とある勇者との遭遇を練習する魔族
魔族A「うむ、同士よ。こんな森の中で出会うとは奇遇だな」
魔族B「ふむ、同士よ。こんな森の中で出会うとは奇遇だぞ」
魔族A「ところで同士よ。俺はひどく悩んでいる」
魔族B「そうか、頑張れ」
魔族A「ありがとう。だがそういうことではない」
魔族B「フレー!フレー!ど・う・し!」
魔族A「重ね重ねありがとう。だがそういうことではない」
魔族B「すまん。チアリーダーの恰好はさすがにきつい」
魔族A「不安にさせてすまん。だがそういうことではない」
魔族B「だが同士がどうしてもというならやぶさかではない」
魔族A「やぶさかであれ。だがそういうことではない」
魔族B「ならばどういうことだ?」
魔族A「悩みを聞いてほしい」
魔族B「そういうことか。それでは明日にまたここで会おう」
魔族A「今では駄目か?」
魔族B「無論構わん。なぜそんな当たり前のことを聞く?」
魔族A「すまん。悩みというのは勇者のことだ」
魔族B「ゆ・う・しゃ?」
魔族A「よもや勇者を知らぬわけではあるまい?」
魔族B「馬鹿な。無論知っている」
魔族A「よかった」
魔族B「昨日の夕食にも出た。俺の好物だ」
魔族A「よくなかった」
魔族B「違うのか?」
魔族A「俺たち魔族と敵対している勇者のことだ」
魔族B「そっちか」
魔族A「どっちだ?」
魔族B「その勇者がどうしたというのだ?」
魔族A「俺はまだ勇者を見たことがない」
魔族B「そう会うものでもあるまい」
魔族A「ゆえに勇者に遭遇した時に緊張せずにいられるか心配なのだ」
魔族B「なるほど。よくある悩みだな」
魔族A「そうか?」
魔族B「魔王様もそれを悩んでいるそうだ」
魔族A「それは色々問題だな」
魔族B「ならば一度ここでシミュレーションをしてみよう」
魔族A「シミュレーション?」
魔族B「俺が勇者の役をするゆえ緊張せず対応して見ろ」
魔族A「それは助かる」
魔族B「ではいくぞ・・・やっほー久しぶり!」
魔族A「いや待て」
魔族B「どうした?」
魔族A「勇者はそんなフレンドリーではないだろ」
魔族B「そうなのか?」
魔族A「俺たちは敵対しているのだぞ?」
魔族B「てっきり女子高生のノリかと思ったが?」
魔族A「なぜ思った?」
魔族B「委細承知した。今度は上手くやろう」
魔族A「頼んだ」
魔族B「では・・・げぼげべべべべぼばああああ!」
魔族A「いや待て」
魔族A「今度は何だ?」
魔族B「勇者はそんな溶けてない」
魔族A「てっきり溶けてると思った」
魔族A「なぜ思った?」
魔族B「委細承知した。今度こそ上手くやろう」
魔族A「頼んだ」
魔族B「では・・・俺は勇者だ!でたな魔族め!」
魔族A「貴様が勇者か!息の根を止めてくれるわ!」
魔族B「それはこちらのセリフ! では全軍一斉に攻撃!」
魔族A「いや待て」
魔族B「どうした?」
魔族A「勇者は軍隊を指揮してない」
魔族B「そうなのか?」
魔族A「数人の仲間を引き連れているのがベターだ」
魔族B「どこの馬の骨より軍隊のほうが強いだろ?」
魔族A「異世界ではなぜが軍より民間のほうが強いのだ」
魔族B「解せぬ」
魔族A「解せぬがそれで頼む」
魔族B「では・・・俺は勇者だ!でたな魔族め!」
魔族A「貴様が勇者か!息の根を止めてくれるわ!」
魔族B「それはこちらのセリフ! 行くぞ――うわ!」
魔族A「どうした!?」
魔族B「転んだ拍子に仲間のスカートの中に顔を突っ込んでしまった!」
魔族A「なに!?」
魔族B「おのれ今度こそ――うわ!今度は仲間の胸を触ってしまった!」
魔族A「・・・」
魔族B「いきなりの強風に女性陣の服がはだけて素っ裸に!なんてこった!」
魔族A「・・・いや待て」
魔族B「どうした同士?」
魔族A「それは何だ?」
魔族B「ラッキースケベだが?」
魔族A「・・・」
魔族B「・・・」
魔族A「それは何かリアルだ」
魔族B「だろう」
魔族A「何にせよこれで勇者と遭遇した時の準備は万端だ」
魔族B「良かった」
魔族A「さあいつでも掛かってこい勇者よ!」
魔族B「む、しげみから人影が――え?」
魔族A「あ・・・」
魔族B「え? うそ? あれって・・・」
魔族A「いやだ・・・待ってよ。そんなこと」
魔族B「人違い・・・じゃない!?」
魔族A「ええええ!?やだちょ・・・えええええ!」
魔族B「まだ心の準備が――」
魔族A「まじほんもの!?あなたもしかして・・・ゆ――」
ピロリロリー
二体の魔族を倒した。
めざせM1!
ブックマークと評価一件につき、10+2話書いてみたいと思います。
もう少し延長させてやろうという方、
よければブックマークと評価をいただけるとありがたいです。
ブックマークつけるか迷ったときはつけてみましょう。




