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2月29日
クーロンに手伝って貰えば良かった。
けど、シュブニグラスからの質問を聞かれたく無かった。
汚れたとは思わないけど、誇れる事でも無いから。
『ご主人様!』
「クーロン」
つい、ホッとしてしまった。
つい、ショナの顔が過ぎってしまった。
つい、戻る事を迷ってしまった。
《主!》
ソラちゃんは最初から分かっていたんだろうか。
なら、何故、どうして。
まだ残っていた肌色によって、一瞬で右の膝上から下を握り潰された、そして痛覚遮断をしている間に左腕も。
声が聞こえる、シュブニグラスに押し潰される悲鳴と歓喜の絶叫。
肌色の肉塊から聞こえている、喜びと絶望の声。
ココまでして、救う価値の有る人間が方舟に居るんだろうか。




