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TRPGを作ろう  作者: 宮沢弘
第三章: バグ・フィックス
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バグ・フィックス4

 前回の続きのつもりでしたが、あまり続きでもない内容になりました。まぁともかく具体例を挙げて考えてみましょう。


 まず世界観/世界設定です。魔法があるとして、その扱いです。では、その世界観を列挙してみます。

  - 魔法は、メモ帳やノートに書かれている。

  - 魔法使いは、魔法が書かれているページを見て、発動を宣言することで

   発動する

  - 魔法使いの1ターンで複数の魔法を発動できる

  - 魔法は、発動したら無条件に成功する


 このような世界観の場合、魔法そのものが相当ちゃちなものばかりでない限り魔法はかなり強力な影響を持ちます。正直、TRPGとしてはバランスがぶっ壊れているでしょう。TRPGとしての判定にこの世界観を活かすとしても、TRPGとして成立するようにしたいところです。


 方法の一つは、魔法はちゃちなものばかりにするというものです。原作 (?) でもそうなっているなら、この方法を取ることが一番素直な方法でしょう。

 そうでない場合、つまりすくなくともそこそこ強力な魔法がある場合はどうでしょう? 一つは、原作 (?) の世界観からは外れますが、「無条件に成功する」という部分を変えることでしょう。それを認められるならですが。

 それ以外の方法としては毎ターン (毎ラウンド)、好きなように魔法を発動できるという条件を変えてみることです。たとえば、1ターン (1ラウンド) で、発動する魔法をノートから見付け、次のターン (ラウンド) で発動するというように、結果として発動できる魔法を半分にすることです。またこの場合、魔法が有効かどうかの見込みが外れる場合もあります。

 もっとも、これでも強力な魔法があれば、TRPGのバランスとしてはかなり無理がありますが。

 また、「魔法使いの1ターンで複数の魔法を発動できる」という条件については、たとえば粘着付箋が存在するかどうかでけっこう扱いが違ってきます。粘着付箋がない場合、複数の魔法を発動できるとしても、一々ページを捲る必要があるなど、発動できる魔法の数の上限が厳しく制限されるようにルールを作れるでしょう。

 それに対し、粘着付箋がある場合、ノートの上から発動する順に粘着付箋を貼っておくことで、簡単に次に発動する魔法のページを開けます。その分、粘着付箋がない場合よりも多くの魔法を発動できる可能性があります。現代ものの場合、粘着付箋を使えないというのには無理がありますが、上限を設定するなら、なにか理由付けをする必要があるかもしれません。

 ですが、これらのどれにするにせよ、TRPGとしてのバランスを考える場合、かなり無理があります。


 結局のところ、「魔法は、発動したら無条件に成功する」という条件を変えるか、「魔法使いの1ターンで複数の魔法を発動できる」という条件に厳しい制限をかけるか、「魔法はちゃちなものばかりにする」というのが現実的な対応策となるでしょう。しかし、どれにせよ原作 (?) の設定からは外れてしまいます。

 原作 (?) から外れざるをえないのはなぜでしょう? 一つには、そもそも原作 (?) の世界観がTRPGには向かないということが挙げられるでしょう。一つには、バランスを取るための世界観のなにかを見落としているかもしれません。


 世界観を判定やTRPGの設定に活かすというのは、このように難しい場合があります。もし原作 (?) ではうまいことやっていたとしたら、上記の世界観が実は違っているとか、他の条件が実は存在するとか、あるいはご都合主義的にうまいことやっているかのどれかでしょう。実は違っているとか、他の条件があるという場合、原作 (?) で明言されていないとしても、それを明文化した上でもう一度考えてみる必要があります。もし、ご都合主義的にうまいことやっているのだとしたら、ちょっと手を出すのは難しいでしょう。ご都合主義になにかが隠れている可能性はありますが。なにかが隠れているなら、それを見付けて明文化しなければなりません。


 世界観を判定やTRPGに持ち込めるのが理想ではありますが、それはあくまで理想だと考えた方がいいでしょう。このあたりを正直に言えば、慣れていれば原作 (?) の時点で、それをTRPGにどう持ち込むかを意識しながら作ります。なので、原作 (?) を反映するという発想になるわけです。しかし、原作 (?) の時点で意識していないなら、かならずしも反映するのは簡単ではありません。

 上に書いた世界観は、意図的にTRPGや判定に反映しにくいものにしていますが、上記の世界観を見た時点で、「そのままでは無理っぽい」と感じたなら、そのあたりの感覚がわかっているかもしれません。もし、「面白そう」と思ったなら、そのあたりの感覚が掴めていないかもしれません。


 このように、できるか難しいかを分析しなおすことも、バグ・フィックスの早い段階において重要な工程になります。もしかしたら、難しいことに対してあれやこれや手を焼いてなんとかしようとしているかもしれません。もしそうであったなら、どのように実現するかを根底から考え直した方がいいかもしれません。それはもしかしたら、最初から設計し直すことになるかもしれませんし、TRPGにすることを諦めざるをえないという結果になるかもしれません。


 次回は汎用システムでの再現について書いてみます。


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