とある魔族だらけの水泳大会(ポロリあり?)
「さあ、始まりました!
年に一度だけ開催される娯楽の祭典!
『魔族だらけの水泳大会』!
本大会も魔族の中で選りすぐりの
美女を集めております!
どうか皆さん、楽しんでいってください!」
森の中にある大きな湖。
その湖の縁に設置されたテーブルに
仁王立ちして、実況者たる魔族がそう声を荒げた。
湖を取り囲むように人垣をなした魔族が
うおおおお!と地鳴りのような歓声を上げる。
歓声がひとしきり鳴り終えるのを待ち、
実況者がさらに言葉を続ける。
「昨年は魔族の一人が
思わずポロリをしてしまい現場は大混乱!
ゆえに本大会では最新の注意を払います!
しかし不測の事態とは常につきもの!
またしてもそのような事態が起きないとも限りません!
無論、運営としましては遺憾なことではありますが、
皆さん、カメラの準備を怠らないようお願いします!」
うおおおお! とまた歓声が上がる。
各々カメラを掲げる魔族らを見回して、
実況者の魔族がニンマリと笑みを浮かべる。
「どうやら準備は万端のようですな!
それではお待ちかね、美女の登場だ!」
魔族の人垣がさっと割れて、
そこから際どい水着を着用した魔族が姿を現す。
お尻を振りながら妖艶に歩くその魔族に、
観客の魔族からピュウと口笛が鳴った。
「第一コーナーから現れましたのは、
妖艶な大人の魅力を醸し出すアダルトな魔族だ!
そのスタイルもさることながら、仕草や声も全てが
色っぽい! 彼女に見つめられて骨抜きにならない
魔族がいるでしょうか!? 少なくとも私は、
もうすでに彼女にゾッコンであります!」
うおおおお! と一際大きな歓声が上がる。
歓声に答えるように、際どい水着の魔族が
チュッと観客らに投げキッスをする。
その途端、投げキッスを受けた魔族らが
一斉にヘタヘタと地面に座り込んだ。
「どうやら早くも彼女の犠牲者が出てしまったようです!
それでは続きまして、第二コーナー!」
また魔族の人垣が割れて、
スクール水着を着用した小柄な魔族が姿を現した。
子供のようにペタペタと歩く
眼鏡をかけたスクール水着の魔族に、
観客の魔族らが顔をニヤケさせる。
「子供じゃないもん! もう十五歳だもん!
でお馴染みのロリータ魔族が前回に続いての参戦だ!
一年経過してもまるで成長のないその幼児体形に
一部のファンは堪らないことでしょう!
できれば今後も大会に参加して頂き、
その成長しない幼児体形を見せつけて欲しいところです!」
実況者の失礼な発言に、
ぷうと頬を膨らませるスクール水着の魔族。
その愛らしい姿に、
また観客の魔族らが顔をニヤケさせた。
「そして最後はこの女性だ!」
三度魔族の人垣が割れて、
今度はビキニの魔族が姿を現した。
これまでの魔族とは異なり力強く歩くその魔族に、
観客の魔族らから感嘆の声が上がる。
「美しいだけが魅力ではない!
強さを兼ね備えてこそ優れた女性と言えるでしょう!
その点において、彼女の右に出る者はいますまい!
彼女はその細い体からは想像もつかない戦闘者であります!
彼女の戦う姿を見て誰が呼んだか!
『戦場のヴァルキリー』!
交渉を重ね、ついに本大会へ参加する運びとなりました!」
周囲の観客を一睨みするビキニの魔族。
彼女の視線にM心を刺激されたのか、
観客の魔族らが怯えながらも恍惚の表情を浮かべた。
「これで参加者は揃いました!
早速競技に移りましょう!
まずは毎年恒例の『湖横断どっちが早いか競争』!
湖の端から端まで渡り切るという単純な競技です!」
水着を着用した三体の魔族が湖に入り、
各々好戦的な眼光を瞬かせる。
「だがしかぁあし、途中でスタッフとなる魔族が、
水鉄砲により進路を妨害してきます!
しかも、本大会の水鉄砲は威力が桁違い!
まともに浴びれば水着さえも脱げてしまうでしょう!
果たして水着を守りながらどれだけ早く湖を横断できるか!」
うおおおお! と観客の魔族が歓声を上げる。
水着魔族のポロリを期待しているのだ。
「それでは――スタートしてください!」
その合図と同時に、
水着の魔族らが湖を勢いよく進み始める。
「おおおお! やはり早いのは第三コーナーの
『戦場のヴァルキリー』だ!
単純な運動能力で彼女の右に出る者はいないでしょう!
しかしそのヴァルキリーに水鉄砲の洗礼だ!
ビキニゆえにポロリ率が高い!
怖い顔をしながらも必至に水着をガードする!
ここで第一コーナーから追い上げが――
おおおおっとぉおお! 第二コーナーの
ロリータ魔族が湖の中でもがいている!
どうやら足が湖の底に届かず溺れているようだ!
スタッフの方、救助に――っとここで、
第一コーナーと第三コーナーの水着が、
ついに水鉄砲の水圧にやられてポロリ――」
==============================
「・・・何だこれは?」
空中散歩をしていた魔導士は、
眼下に見える景色にきょとんと首を傾げた。
何やら湖に入った三体の魔族に、
周りの魔族が騒いでいるようだが――
「はて? 何かの儀式だろうか」
魔族の個体差など人間には分からない。
ゆえに魔導士には、湖に入った強面の魔族を、
大勢の強面の魔族が取り囲んで
ただ騒いでいるようにしか見えなかった。
よく分からないが異様な熱気だ。
殺気じみているとさえ言える。
となると――
「大規模な戦いに備えて、
気分を昂らせているのかも知れんな」
これほど魔族が興奮しているのだ。
きっとそうに違いない。
「ならば・・・捨て置くことはできんか」
魔導士は眼下に右手を掲げ――
「古代魔法――パフパフ」
湖で騒いでいる魔族らを魔法で一掃した。
きっとアイドルにワーキャーしている私たち人間も
別の動物からすればこのように見えていることでしょう。
ブックマークと評価一件につき、10+2話書いてみたいと思います。
もう少し延長させてやろうという方、
よければブックマークと評価をいただけるとありがたいです。
ブックマークつけるか迷ったときはつけてみましょう。




