーが最高。
あぁ、次の日が楽しみだなぁ。
昼寝の時に悪夢は見なかったけど、気が重い。
「どうした妹」
「タケちゃん、練習相手になってくれ」
魔剣で何処まで出来るか、ただそれを試したかっただけなのに。
「ごめん」
「いや、凄いぞ妹、俺の負けだ。流石、魔法適性が高いだけの事は有る」
「なんそれ」
「俺は頭でっかちで魔法を殆ど使えない、けど妹は良く使える。自信を持って良い、妹は強い」
「偶々」
「またヤるか?」
「無理、もう身内無理」
「分かった分かった、悪かった」
勝ったのに、全く嬉しく無い。
俺は強さが嬉しかったんだが、ハナは戦い慣れて無いからか、引き籠ってしまった。
「武光様、今度は僕とお願い出来ますか?」
「いや、ハナが回復してからにしょう、怪我もハナの練習になるんでな」
「はい、分かりました」
「すまんな、頼んだ」
「はい」
マサコと潜入した教会は嘘と詭弁にまみれていて、凄く不快。
『こんな所に連れて来てしまって、ごめんなさい』
《いえ》
ご主人様が居なくて良かったと思う。
きっとこんな所では悪夢しか見られないだろうから。




