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2月3日

 まだ、小野坂は来て無いな。


「エミール、少し良いか」

『はい?』


 前はホムンクルスの事は人造従者の時まで伏せていたが、ココはもう知らせた方が良いと判断した。

 細部では無くとも、元魔王達の遺伝子が誰で出来ているかは知るべきだろう。


「まぁ、従姉妹とほぼ同一の濃度らしい」

『何か有ったら、ハナさんにも連帯責任が行くんじゃ』


「だからこそのギアスと血の盟約だ。アレク、少し良いか?」


「あいよ、なに?」

「試しに」

『いえ、いいです。ハナさんが後で知ったら、嫌な気持ちになるかもなので』


「俺から説明するから良いよ、信用は大事だし」

『なら、ハナさんが起きてからお願いします』


「分かった、じゃあね」


『本当に、顔以外は魔王さんの欠片も無いんですね』

「そうだな、セバスが殆どを持ってったらしい」


『コレで、本当に良かったんでしょうか』

「コレで良かったとなる様に、俺はしたい」


『はい』


「あの、新しい召喚者様が来たそうで」

「そうか、ハナを起こすか?」


「一応、女性だそうですし」

「分かった。エミールはどうする」

『後々で顔合わせは時間の無駄になるかもなので、あ、でも大勢だと混乱しますかね?』


「なら、先ずはハナに先行して貰うか」




 タケちゃんに起こされ、準備を軽く終えると省庁へ連行された。


 何か怒られるのかと思ったけど、新しい召喚者が来たらしい。

 現れた先はロサンゼルス自治区。


 旧米国初の召喚者なので、生憎と専用の省庁も従者の準備も0。

 なのでコチラに緊急要請したらしい。


 省庁に寄って備品を預かり、ボストンの病院へ。




 少し寝惚けているかも知れない桜木さんと、武光さんやエミールさんと病院の廊下を歩く。

 もう既に無色国家が手を広げているのかも知れないと思うと、団体行動には不安を抱いてしまう。


「柏木さん、新しい人は大丈夫そう?」

「えぇ、体は大丈夫だそうですが、少し混乱してまして」


「でしょうね」

「えぇ、何か失礼があるかもしれませんが、どうかご容赦下さい」


「おう、がんばる」


 柏木さんが言っていた理由が分かった。


 桜木さんの時とは違い、警戒心が高い状態。

 僕らを睨み付ける様な目つき。


「お邪魔します、桜木花子と申します」

「その従者のミーシャ」

「ショナです」


『アナタも召喚者なんですか?』

「そう言われてます、1月の日本から来ました。他にも外に居ますけど、会いますか?」


『…先ず、異世界だと、どうやってアナタは信じたんですか?』

「先ずは言語。ただ今でも全部は、完全には信じてませんけど。痛いのと、眠ると夢を見る所と、魔法が使える所で。それでかなり信じました」


『使えるんですか?』

「少しだけ。あの、アッチで何かやってた運動とかあります?」


『あ、はい、真剣の居合いを、刀が好きで』

「おぉ!カッコいい、夢は良く見る方ですか?」


『え?いいえ?』

「じゃあアクトゥリアンの方かな、宇宙人とか詳しいですか?」


『いえ…良くは知らないですけど』

「アクトゥリアン、おいでませアクトゥリアン」


【どもー!お久しぶりです桜木さん!初めましてマサコ=リタ・小野坂さん】

『ひぃ』

「おひさ、見ての通り宇宙人のアクトゥリアンです、友好的な宇宙人だから大丈夫」


【はい!人間大好き!】


「アクトゥリアン、外見チェンジで。柏木さん、タブレットは?」

「はい、こちらに。国連仕様です」


「おぉ、良いな。コレの認証登録したら、色々と便利な機能が使える様になるから、どうぞ」

『騙してません?』


「いや、ノーです。自分は何も嘘ついて無いし、騙してない、けど。心配なら世界を見て回ると良いかと、精霊も神様も、あ、天使さんも居るし」

『天使様が?』


「ココで呼んで良いのか。死の天使さん、ガブリエルさんとか居ない?」


【居ります、ほら、そこに】


『あぁ、天使様』

「それとドリアード。木の精霊、あげる」

《雑じゃ、実に雑》


『え、はい、あ、ありがとうございます…あの、天使様とお話しても?』

『時間は有りますから、この方達のお話を聞いてみて下さい』


『あ、はい、失礼しました。それで、このタブレットでしたっけ?』

「便利な魔法やアイテムが使い易くなる感じ。それと、他の召喚者も紹介したいんだけども」


『はい、あ、その、性別って』

「メンズ、準備する?」


『すみません、少しだけ』

「色が合うか分からんけど、どうぞ」


『あ、ありがとうございます』




 身支度に時間が掛かっただけらしく、小綺麗になった小野坂と初対面した。

 思ったよりも表情が穏やかなのは、天使のお陰だろうか。


「中つ国の、李 武光だ」

『欧州の、エミール・ペンドルトンです』


『マサコ=リタ・小野坂です。あの、私の所属って』

「それは好きに選べるんだって、前の世界に準じる必要は無いんだけど。ワシは言語が不安だったし、北海道に現れた感じだから、そのまま」

『僕は、そのままです、生まれがイギリスなので』

「俺は、改善したいと思って所属を続けている。良い国、良い世界では有るんだがな、より良くだ」


「あまり詰め込んでもだし、天使さんと話したいだろうから。落ち着いたらまた今度」

「ハナ、浮島と神獣を見せれば一発だろうに」


「いや、タケちゃんみたいに早々に信じる方が」

『あの、神獣って?』

「あぁ、天使は認めているのか?」

『勿論です』


『あの、もし良ければ見に行っても?』

「高所は大丈夫?」


 本来とはかなり展開は違うが、コレが正解だったのかも知れない。


 ハナがカールラとクーロンを呼び出し、空間移動を見せ、浮島を見せた。


『凄い!まるで夢みたいです!』

「そう思っていた時期が私にも有りました」

「温泉はどうだ?それとも飯にするか?」


『あの果物って』

「ええよ、じゃんじゃんお食べ」


『はい!』


「可愛いなぁ」

「ハナ、雑食過ぎだろう」


「いや、初々しいし、キャピキャピ感がオバちゃん眩しいんだもの」

「そう年は変わらんだろうに」


「花の盛りには勝てません」

『気から老いてどうする』

「そうだぞ、お前もコレからだ」


「咲かんで終わったりしてね」

「不吉な事を言ってくれるな」


「おっ、いや、そんなつもりじゃ無いのよ。貰い手の話」


 どっちにしても、俺には不吉なんだ。




 ミーシャさんが小野坂さんの従者に決定し、暫く浮島でゆっくりして貰う事に。

 エミール君は蜜仍君と訓練へ。


 僕らは買い物へ。


「武光さん、本当に1人でですか?」


「そうだな。従者を見繕ってくる、心配するな」

「何か有ったら直ぐに言うんだよ?」


「おう」


 コレは、最少人数の弊害だ。




 ハナ達が買い出しをしている間、エジプトへ。

 人造従者を造り出して貰い、ハナを呼び出した。


「なっ、何してんの」

「人造従者、俺の影武者でも有る」


 驚くのも無理は無い、もっと先の話なのだから。


「そんなホイホイと」

「で、作ったは良いが、名前の良い案は無いか?」


「えー」


 ドゥシャ。

 お前はもう、どう生まれてもドゥシャだな。


「すまんな、邪魔をした」

「いや、それよりどうするのコレから」


「先ずは睡眠だな、じゃあな、楽しんでこい」


 折角のデートだ、邪魔は出来ん。




「なんつー、突拍子も無い事を」

「ですね」


「あ、美味いなコレ」

「本店に行ってみます?」


「その前に、少し寄りたい所がある」


 武光さんを心配してユグドラシルに行こうとしていたのだが、クエビコ様とドリアードが休養しているから問題無いと宥め、何とか買い物が続行された。


 そして飲食品以外に唯一、遠慮無しに買ってくれる品。

 蝋燭屋へ。


 けれど、化粧品に従者に、次は浮島まで譲ってしまわないだろうか。


 桜木さんは既にコレだけの結果を残したのに、まだ後衛の医療班程度にしか思っていない素振り。




「様子はどうだ?」

『お前のせいだ、お前の元に行こうとしていたんでな』

《止めてやったんじゃ、感謝せい》


「すまんな、感謝する。それで、どうなんだ?」

『蝋燭屋で買い物中だ』

《なんぞ、ショナが不安そうじゃな》


「ん?何故だ?」

《何でもかんでも譲っておってからに、それが不安なんじゃろう》


「あぁ、従者も浮島も、果ては自分もか」

《そこまでは分からんが、不安に思うのも無理ないじゃろう》


「流石に、浮島は譲らんだろう」




 桜木さんと浮島に戻り、料理の下拵えに取り掛かっていると、武光さんが帰って来た。


「おかえりー」

「おう、手伝うぞ」


 ドゥシャも加わり暫くすると、今度はエミール君と蜜仍君も加わって、準備は早々に終わった。


「節分のお祝いがこんなに豪華なのって僕、初めてです!」




 問題がややこしくなるかもとの懸念は有ったが、天使のお陰か土蜘蛛の里でも問題無く過ごせそうだったが。

 ココでも心得の問題が起きた。


『ちょっと、こう書かれているのかと思うと、微妙ですね』

《まぁ、嫌悪感が出ても仕方無いだろうね》


 そしてハナの口数の少なさよ。


「どうしたハナ」

「ワシ、コミュ障やから」


 ココで人見知りか。


「みなさーん!オヤツお持ちしました〜!福茶と、いり豆です。桜木様、先ずは豆まきしましょ?」

《それは外だぞ》


「はい!豆は外にありますから、ね?行きましょ?」


「小野坂さん、行ってみる?」

『はい!』


 人見知りからの遠慮とは。

 確かに、コレではショナ君が心配するのも分かる気がするが。


「ハナもだ、ほら行くぞ」


 相容れないという事はこう言う事なのか、ハナが気を使い、遠慮し、譲る。

 あの無邪気に楽しそうに走り回るハナは、コレでは見れないのか。


「参った。もう少し動ける体が欲しい、今のままじゃ双子にも負ける」

「じゃあ治す練習台よ、アザ治そう」

『練習台だなんてそんな可哀想な言い方って』


「仲間内の軽口なんでな、気にしないでくれ。少し向こうで休憩しよう」

『はい、ありがとうございます』


 本当に、一緒には居られないらしい。




「ごめんな、軽口が過ぎたかも」

「何あんな事気にしてんの?」

「真面目過ぎる感じなのかもですね、凄いなぁ、もうアザが消えてる」


「小野坂さんも出来るみたいだよ、ほら」

「へー」

「桜木様は桜木様で、ドリームランドが有るんですし、いつ行きます?」


「心の準備が出来たら。先ずは鬼婆を倒さなきゃいけないんだ」

「鬼婆なら首を切るか、溺れさせるのが定番ですよね!」


「なるほどね…寒っ」

「そろそろ中に戻りましょ!」




 小野坂をココへ連れて来た事を、激しく後悔している。

 魔法の話から、蜜仍の記憶が消えるかも知れない糸の話で、小野坂が噛み付いた。


『どっちか選ばないといけないなんて、残酷ですよね』


「だが、納得はしているのだろう」

「はい、勿論ですよ」


『でも、納得出来なかったからこそ、先日の方は悩んでたんですし』

「エミール、確かにそうだが、選べるだけマシだと」

『選べると言っても、両極端過ぎませんか?可哀想ですよね?』


 ハナは既に納得しているのに、そう同意を求めるか。


「強い武器を、規制無しに持たせるのは反対。それに、極端にしたくて、極端にしたんじゃ無いと思う」

《そうだな、緩い規制をどんどんすり抜け、好き勝手した馬鹿が居るんだ。例えそれがたった1人だとしても、大勢が犠牲になった以上は、規制を甘んじて受けるしか無い》


『すみません、何か、反抗しちゃうみたいな言い方をして。偉い方が考えての事なんですよね、余計な事を言ってすみませんでした』


 コレは、相性が悪い。

 悪意が無いにしても、ハナが悪者になりかね無い物の言い回しをする以上、側には置けないな。




 長い沈黙。

 小野坂さんは気にもしていない、片や桜木さんは表情が暗い。


「あの、今日は」

「あぁ、そうだったな、見極めか。小野坂君、少し時間も掛かるんでな、浮島に送ろう」

『いえ、体力なら大丈夫ですよ?』


「魔素の事も有る、今日はゆっくり休んでくれ」

『分かりました。健康には自信が有るので、直ぐ皆さんに追い付ける様に頑張りますね』

《あぁ、蜜仍、送ってあげなさい》

「はーい」


 何もかも、何だか相性が悪そう。


《ふぅ、少し休憩しよう。ハナ、おいで、良いモノを見せてやろう》


「おう」




 里へ戻ると、洞窟前には不満気なショナ君にアレクにセバス、エミールまで。


「どうした」

『僕の失言のせいですけど、何か、あの人が嫌だなって』

「なー、可哀想に思わないサクラが悪いみたいじゃんか」

「健康に関しても、悪意も悪気も無さそうなんですけど」

『言い回しって、難しいんですよねぇ』


「それで、ハナはどうしてるんだ」

「土蜘蛛様が宝物を見せてあやしてます、もう、どうして誰も擁護しなかったんですか?」


「角が立つ、まして信念や思想の違いが有りそうなら。余計な事を言えば、余計に拗れる」

『そうですねぇ、沈黙が有効な場合もありますし』


「うん、合わんな。暫くは会わせない様にしたい、今後は小野坂のフォローに周るが、頼めるか?」

「はい」

『勿論です』


「いや、エミールもコッチだ」

『え』


「同じ宗教感の様だしな、今回は少し噛み合わせが合わなかっただけかも知れん。仲間だろう?」

『はい』


「よし、見極めをお願いするか」




 タケちゃんには、身体強化だけだった。

 見た目通りと言うか、思った通りと言うか。


《逆に珍しいな、コレだけとは》

「みたまんまでワロス」


「ん、実に残念だ」


 次にエミール。


 狩人に最適な音が消せたり、水の上を歩ける技術が得られるんだそう。


 ただ。


『まだ』

《まだ目や感覚の慣らし段階なのだろう、欲しくなればまた考えたら良い》


『はい、ありがとうございます』




 ハナ達が戻るまで、次は作戦会議をと発案された。


「蜜仍、どうして作戦会議なんだ?」

「桜木様には今まで武光さんが居たんですよね?それなのに今度は小野坂さんに行ったら、桜木様が不安がるかもって」

『だな、ネイハムも依存の可能性はあるだろう、と』


「そうか。ドリアード、どう思う」

《何も言わんで離れれば、問題は起きそうじゃのぅ》

『だな』


「そう、なるのか」

「土蜘蛛様も心配してます。なので、僕はまたお手伝いに行きますけど、ちゃんと話し合って下さいね?」


「おう」

《先ずは、どう言うかじゃな》




 見極めを終えて戻ってみると、おタケが神獣2人に詰め寄られていた。

 何したんだろ。


「なに、どしたの」

「アレク。俺は、ハナに、依存させていたんだろうか?」


「え、ワザとじゃ無いの?」


「いや、すまん」

「いや、半分冗談だけど、何、どうしたの」


「半分は本気か」

「おう」


「こう、無意識に過保護になってしまうのか」

「いや、あんなんだし仕方無いけど。お前が色々動く以上は、仕方無い事だと思うよ?」


「俺が動いたせいか」

「せいって言うか、仕方無いんじゃ無い?」




 僕の見極めが終わって直ぐに、少し焦った様子の土蜘蛛さんに送り出されると、タケミツさんがこの世の終わりでも見た様な顔をしてアレクや神獣達と話し合っている。

 どうしたんだろう?


『どうしたんですか?』


「もう、ダメかも知れん」

「一応、依存させたく無かったんだってさ」

《コヤツなりに、依存させる気は無かったらしいんじゃがな》

『どうにも、過保護になってしまった事がショックらしい』


「本当に、そのつもりは無かったんだ、すまない」




 きな粉餅のお汁粉と煎茶、梅昆布を持って来ると。

 武光様は持ち直していたけれど、全然話が進んでなかった。


「打たれ弱いんですね?」

「もう、リカバリ出来そうも無くてな」

「大袈裟だってば」

『そうですよ、絶対に会わないワケでは無いんですし』

『言い過ぎたか、兎に角、落ち着いてくれんか』

《じゃのぅ》


「どうしたんですか?」

「あぁ、ショナ君」




 武光さんは、まだ困惑していた。


「フォローしに行くだけって事で良いのでは?」

「それで本当に、大丈夫だろうか」

《変に言い訳しても勘ぐられるだけじゃ、と》

「って言うか、依存と過保護でダメージ受けてやんの」


「僕が言うのもなんですけど、仕方無いのでは?」

「それでもだ、依存させずに先んじてやれたんじゃ無いかと思うとだな」


「先んじて行動する以上は」

「仕方無いと、本当に言えるんだろうか」

『後は、悪者になって仕向けるとかですかね?』

「仮面でも被って誘導する?」

『誘導は依存に繋がるのではないんでしょうかね?』


「あ、もう終わったみたいですし、もう納得して下さい」


「あぁ、考えておく」


 武光さんの納得は得られなかったけれど、桜木さんは元通りになっていた。


「どうでした、桜木さん」

「美味かった。そして成果は無し、どれも会得はちょっとって感じ。暫く保留かな」


《巡り合いの順番がな、少し歯痒いが。嫁には欲しい》

「どう、巡り会えば良かったんだ?」


《本来は子供の頃から鍛錬して初めて得られる技も有る、正直今から鍛錬してどうなるかが全く見当がつかん。今更、毒を摂取して本当に毒手使いになるかも分からんし、なれぬかも分からん。相性は悪いとは出ておらんが、余りに賭けが過ぎる》


「ちょっと毒を摂取してみたら分かるんじゃね?」

《下痢嘔吐、内臓が灼熱に焼ける様な痛み。痺れ、麻痺、呼吸困難等が出るぞ?》


「それ一遍にはしぬ」

《近道は一遍にだ》


「ぐえ、折角手に入れた健康を手放すのは惜しい、けど、必要になるかもだし」

「桜木さん」


「もう、痛覚は切れるし」

《嘔吐は抑え込めんじゃろ》

「ハナ」


「いや、毒手はいらんけど、無毒って結構強いやん?媚薬も効かなければタケちゃんも安心でしょう?」

「それは魔道具でだな」


「魔道具禁止区域有るでしょ?」

「だが」


「何か有れば、小野坂さんも居るし」

「俺は、お前に苦痛を感じて欲しく無いんだ、メイメイ」


「進む道を邪魔したらアカンのでは?」

「モノには限度と言うものが有る、いくら小野坂が居るとしてもだ」




 まして小野坂のは、ハナの治療魔法とは根本的に違う筈。

 ココで毒に苦しむなんて事は。


「桜木さん、まだ雷電習得の目途も立っていないんですし。それからでも良いのでは?」

「そうだな、誰か宛ては有るのか?」


「まだ」

「よし、それからにしよう、な?」


「おう」


《ふぅ、よし、温泉は好きだろう?行こうな?》

「おう」


「助かった、ショナ君」

『ビックリしましたね、ハナさんがあんなにゴネるなんて』

「あー、もしかして自分はスペアか何かと思ってるんじゃね?」

『そうかも知れませんねぇ』

「それって、最悪の流れでは」


「あぁ、最悪だな」


 俺は離れるし、もう見張っていられない。

 もう、任せるしか無いのか。


「まぁ、俺らに任せてよ」

「そうですよ、出来るだけコチラの事も報告しますので」

「呼んでますよ、行かないと不審がられちゃいます」


「おう、頼む」


 それからはもう揉める事も無く、ハナ達と一緒に里の家に泊まった。

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