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2月16日

 全く進展は無し。

 ハナの方は第3世界へ移動し、本来通り馴染んでいた。

 呪いが有るからこそ、こうなのかも知れないが。


『全然、進みませんね』

「あぁ、完全に様子見の体制なんだろう」


 予定通りなら、残り4日でハナが帰って来る筈。




 天使のルシフェルが津井儺君からの了承を得た事で、桜木花子が魔王や大罪化する可能性は確かに減ったが。

 もし、異世界で想い人が出来て両方を選ばなければ、結局は同じ事。


 最悪は孤独死。

 それを避けるには。


《詰みました》

「え?なに?どの事だい?」


《孤独死回避です》

「あぁ、君が面倒を見たら良いじゃない、興味は有るでしょう」


《そう興味は》

「え、ヤれないの?」


《出来はするでしょうが》

「なら良いじゃない、君の顔は好きなんだし」


《もう少し情愛や何かを持った方で》

「君がそれを上げれば良いじゃない、ハーレムに加わるんじゃ無かったの?」


《そうですが、アンカーの津井儺君を差し置いては不可能ですよ》

「そう説得したら良いじゃない」


《両者共に潔癖なんですよ?》

「必要に迫られたら、愛が有ればラブイズオーケーでしょうよ」


《ルーマニアの資料、読みましたね》

「だって、僕だけにって言うんだもの、君はズルいよ」


《ええ、卑怯者ですが。どうでしたか》

「お人好しで情に厚いなら可能性は有るけど、問題はアンカーの彼だねやっぱり」


《それと、武光君です》

「桜木花子さんの幸せが最優先なら、理想とは違っても受け入れると思うよ?」


《ですがかなり固執していますので、最悪は私を消す可能性も有るかと》

「君を、あぁ、他もって事?」


《帰還の際に天使も神も殺してしまえば、桜木花子は義務感からアンカーを選ぶかも知れませんし、従者も受け入れるかもと、考えるかも知れません》

「そこまで執着してるんだぁ」


《お子様と重ねれば、容易いかと》

「まぁ、そうかもだけど。そんなに怖いかい?」


《はい、火中の栗を拾うのはこんなにも怖いのかと実感しています》




 監視中には一切の不審な行動は無し、ジェスチャーにも違いはそう無い。

 そしてこの会話も録音し、翻訳機へ使われる事になる。


「うっす」

「お疲れ様でした」


 誂われる事も無し。

 桜木さんの話が出来無いのは、何だか寂しい。

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