加護
神に触れられ近付いてしまった為、神の加護を受けてしまった。
そのせいで一気に神の気配が高まり力が安定しない。
制御の意味を込め、クラヴィクスが新たに作ってくれたブレスレットを嵌めると、前に貰ったブレスレットは役目を終えたかのように砂のように消えていった。
「ほう……」
ソファーに座っている由良のブレスレットを、興味深そうに眺めているクラヴィクスは実に嬉しそうだ。
こんな現象を見たことがないとなれば当然だろう。
良い研究対象街道をばく進中のようで、クラヴィクスといれて嬉しい反面、今後どんな恐ろしい実験が待っているのかと不安になる。
「あの、魔力があると魔法学校に入る……って」
ブレスレットと言う名の枷を付けられ、魔法について学ぶ場所。
由良もそこに行くのかと思っていたけれど、クラヴィクスは首を振っている。
「今の君は誰に狙われるかも、どんな力を秘めているのかも未知数だ」
そんな危険な状態で行かせる訳がないだろう……と、少々小バカにされたように言われてしまった。
「それに、魔法学校は全寮制だ。行ってしまえば、ここに帰ってくるにも制約がある」
「帰ってくるにも……」
「ん?何か引っ掛かるのか?」
「いえ……」
当たり前のように、ここが帰ってくる場所だと言われているようで胸の奥が暖かくなる。
笑みを隠そうにも隠せずにやけていると、おでこをぺしりと叩かれてしまった。
「それじゃあ魔法についてどうやって学べば良いんですか?」
魔法の使い方や制御。魔法使いのルール等、本を読んで理解出来る部分はあっても、細かい部分は魔法学校に行かなければ全く分からない。
未だにブレスレットを観察していたクラヴィクスは、由良をじっと見つめた。
「君が構わないなら、私が見よう」
「……えぇ!!これ以上働いたら本当に倒れちゃいますよ!?」
「勉強の時間を魔法にも割り当てれば良い。魔法学校も一般教養の授業もあり、何も魔法ばかり学んでいる訳ではないからな」
まずは全員、一般教養を中心に学んでいく。
一般教養の試験に合格したら、今度は年齢や魔力によりカリキュラムが分けられていくそうだ。
まずは常識を身に付け、基盤を整えなくてはならない……が、魔法学校で初めに習うルールらしい。
「幸い、君は一般教養は身に付いている。魔法に重点を置いても問題はない」
「……良いんですか?」
また迷惑をかけてしまいそうだ……と窺うような視線を向けると、頭を軽く撫でられた。
「君の面倒は私が見ると決めた。」
「ありがとうございます……頑張りますね」
「ああ。倒れる前に気が付けるようにするが、無理はしないように」
「善処します……」
「期待はしないでおこう。まあ、倒れたとしても大丈夫だ」
大丈夫とは?と首を傾げても、何の返答も返ってこなかった。




