表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神隠しで異世界に  作者: もふっとな
第一章
24/78

可愛いロッティ

歩けないのはその日だけだったようで、翌日には自分の足で歩けた。

だからもう大丈夫とは思ったものの、今日と明日は大事を取り休みなさいとクラヴィクスに言われ、素直に頷く。

何をしようか悩んだ末出てきた答えは、またクッキーを作ることだった。


今度はディアナに色々と教わりながら一緒に作り、久々に王宮の庭でプチお茶会を開く。

ユリウスやマリウスも誘ってみたかったけれど、ユリウスは謹慎中。

マリウスは稽古に出かけたらしく会えなかった。

残念だと思いながら、ディアナとほのぼのとした時間を過ごしていると、フォンツァ!と大声で呼ばれ目を丸くする。


呼ばれた方向を見ると、領主の娘であるロッティが立っていた。

不機嫌そうに口を曲げ、ズカズカと歩いてくる姿にディアナと2人で警戒をする。

テーブル前に着いたロッティは、持っていた扇子で口元を隠し由良を見る。


「貴女、王子を守ったそうね」

「え?……ああ!」


一瞬何のことか分からずポカンとロッティを見たが、直ぐに合点がいき頷く。


「………少しは見直しましたわ」

「あ、ありがとう……あの、ディアナとクッキー作ったんだけど、食べる?」


言いながら毒味の意味を込めて一枚頬張ると、ロッティが少し戸惑いつつも頷いた。


「お誘いして頂いたのに断るのも申し訳ないわね……えぇ、頂くわ」


ディアナが紅茶を淹れ、ロッティが扇子を片付け優雅にお辞儀をし、カップにソッと口を付ける。

動作1つ1つが綺麗で、これぞ小説で読んだ貴族のお茶会だ……と心の中で興奮してしまう。

そんな思いを知らないロッティは、クッキーを一枚手に取り食べた。


「まあ……悪くないわね」

「ありがとうございます。……由良様。ロッティ様は大層お気に召したそうです」

「そ、そんなこと言ってないわ!」


口調は怒っていても頬は赤く、まるで図星を突かれたようだ。


「ツンデレ……」

「なんですのそれ?」

「基本ツンツンしてるけど、たまに可愛らしい1面を持った子って意味」

「あら、随分と的確な言葉があるんですね」


由良の説明にディアナは大いに頷いたものの、当の本人は不服のようでムスッとしている。

ツンツンしてませんわ!と怒っても説得力が無いし、服装や髪型を褒めると嬉しくなさそうに喜んでいる。

典型的なツンデレだ……と思うと、喧嘩越しなのも可愛らしく思える。


「ねぇ、ロッティって呼んで良い?」

「いきなり呼び捨てですの?まあ、構いませんけど……私も由良と呼ばせて頂きますわね」

「うん。ロッティまた来てね」


帰り際にそう言ってみると、扇子で口元を隠したロッティは、プイッとそっぽを向いた。


「誘われたなら仕方ありませんわね。また来ますわ」

「うん。またお話ししようね」

「そうですわね。…………由良、いつ頃がよろしいかしら?」


何だかんだで楽しみにしてくれているロッティの為にも、次のお茶会は早めの方が良いようだ。


「明日ならクラヴィクスさんが休みにしてくれてるけど……」

「明日ですわね。そうね、午後からで宜しくて?」

「うん。ねぇ、ロッティもクッキー作り一緒に出来ないかなディアナ」

「そうですね。シェフにお願いすれば大丈夫だと思われます」


クッキー作りは楽しいし、どうせなら一緒に参加して欲しいな……と思っていると、ロッティが嬉々とした表情を見せた。


「わ、私……初めて作るわ……」


お菓子作りに興味はあっても、いつもメイドが用意をしたり、市販品だけだったりするらしい。

なら尚更楽しくなりそうだ……と、由良とディアナは顔を見合わせ笑った。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ