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神隠しで異世界に  作者: もふっとな
第一章
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有名過ぎる神隠し

駅からは遠くにいるのに、電車が橋を渡る音が微かに聞こえるほどのどかな昼下がり。

長い階段を登った先にあるのは寂れた神社。

掃除もあまりされていない境内には、古い本殿が一軒立っていた。

2歳の片山由良かたやまゆらは愛犬のノルと一緒にここに探索に来るのが好きだった。


そんな由良を両親が良く連れてきてくれていた。

砂利道の音が楽しく、ここを一人で歩くのが大好きだった。

両親が止めようものなら泣き叫び、遂には危険は無さそうだから…と両親も諦めたそうだ。

砂利道をぽてぽてと歩いていると、隣にノルがやってくる。

首輪の辺りをポンと叩くとノルがすり寄ってきた。


「のりゅ、ぽんぽぽんぽ!」


すり寄るのが嬉しくてぽんぽんと叩いていると、由良の前に影が1つ出てきた。

同時に甘い匂いを感じクンクンと鼻で嗅いでいると、バランスを崩し砂利道に座る。


「あ、ごめん!由良、大丈夫?」

「ん!だいじょぶ!」


焦ったように抱き抱えてくれた手は優しく、ふわふわと心地いい。


「かーしゃ、これ」

「わあ、猫みたいな石だね」

「んーん!」


違う!と怒ると、クスクスと笑われてしまった。


「じゃあ、ノルかな?」


満足な答えを出してくれたお陰で、気分良くなっていると、由良の頭を優しく撫でてくれた。


「由良はノルのこと好き?」

「ん!かーしゃも!ゆーくんも、あと、むーちゃも、つき!」


近所のお友だちの名前も言うとウンウンと唸っている。


「ねぇ、つきってなーに?……あ、好き、か。ふふ、ありがとう。私も由良のこと大好きだよ」


フワリと抱き締めるられ、うふふ!と笑う。

暫く髪の毛を撫でてくれていた手は離れ、ふと寂しげな目を見せた。


「かーしゃ?」

「そろそろ帰ろう」

「やー、まーだ!」

「……由良」


困ったように微笑む姿に2歳ながらにして何だか心がざわつく。

かーしゃ?と問い掛けたが返事はなく、代わりにざぁっと突風が吹き、由良とノルの体が光に包まれた。


「由良ー。今日のお昼何にしようか……って!」


尻餅をついていた中で突風が吹き、今度は体が持っていかれそうになる。

慌てて駆け寄ってくれた父に抱っこされ、お昼は何にしようか?とお話をしながら、皆で神社の階段を降りていく。

それから何故か神社に行くのを怖がった由良は、引っ越しを期に神社から離れたところで暮らしていった。



***


***



ピピピピ…という規則正しいアラームの音を聞きながら、由良は伸びをしてベットから降りる。

階段から降りキッチンにいる母と、リビングにいる父に挨拶をして、用意されている朝食の前に座る。

今日の朝食はトーストにハムエッグ。ついでにヨーグルトだ。

お腹に良いのよ~と言い大量に買う母を止めたい…と思いつつも、母の優しさに感謝している。

トーストを齧りながらテレビに目を移す。


『ここ最近話題になっていることと言えば、そう、神隠しです!』


爽やかな顔のアナウンサーが、怪奇!?神隠しを検証!!と銘打ったフリップを出している。


「ここ最近増えてるらしいな」

「そうみたいね」


キッチンからコーヒーカップを持った母がやって来て、三人でテレビを眺める。

そう。今、全国で起こっている現象が神隠し。

犯罪に巻き込まれたのかはたまた家出か?等と言われていたが、行方不明になった人が数日後には各地に立っているらしい。


「不思議よねぇ」


話を聞いても支離滅裂…と言うより、まるでファンタジーな世界にでも旅立ったかのような話しに、初めは笑い者になっていた。

ただ、それが一年間に数人続き、始まってから今までトータル30人以上が同じことを言うのだから、信じるしかないだろう。

神隠しにあった人が言うファンタジーな世界のお話は本にも纏められ、最初に神隠しにあった人はちょっとした有名人になっている。

30人の中には学者がいたり、主婦だったり、サラリーマンの人もいたり…といなくなった季節も性別も様々で、良い研究対象になっているらしい。

全員の共通点は、神隠しに遭う前に試させてもらうよ……と謝る声が聞こえたこと。それと、ファンタジーな世界で一度命を落としたこと……らしい。

その話を聞いてゾッとした為に、小説好きだとは言えその小説は読めないでいる。


神隠しはあまり好きではない。

それは何故か……と言うと、ノルも神隠しにあったのでは無いか?と考えているからだ。

ある時、お気に入りのブランケットで寝ていた筈のノルが、ブランケットと共にいなくなっていた。

両親共々探したものの見つからず、大泣きしていたのを良く覚えている。

両親は何やら考え込み、ノルがいなくなったのは仕方のないことだよ……と由良に言い聞かせていたのも、未だに疑問に思えているが聞けていない。

考え込んでいると次の話題に移り変わっていたようで、お寺や神社の管理について話をしていた。


「そう言えば由良が好きだった神社、移転するらしいわね」

「ああ、遷宮して神社全体を綺麗にするとか言ってたな」


神体を移動してその間に修理を行うのが、こんな身近で行うのだと思うと少し興味がある。

帰りに寄ってみようかな…などと考えていると、学校に通う時間が近付いて来ていた。

今日はHR前に図書室に行きたかったのだと思い出し、急ぎ朝食を食べ、準備をして早々に学校へと向かっていった。










初連載。設定ガバガバかもしれませんが、完結まで頑張ります。

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