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とある自分の職業が分からない魔族とブラジャー

挿絵(By みてみん)

※「とある風となった男と魔族のトライアスロン」登場キャラ

とある森の中で魔族Aがおもむろに言う。


「俺の職業とは何だろうか?」


「職業とな?」


魔族Bが首を傾げる。


疑問符を浮かべる同族に、

魔族Aがこくりと頷いた。


「いわゆる戦士や魔法使いといった

類の話だ。俺は自分の職業を理解していない」


「それは奇妙なことだな。

魔王様より職業を賜らなかったのか?」


「賜ったぞ」


「ならば何故?」


「のっぴきならない事情があってな。

魔王様の言葉をよく聞いていなかった」


「のっぴきとはなんぞ?」


「眠たかったのだ」


一呼吸の間を挟み

魔族Bがふかぶかと頷く。


「致し方ないことだ」


「然り。よって俺は自身の

職業を認識していない。困った」


「具体的にはどう困っている?」


「装備できる武器が分からん」


またも一呼吸の間をはさみ

魔族Bがふかぶかと頷く。


「合点がいった。ゆえに同士は

頭に剣を突き立てているのだな」


「というと?」


「剣の装備の仕方が分からぬのではないか?」


「いや。これはオシャレだ」


「オシャレだったか」


魔族Bが難しそうに眉をひそめる。


「何にせよ、剣をオシャレツールに利用する当たり

お主は戦士などの剣術を扱う職業ではないのだろう」


「ならば魔法使いか?」


「試しにこの杖を装備してみよ」


魔族Aが杖を手に取り

その先端を自身の眼球に突き刺した。


「どうだ? イカしているか」


「それもオシャレか?」


「ファッションと呼んでくれ」


「どうやら魔法使いの類でもないらしい」


「ぬう・・・そうか」


魔族Aが思い悩むように腕を組む。


「難問だな。頭を使いすぎたためか

何やら頭がくらくらしてきたぞ」


「それは出血によるアレではないか?」


「いや、アレではない」


「ならば問題ない。しかしこれでは

職業が分からぬな」


「うむ。ところで足元に

ブラジャーが落ちていた。

これも試しに装備してみよう」


「なるほど。試してみるといい」


ブラジャーを胸元につけてすぐ

魔族Aが首を傾げる。


「・・・どうもしっくりこない」


「そもそもしっくりくることが

あるのか疑問だが、そうか」


「やはりブラジャーも俺の職業とは

関係がないらしいな」


「仕方ない。他の方法を――」


「いや待て」


魔族Aが胸元からブラジャーを外し

重々しい口調で言う。


「今度は目元につけてみよう」


「何故だ?」


「ブラジャーがそう呼んでいる」


「呼んでいるのは病院ではないか?」


「いや違う」


「違うならいい」


「どれ・・・む、何かが邪魔をして

目元につけられん。呪いか?」


「いや、同士が先程眼球に突き刺した

杖が引っかかっているだけだ」


「そうか、良かった」


「良かった」


「よし引っこ抜いた。では改めて

ブラジャーを装着・・・おお!」


魔族Aがブラジャーに隠れた目を

かっと見開いた。


「これは・・・しっくりきた!」


「しっくりきたか」


「うむ。どうやら俺はブラジャーを

目元に装備する職業らしい」


「よかった。これで同士の職業は

分かったも同然・・・」


しばしの沈黙を挟み

魔族Bがカクンと首を傾げる。


「して・・・何の職業だ?」


「・・・困った」


「うむ。困った」


そして魔族Aと魔族Bが黙り込む。



―――-

―――-

―――-

―――-



名前:魔族A

LV:5

職業:変態(グラス・ブラジャー)





魔族二体で完結する話は楽だ。


ブックマークと評価一件につき、10+2話書いてみたいと思います。

もう少し延長させてやろうという方、

よければブックマークと評価をいただけるとありがたいです。


ブックマークつけるか迷ったときはつけてみましょう。

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