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TRPGを作ろう  作者: 宮沢弘
第一章: 要求分析
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要求分析4

 キャラクターについては、「要求分析3」で整理しました。次はキャラクター以外についてです。現在、表の1カラムめは「キャラクター」と書かれているか、そうでなければ空欄のはずです。その空欄の場合について考えます。

 「要求分析3」で「キャラクター」だけをまず書いたのは、それ以外のものをどう扱うのかがものによって、そしてどのように世界設定とし、どのようにシステムで実現するかが違うからです。TRPGにおいてキャラクターは必ず存在しますが、それ以外のものをどのように分類するかは自由度があり、また世界設定の反映のしかたに違いがあるためです。1カラムめに入るのは、「スキル」だったり「アイテム」だったり「魔法」だったり、いろいろとありえます。


 そのあたりの作業に入る前に、すこしやっておく必要がある作業があります。「要求分析3」で「スペシャル」と書いた行があります。そして、その行にはエフェクトがあります。そのエフェクトもまた、エンティティとして書き出されているはずです。そういうエンティティを見つけ、同様に「スペシャル」と書いておきましょう。同時に同じエフェクトの行が複数あると思いますので、それも一行だけ残し、ほかは消しておきましょう。

 この作業で、表はかなり整理されたはずです。これでやっとキャラクター以外のエンティティについての作業に入れます。


 それでは、「要求分析3」に続いて、どうしたって存在するキャラクターを中心に置いて考えていきましょう。キャラクターが持つエフェクトや、キャラクターが実行可能なエフェクト、それにそもそものエンティティにはどういうものがあるでしょうか。ここでは、キャラクターを表現するパラメータを、次の4種類で考えます:

  Primary: あらゆるキャラクターが、あるいはほぼあらゆるキャラクター

       が持ち得るもの

  Secondary: あらゆるキャラクターが、あるいはほぼあらゆるキャラクター

       が潜在的に持つもの、あるいは潜在的に持ち得るもの

  Primary Special: ある種のキャラクターが普通に持ち得るもの

       (「スペシャル」と書かれているエンティティ)

  Secondary Special: ある種のキャラクターが潜在的に持ち得るもの

       (「スペシャル」と書かれているエンティティ)


 これは、普通にあるTRPGであれば、およそ次のものに相当するかもしれません。ただし、次のように分類するかどうかは、まだ別の話であり、想像のしやすさとしての例です:

  Primary: 能力値

  Secondary: スキル

  Primary Special: Powers

  Secondary Special: GiftsやFlaws


 ともかく、エンティティのエフェクト、あるいはエンティティとしてのエフェクトを、“Primary”、“Secondary”、“Primary Special”、”Secondary Special”に分類します。表計算ソフト上では、エフェクトを抽象化した更に左にカラムを挿入し、これらを書いてもらいましょう。

 そうしてもらった上で、表計算ソフトのシートを眺めてみてください。“Primary”などが書かれたカラムをキーにして並べ替えてもらうのもいいでしょう。

 そうやって見てみると、“Priamry”、“Secondary”、“Primary Special”、“Secondary Special”によって、エンティティの数が違うと思います。明かな違いはないとしても、傾向としての多さ、少なさはあるものと思います。“Primary Special”や、“Secondary Special”の数が多いということはないと思うのですが、“Primary”と“Secondary”は、“Primary”の方が多かったり、“Secondary”の方が多かったりということはあるかと思います。その数が多いということは、その“Primary”や“Secondary”の方が多岐に渡るということでもあり、またその “Primary” や “Secondary” の適用範囲なり守備範囲が狭いというとでもあります。逆に数が少ないということは、その “Primary” や “Secondary” の方が、単体での適用範囲が広いということでもあります。

 また数だけでなく、その性質や性格にも違いがあるはずです。上の “Primary: 能力値” などの例にとらわれて欲しくはないのですが、ともかく4つに性質の違いがあるはずです。


 ここが考えどころです。“Primary”にはどういうものが多いでしょうか。そして“Secondary”にはどういうものが多いでしょうか。また“Primary”の数と“Secondary”数が多きく違うのであれば、“Primary”と“Secondary”を別物として扱うことを考えることが適切でしょう。あるいは数が大して違わないのであれば、“Primary”と“Secondary”を同列のものとして扱うとことも考えられます。もし“Primary”と”Secondary”の数が大して変わらないか、“Secondary”の数の方が少ない場合、上では“Secondary”に対応するものの例として“Skill”を挙げましたが、実は“Skill”ではなく、種族や職業が対応するかもしれません。

 さらに、“Primary”の数の方が“Secondary”の数よりも少ないとしても、“Primary”の数自体が多いという場合がありえます。だとしたら、それは本当に “Primary” なのでしょうか? 実はなにかの組合わせだったりしないでしょうか? この場合、もしかしたら “Secondary” を “Secondary Secondary” とし、現存する “Primary” を “Secondary” とし、現存する “Primary” を分解したものを、新たな “Primary” とするというような作業をした方がいいかもしれません。


 この段階では、 “Secondary Secondary” を用意するなどの場合も含め、 “Primary”、 “Secondary”、 “Primary Special”、 “Secondary Special” の数と内容をよく眺め、エフェクトを分類したりあるいは分解したりという作業を行ないましょう。

 そして、“Primary”、“Secondary”、“Primary Special”、“Secondary Special”は、それぞれいったいなんなのかを考えましょう。一体なんなのかについては、上に挙げたこれが、たしかにその一例ではあります:

  Primary: 能力値

  Secondary: スキル

  Primary Special: Powers

  Secondary Special: GiftsやFlaws


 しかし、これにとらわれる必要はありません。次のようなもののままであってもかまいません:

  Primary: Primary

  Secondary: Secondary

  Primary Special: Primary Special

  Secondary Special: Secondary Special


 ともかく、よく考えてください。この連載では「能力値」などの言葉は使わず——たぶんですが——、今後も“Primary” や “Secondary” などの呼び方をしていきたいと思います。


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