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とある人間と魔族のハーフの苦悩

挿絵(By みてみん)

※「とある天空城に住む天空の姉妹」登場キャラ

「ぐわあああああああああああ!」


断末魔を上げて魔族が倒れる。


俺は布切れで血のついた剣を拭き

鞘に収めた。


偶然森を通っていたところ

魔族に襲われている人間を見つけた。

ゆえに魔族を剣で斬り払ったのだ。


「・・・大丈夫か?」


目をつぶり震えている人間に声を掛ける。

自身が助かったことに気付いたのか

人間が目を開き笑顔を浮かべた。


「あ・・・ありがとうございます!

助かりま――きゃああああああああああ!」


人間が悲鳴を上げて森の奥に走って逃げた。


命の恩人である者に対する態度ではない。

だが俺はただ嘆息するだけだ。


いつものことだ――


俺は人間から疎外されている――


なぜなら俺は――


人間と魔族のハーフだからだ。



=================



人間と魔族のハーフ。

そんな俺に人間の目はいつも冷たい。


どうして俺をそんな嫌悪するのか。

どうして俺をそんな煙たがるのか。


子供の頃の俺はそれが不思議でならなかった。



俺は皆に認められたかった。

だから誰よりも努力した。


剣を鍛えて――

魔法を習得し――


その力で大勢の人を救ってきた。


だが俺が認められることはなかった。


そこが生まれ育った故郷であろうと――

そこが知らない土地であろうと――


俺に向けられる目はいつも

ゴミを見るかのような眼差しだけだ。


一度はそんな生活に嫌気がさし

魔族に寝返ろうかとも考えた。


だがハーフである俺は

魔族の中にさえ居場所などなかった。



魔族もまた俺に向ける視線は

人間のそれと同じなのだ。


魔族の特徴と人間の特徴。

その両方を併せ持つ俺は

人間からも魔族からも

化物に見えたのだろう。



否――


人間でもない。

魔族でもない。

中途半端な俺は――


事実、化物なのかも知れない。




===================



ようやく森を抜けて人里に下りた。


村の入口の前で大勢の人が談笑し、

子供が元気に駆け回っていた。


だが俺が村の前につくと

皆がその笑顔を凍りつかせる。

そして蜘蛛の子を散らすように

村の奥へと駆けて行った。


大人だけでなく子供もだ。


慣れたことだ。

今更気にすることではない。


気にすることではないのだが――


「どうして・・・俺だけ・・・」


ハーフであることがそんなにも悪いのか。

ハーフであることがそんなにも罪なのか。


確かに俺は人間とも魔族とも違う。

彼らと同じにはなれない。


だが――


だがハーフというだけで――


どうしてここまで――




俺は息苦しい思いを抱えたまま

村の中に入っていった。


人間からどれだけ嫌われていようと

食料を調達しなければ生きていけない。


村中から向けられる敵意ある視線に耐えながら

俺は村の奥へと進んでいった。



するとその時――


「きゃあああああああああああああん!」


女性の黄色い声が聞こえた。


ふと足元に落としていた視線を上げる。


村の中にあるちょっとした広場で

何やら大勢の若い女性が騒いでいた。


「きゃあああああ! さすが強いいいいい!」


「素敵いいいいい! かっこいいいいいい!」


「抱いてエエエエ! 抱いてエエエエ!」


目をハートにして騒ぐ女性。

その彼女たちに囲まれて

一人の男性が彼女たちの声援にこたえた。


「ありがとう! お嬢さんたち!」


男の手には剣が握られており

男の足元にはスライムが一匹倒れていた。


どうやら男がその剣で

スライムを撃退したらしい。


・・・あの経験値1のスライムを・・・



「もう最強おおお! 魔王も倒せるんじゃない!?」


「彼なら楽勝よ! だってこんなにも強いんだもの!」


「かっこよくて強いなんて非の打ち所がない!

それに――それに彼って――」


女性が一斉に声を合わせる。


「人間と魔族のハーフなんだものおおおお♪」



・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・



ハーフ? 確かに良く見ると

人間の顔をした男の頭には魔族の角が生えていた。


爽やかに手を振るハーフの男に

女性がキャアキャアと騒ぎ立てる。


「ハーフとか超カッコよくない!? 特別感ばつぐんよね!」


「魔族の力に人間の心! キャッチコピーが素敵イイイイ!」


「もうハーフしか愛せない! 普通の人間とか超ダサい!」


「よしたまえ。お嬢さん」


騒ぐ女性に

ハーフの男がさらりと髪を撫でる。


「僕も小さい頃はハーフで辛い目に遭った。

例えばそう・・・仲のいい女の子友達が

僕を巡って争いを起こすなど。

僕はハーフであることが辛いんだ」


「きゃあああああ! 影あるうううう!」


「苦悩してるうう! 癒してあげたいいい!」


「わたしたちは争いませんんんんん!

ハーフさんはみんなの恋人だからあああ!」



そんな彼らの様子を

ぼんやりと俺は眺めていた。


するとふと

足元に小さな女の子がいた。


ペロペロとアメを舐めている女の子。

怪訝に眉をひそめていると――


女の子がひどく嫌そうな顔でこう言った。


「どけよ。ブサイク」


女の子に言われるまま道を開ける。


女の子がアメを舐めながら

通り過ぎて行った。


俺はしばし呆然とした後――


「・・・そっちだったかぁ」


顔を手で覆い隠して天を振り仰いだ。




YES! 高○クリニック!


ブックマークと評価一件につき、10+2話書いてみたいと思います。

もう少し延長させてやろうという方、

よければブックマークと評価をいただけるとありがたいです。


ブックマークつけるか迷ったときはつけてみましょう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あああ。 そういうオチ…^^; 高○クリニックで悩みが解消するかも⁈ 幾らかかるか知りませんがw
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